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2010年4月9日 (金)

interview

Monkey sequence19

MONKEY sequence.19。彗星のように現れたトラックメーカー。若干20歳にして、DJ Mitsu the Beatsらと共にRHYMSTERのニューアルバム『マニフェスト』への楽曲提供を果たすなど、最も注目すべきアーティストの一人である。J DillaやFlying Lotusの影響を感じさせるサウンドは世界基準!2010年は確実にブレイクするであろう彼を知るべく、インタビューを敢行。MONKEY sequence.19の歴史から、アルバム解説と充実の内容です。是非、チェックを!!

インタビュアー(以下I):まさしく彗星の如くという言葉が相応しい登場で、あなたの事をまだ知らない人も多いと思いますので、今までの活動について教えて下さい?

MONKEY sequence.19(以下MS19):最初はラップをしてまして、中学頃からですね。そのうちに相方のMC.fuzimotoとライブユニットJIG-MOを結成し、進学と共にそのまま仙台に活動の場を移しました。その頃から本格的にトラックメイクを始め、昨年の春に相方の渡米に伴い、ラップをやめトラックメイクに専念するようになりました。ちょうど、そのタイミングでWonderful Noise Productionsや松竹梅レコーズからリリースの話があり、その後、RHYMESTERにフックアップして頂いたり等々を経て今に至ります。

I:多くの外部プロデューサーが起用された事で話題にもなったRHYMESTERのアルバム『マニフェスト』に無名に近い新人アーティストのいきなりの抜擢に多くの人が度肝を抜かれましたが、起用された経緯について教えていただけますか?

MS19:一番度肝を抜かれたのは間違いなく僕ですね(笑)松竹梅レコーズからリリースした7inch『Return Of The Super People / 6 Am Rain Walk』を聞いたRHYMESTERのDJ JINさんが気にかけてくれていたという経緯がありまして、アルバム製作の際にJazzy SportのMasayaさん経由でお声を掛けて頂きました。とりあえずデモを送り、そして採用されました!まさか、あのビートが使われるとは思っていませんでしたが、ラップ入りを聞いてびっくり、さすがライムスター!っと思いました。あんな変な(笑)ビートをあそこまで乗りこなせる方がいるとは思っていませんでした。

I :・デビューアルバム『Substantial 12 Monkeys』には、黄金期のヒップホップを彷彿とさせる「Lazy Lovin'」、ディープな「P y r a m i d a l 3 0 0 0」や8bitファンクネス全開の「1 2 m o n k e y s」など、様々なスタイルの曲が収録されており、自己紹介的なアルバムという印象を受けたのですが、どのようなコンセプトで制作されましたか?

MS19:そうですね、MONKEY_sequence.19の自己紹介といってもいいかもしれないですね。一つのコンセプトとしては、今までのms19を寄せ集めたもの、というのがあります。最近の作品から初期の楽曲までをコンパイルしたような形です。それは、まさに僕のトラックメイク模索の道程そのものですので曲調にもバラつきがあると思います。アルバムとしての流れよりも、12曲それぞれの個性を一つにパッケージしたといいますか。その意味で「12 monkeys」なのです。もちろん今も自分のスタイルを模索する道程に立っているわけですが。

I :アルバムに収録されている「The Love for U」は、やはりオリジナルSlum VillageのメンバーであるJay dee、Baatinへの追悼の意味合いも込められてますか?

MS19:あの曲は元々、Slum Villageの「The Look of Love」のリミックスとして個人的に作っていたものですが、もちろん追悼の意味合いも持たせてあります。彼らからは多大な影響を受けましたから。「The Look of Love Pt.2」のアカペラを乗っけてやると展開がかなりしっくりくるのはここだけの秘密です(笑)

I:あなたの音楽は、Flying Lotus、Hudson Mohawkeなどのニュービートシーンのアーティストに例えられていますが、今までにどの様なアーティストに影響を受けてきましたか?

MS19:自分には彼らのような強烈な個性はありません(笑)。父がCharles ParkerからKing Crimson、J.B.'sからUnderWorldまで手広く愛聴している人だったので、その影響もあると思います。僕自身は中学のときにヒップホップに出会い、中二の時にStones Throw、高二の時にBeat Dimensionsに出会い音楽観を変えられつつ、平行してネタを掘るという意味合いでソウルやファンクを漁る様になっていきました。ビートを作るようになってからはディスコサウンドなどもですね。ビートに関して一番影響を受けたのは、やはりJay Dee、Madlib、Beat Dimensions vol.1だと思います。あとはMaspykeですね。盛岡を思い出すとRoddy Rodサウンドがセットで頭に浮かんできます。

I :Beat Dimensions以降のずれたビート感覚とサンプリングを使用したヒップホップのプロダクションとのちょうどいいバランスがあなたの魅力だと感じるのですが、音楽制作ではどのようなことを目指していますか?

