完全にJazzの作風にアレンジしてあり、作曲者のカラーは希薄なものとなっている。
ヴェロニカ本人も、ジャズ・シンガーとしては割とオーソドックスな声なので、よりいっそうの感がある。
裏を返せば、マイケル・フランクスの独特な唱法がいかに曲そのものと結びついているのかを物語っている。
そのせいか、M7” Leading Me Back to you” でマイケル本人の声が聴こえてくると、いきなり彼のカラーに変節する。
多少、年のせいか、ざらついた声質となるが、まだまだ健在ぶりを示している。
どうせならデュエット・アルバムにしても面白いかなあと思うのだが、そうなるとまったく彼のセルフカバー・アルバムとなってしまうのだが…。
つまるところ、マイケル・フランクスの存在感というのはずば抜けているということか。