オーケストラは未来をつくる -マイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団の挑戦
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ほんず内閣総理大臣 | 北海道 | 不明 | 10/March/2014
マイケル・ティルソン・トーマス(MTT)とサンフランシスコ交響楽団の近年の取り組みと成果について、当事者のインタビューも含めてまとめた、大変興味深い本であります。こういう場合、筆がついついディスク上の演奏批評に傾きがちでありますが、この本はそういうことにはむしろ触れず、現地でのコンサートや教育活動・市民向けイヴェントについて、大いに紙幅を割いております。そして、ボード(理事会)やボランティアからなる「フィランソロピー(慈善や社会貢献の意)」、音楽監督とオーケストラによる「音楽」、管理部門である「アドミニストレーション」の三つの観点からしっかり取り上げた、稀有の記録ともいえましょう。この本を読んでいて感じたのは、MTTもオケも様々な取り組みに積極的に関わっていて、それはもう大変なご苦労なのだと思うのですけれど、そういう「苦労」の要素が微塵も感じられず、むしろ彼らの極めてアグレッシブな姿勢が生み出す充実感こそが伝わってくる、ということです。素人と玄人、演奏者と聞き手、そのいずれにもまたがってアプローチし、音楽とは何かを常に真剣に思索しつつ、そして未来をどう切り開くかを模索する、その姿勢に感動を覚えます。こういうMTTとオケの活動は、きっと他の分野でも応用できる(参考になる)ものではないでしょうか。でも誰にでもできるものではなく、やっぱりMTTの人間的な魅力が大きいのでしょうね。そういうリーダーのカリスマ性も重要ではあります。簡単に真似はできません。それはともかく、演奏批評などではなく、組織論・経営論などにおいて大いに学ぶところの多い本、お薦めいたしましょう。著者の文は平易で読みやすく、その点もいい本であります。0 people agree with this review
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