MS19:いわゆるBeat Dimension以降のビートサウンドが僕の中で大きな影響力を持っていることは確かですが、やはり90年代のヒップホップが好きという事もあるので、サンプリングという行為が好きです。原曲とは全く違う新たなモノが生まれてくるという面白さがあります。同じDorothy Ashby使いでもPete Rockの「Fakin jax」とJay Deeの「Rockbox」では全然違いますし、僕自身は、そのサンプリングした音色をチョップしたりリバースしたりで自分のビートにはめ込んでいく、同じ音色を使って全く異なったノリや曲色を出していく、という一連の作業が好きなんです。そこにニュービートシーンの要素を注入していく。強いて言うとコラボ的な感じかと。どっちかだけというわけではなく、その中間を行きたいんじゃないんですかね。もちろんどちらかに偏りまくったヤツも大好きですけども。どっちも同じくらい好きなので、そうですね、パッキパキなDorian Conceptと暖かく黒いPete Rockのあいのこで、かつJay Deeである!そんな人に、私はなりたいです(笑)

I:音源デビュー前から既にJazzy Sport、Circulations、ネットラジオのCosmo Polyphonic Radio、リリース元であるWonderful Noise Productionsなどのいわゆるその筋の早耳のビートヘッズの間では既に話題になってましたが、どのような経緯で繋がっていったのですか?

MS19:WNPの坂尻さんとTokyo Beat Scienceの川向こう a.k.a.Tidalさんが僕のMyspaceをチェックしてくれたという経緯があります。オフィシャル、アンオフィシャル問わず、国内で初めて僕を本格的にチェックしてくれたのはWNPか彼でしょう。その後、WNPからはリリースに至りましたが、彼と親交の深いCPRにフックアップされたことが、リリースに大きな影響力を持ったのも事実です。

I :・今では、あなたもCosmo Polyphonic Radioに所属しているそうですが、そのCPRはどのような活動を行っているのでしょうか?

MS19:Cosmo Polyphonic Radioとはポッドキャストの名前であり、またその付近の人々の集合体を指す言葉でもあります。昨年の1月にsauce81、kez YM、RLPの3人により始動したラジオショウで、国内外問わず数多くのリスナーを持ってます。僕自身は今年からメンバーとして迎えて頂きましたが、他にもDaisuke Tanabe、MFP、Fujimoto Tetsuro、Tidalが所属しています。国内から地球の裏側まで、メジャー/マイナー問わず数多くの新生ビートを取り上げており、世界のビートシーン事情を配信してくれる唯一の大型国内ポッドキャストではないかと。また、ヤバいものは持っているのに家で燻っているという数多くのトラックメイカー達には大きなチャンスの場となることは間違いありません。僕自身CPRにフックアップされたことが、その後のリリースの重要な足がかりとなったことは言うまでもありません。是非、コンタクトとって頂ければと思います。

I :あなたや親交の深いMONOm.i.c、そしてGagle、DJ Mitsu the Beatsなど素晴らしいアーティストが数多く活動している仙台ですが、音楽シーンについて教えてください?

MS19:素晴らしい音楽ジャンキー達がたくさんいます。ヴァイナルへの愛が根付いている土地であり、ソウルミュージックへの愛情が貫かれています。若い世代で活動している人もたくさんいますし、勢いは感じます。ただ、Beat Dimension系サウンド好きとしては若干の寂しさも感じます。同じ仙台のトラックメイカーのFitz Ambro$eぐらいまではフッとんでいなくとも(笑)、もう少しその辺のサウンドのプレイヤーは欲しい気がします。

I:ここ最近のお気に入りのアーティストはいらっしゃいますか?

MS19:最近の人達ですとFloating Points、Julien Dyne、B.Bravo、Dam-Funkや!NSiDE、他にもSmith & MuddやTim Tohも好きです。ジャンルが全く違いますが、Neon IndianやWashed Outなども最近気に入ってます。日本人では、やはりMitsu the Beatsさんにgrooveman Spotさんですね。トラックメイカーとしては身近に大きな壁がたくさんあって困ってしまいますが(笑)あとは椎名林檎に増田こうすけなど、挙げたらきりがないので、この辺で(笑)

I :どうもありがとうございました。最後に今後の活動について教えて頂けますか?

MS19:今後はアルバムのリリースツアーがありますので、お近くの方は是非足を運んでみて下さい!次のリリースの予定もあります。諸々の詳細については順次アップしていきますので、引き続きチェックして頂けたらと思います!


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インタビュアー;Tidal (cosmoplyphonic)







profile

MONKEY_Sequence.19

1989年生まれ、岩手盛岡出身。高校時代にMC FUZIMOTOとライブユニット"JIG-MO"を結成。18歳のころ、副業的にトラックメイクも開始する。2008年、大学進学とともに盛岡〜仙台へ拠点を移す。若年にして、JIG-MOでは様々なゲストのフロントアクト(DJ KRUSH/DJ BAKUなど)をこなす。またMonkey Sequence19としては、2009年、既にビートヘッズの間で話題となっていた"cosmopolyphonic radio"へと参加、この頃から徐々に注目を集める。同年、自身の所属するレギュラーイベント"COOKLESS"のオーガナイザーになるなど、 MONKEY_Sequence.19としての活動が徐々に開花し始め、現在に至る。