ジャケットデザインが、音のおしゃれさを表現しきれていなくてとても残念ですが、内容は文句なしめいっぱいの名演名歌唱のオンパレード。 世代じゃなくても知ってる曲が沢山あって、知ってる曲でも全然違うアレンジで。 同じ曲順でオリジナル曲を並べたらもっとにぎやかになり過ぎるだろうけど、こちらはスキャットありボッサあり、小粋なハマクラさんの歌声で統一感があるので、アルバム一枚通してすんなり気分よく何度でも聴ける。 筒美京平から遡って来て、若い人にも聴いてほしい名盤。

浜口庫之助の貴重なＣＭ音源が満載です。まとまって過去のＣＭという仕事の中で独特なセンスを発揮し、楽しめるのは嬉しい限りです。

黒縁眼鏡をかけた、丸顔の小柄なおじさん。いつも、シャイなのだが、どこかいたずらっぽい表情で、ひょうひょうと登場する。”ハマクラ”さんと呼ばれる、ヒットメーカー（作曲家）なのだが、60年代のテレビの歌番組にしばしば登場して楽しませてくれた。「花と小父さん」や「えんぴつが一本」など歌っている姿を思い起こす。あじわいのある歌唱で、いわゆる職業的な歌手と一線を画していた。だけど、ライナーノーツによると、「40歳で歌手から作曲家に転向した」とある。味わい深さという、歌手としての才能のみなもとが判るような気がする。すべてセルフカバーのアルバム。フォーク調の「バラが咲いた」から演歌まで守備範囲は広い。是非聞いてみてほしいのは、裕次郎もいいけれど、ハマクラの「夜霧よ今夜も有難う」は最高！