Yngwie Malmsteen

Yngwie Malmsteen (イングヴェイ・マルムスティーン) プロフィール

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Yngwie Malmsteen

ロック・ギター奏法に革命を起こしたとされるエディ・ヴァン・ヘイレン。1970年代後半から1980年代前半におけるエディの存在は絶対的なものであり、そのプレイ・スタイルは多くのフォローワーたちを生み出すに留まらず、彼から直接影響を受けたといえない多くのギタリストたちのプレイまでが「ヴァン・ヘイレン風」に聞こえてしまうという、それは凄まじい浸透力でした。そこから始まったとされる1980年代のギター界「テクニック至上主義」時代。これを決定付けた男が後に現れることとなります。イングヴェイ・マルムスティーン、その人でした。そのフレーズの難易度、スピードはケタ外れ、それはタッピングと大胆なトレモロ・バーを使用した“ヴァン・ヘイレン風”ギタリストたちも度肝を抜くものでした。そして“イングヴェイ風”ギタリストはプロ・アマチュアを問わず、“ヴァン・ヘイレン風”をも超える勢いで急速に増殖し始めたのでした・・・。

そんな大きな影響力を持った、最後のギター・ヒーローとも言えるイングヴェイ・マルムスティーン。彼は1963年6月30日、スウェーデン・ストックホルムに生まれました。オペラ歌手の叔父、オーケストラ・メンバーの姉、ジャズ好きの母という音楽的に恵まれた環境の中で育った彼は、5歳の時に初めてギターを手にしています。子供たちが音楽家になることを夢見ていた母からのプレゼントでした。しかし、この時点ではまったくギターに興味を示さなかったイングヴェイ、そんな彼が自主的にこれに取り組むようになったのは7歳の時でした。

時はジミ・ヘンドリックスが亡くなった1970年。彼の追悼番組を見たイングヴェイは、その自由で過激なパフォーマンスに魅了され、ギターをプレイをし始めることとなりました。それから2年後、9歳の誕生日にプレゼントされたディープ・パープル『ファイアーボール』にてリッチー・ブラックモアのプレイに触発され、彼の信者ともいえるほどに、楽曲を次々と完璧にコピーしていたそうです。そしてイングヴェイ自身が影響を受けたと語ることの多いパガニーニ。彼の楽曲超技巧派として知られる『24のカプリース』を、旧ソ連のヴァイオリニスト、キドン・クレメールがプレイしているのを目撃し、前記のジミ・ヘンドリックス+リッチー・ブラックモアに加えて、これが現在における彼のプレイ・スタイルに大きく影響を与えたようです。

13歳の時、初めてバンドを組み活動を始めたイングヴェイ。幾つかのバンドを渡り歩いた後に1978年頃ライジング・フォースを結成。イングヴェイのそのアクロバティックなギター・プレイはプロの目に止まり、スウェーデンCBSから声をかけられ1980年にはレコーディングを行うもリリースはされませんでした。1983年、米『Guitar Player』誌にコラムを連載していた“ギタリスト発掘人”マイク・ヴァーニーは、スウェーデンのバカテク無名ギタリストをL.A.へ呼び寄せ、スティーラーというマイナー・メタル・バンド加入への橋渡しをしています。1983年4月に『Steeler』でデビューを果たすも同年末には脱退。しかしこのアルバム1枚で彼のギター・プレイはアメリカでも評判となりました。

結果、レインボーMSGを渡り歩いた大物シンガー、グラハム・ボネットと、UFOのフィル・モグからオファーを受け、グラハムとのアルカトラスに参加することとなります。1983年12月、アルバム、『アルカトラス』がリリースされ、世界中にその存在を知らしめることとなりました。しかし、ここでもアルバム1枚を残しただけで脱退。後にスティーヴ・ヴァイアルカトラスに参加しています。

1984年、21歳にして既にメタル・ヒーローの地位を確立していたイングヴェイは、待望のソロ・アルバム、『ライジング・フォース』をリリースしました。ネオ・クラシカル・メタルの原点は紛れも無くここにあります。その後、少しコマーシャルな方向へと向かった『トリロジー』(1986年)は、全米でもトップ50に食い込むなど、イングヴェイはスターダムにのし上がり、その後の活躍は日本のファンなら周知のとおりです。1987年6月、愛車でドライブ中に事故を起こし、昏睡状態に陥る危機的状況となりましたが復活。後遺症に悩まされる時期もあったようですが、見事に全盛時のフィーリングを取り戻しています。

イングヴェイ・マルムスティーンのプレイ・スタイルについて。まずその独特の様式美を追求したクラシカルなメロディ・ラインを上げることができます(誰が聞いたって当たり前ですが・・・)。ハーモニック・マイナー・スケール、ディミニッシュ・コードというものを一般的にしたのはイングヴェイです。ブルースを基調としたペンタトニック一辺倒であった従来のロック・ギターから、ヴァン・ヘイレンが道を広げたといえますが、まだまだ伝統的なスタイルの延長線上にあったのに対し、イングヴェイのコード・アルペジオ奏法などのフレーズは、どちらかというとバイオリン曲などからの影響が強く現れており、これをギターに置き換えたようなイメージです。そしてそれらのフレーズを超高速でプレイする為に、ジャズ・ギタリストなどのリックとして知られていたスウィープやエコノミーといったピッキングを取り入れています。その正確さ、速さが彼のプレイ・スタイルを象徴していると思います。

また、アコースティック・ギターのプレイからはアル・ディメオラの影響を感じ取ることができたり、複雑な両手タッピングを使いこなし、ディープ・パープルのレコードからリッチーのプレイをミス・トーンまで完全に再現してみたり・・・と、単に影響を受けているという前に、彼はとても研究熱心であったことを窺い知ることができます。そしてそれらを全て吸収しえるほどの器量があったのも間違いありません。

サウンドと機材について。ストラト×マーシャルという古典的な組み合わせから、オーソドックスながらもなかなか出にくい理想的なサウンドを引き出すイングヴェイ。そのフレーズと相まって、誰が聞いても非常に分かり易いトーンです。勿論、独特のタッチがこのサウンドを構築しているのは間違いないのですが、拘りの機材にもその要因があると思います。デビュー当時からメイン・ギターであった通称「ザ・ダック」と呼ばれるストラト。彼のその他のギターやシグネイチャー・モデルは、このザ・ダックと共通するスペックを見ることが出来ます。60年代後半のラージ・ヘッド、スキャロップド加工が施されたラウンド貼りメイプル指板にジム・ダンロップ#6000フレット。4点式ジョイント部にディマジオのピック・アップなどなど。そしてボディ裏にフェラーリのステッカーを貼れば更にいい気分です。これを50Wのマーシャルに繋げることによって引き出されるイングヴェイ・サウンド。純粋にいい音だと思います。

後に現れた多くのフォロワーたちとイングヴェイが決定的に異なる部分、今だ抜きん出ているところを、私は彼のフィーリングにあると考えています。チョーキング一発もカッチョイイ人。他を見渡してもあまりいないじゃないですか、そこまでの人って。イングヴェイはロック・ギタリスト。私はそう信じているのです。

アーティスト必聴盤: Yngwie Malmsteen

Alcatrazz 「Alcatrazz」
インギーをフィーチャーしたアルカトラスの作品。クラシックからの影響も色濃い「ネオ・クラシカル」と称される彼のギター・プレイのスタイルは既に確立されており、超絶な早弾きプレイは当時のシーンに大きな衝撃を与えた。

4この曲を聴け! : Hiroshima Mon Amour


Riging Force 「Riging Force」
1984年に発表のソロ・デビュー作。インスト曲の間にジェフ・スコット・ソートのヴォーカル曲をはさむ本作は、M-1、2のような代表曲を含む好作品。以降イングヴェイは独自の、とてつもない速さとテクニックを誇るギター・プレイ、ネオ・クラシカルな音楽性でギター・マニアを唸らせていく
4この曲を聴け! : Far Beyond The Sun


Trilogy 「Trilogy」
1986年発表の三作目。インギーが全ての面でイニシアティヴを執っており、楽曲/演奏ともに高レヴェルの作品に仕上がっている。なおヴォーカルは前二作のジェフ・スコット・ソートから交替して、マーク・ボールズが担当。
4この曲を聴け! : Trilogy Suite Op. 5


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