HMVインタビュー:FAR EAST MOVEMENT ダンス&ソウル・インタビューへ戻る

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2011年3月31日 (木)

interview

FE

全世界で“ムーヴメント”を起こしている4人組エレクトロ・ヒップホップな超アジアン・ユニット、ファーイースト・ムーヴメントがいよいよ 日本に本格上陸!日本盤ボーナス・トラックでは、あの倖田來未との共演が実現するなど、注目度急上昇の彼らにロング・インタビュー!
インタビュー・文:二木崇(D-ST.ENT)
通訳:山中ひかり(ユニバーサル)

--- メンバーそれぞれの役割分担について改めて教えてください。

ケヴ・ニッシュ: MC。クリエイター。オンライン・マ−ケティング、ストリート・プロモーションのマーケティング。その他、イロイロ。総合プロデューサー的な役割だね

スプリフ:MC。あと、マーチャンダイズのディレクションもやっている。

プログレス:MC。その他、ビジネス面・・・主に法務関係を真面目にやってるよ(笑)。

DJ ヴァーマン:DJ。POWER 106のレギュラーDJで、クラブでもプレイしている。グループのサウンド面でのディレクションを手がけてるんだ。

--- メンバーそれぞれの出会いは?

ケヴ:MCの3人はサザン・カリフォルニア・ハイスクールの同級生。ヴァーマンが加わったのは2年前。ラジオでその存在を知ったんだ。みんな、彼がプレイしていたPOWER 106のリスナーだったから嬉しかったな。

--- これまでのキャリアのターニング・ポイントをいくつか。

ケヴ:まずは、そのPOWER106で自分たちの曲がパワープレイされたこと。これで認知度が上がったし、自信がついたね。

スプリフ:その次は、POWER106のイヴェント、Powerhouse2009に出たこと!3年がかりでメイン・ステージに上がれたんだ。他の出演者は、ジェイ・Z、BEP、ピットブルだった。反響も凄かったよ!

ケヴ:3つ目のターニング・ポイントは、プロデューサー・チームのステレオタイプスと出会ったこと。彼らと組むことで、自分たちの音楽、そのアイデンティ ティを見出したんだ。因みに「Girls On The Dance Floor」は彼らとスタジオに入って2時間くらいで出来た曲なんだ。

プログレス:4番目は、レディ・ガガのいるチェリー・トゥリーを通じてインタースコープと契約出来たことかな。チェリー・トゥリーのマーティンが最初に僕たちの可能性を信じてくれたんだ。

ケヴ:何せ、インターンで働いていたことがあるレーベルだからね!アーティストとして、こんなビッグなレーベルとサインできるなんて!信じてれば夢は叶うんだな、と思った。

--- グループとしての強みは?

ケヴ:チームワークの強さ、かな。昔からの友達だからね。その関係が崩れたことはないんだ。

プログレス:これまでにヨーロッパや南米でもショウをやったけど、話す言語は違っても盛り上がったんだ。ブラジルでは2000人のオーディエンスが一斉にジャンプするんだよ!トリハダものだった。

スプリフ:昨日、日本でガガのショウを初めて観たんだけど、ブッとばされたよ。自分たちもぶっ倒れるまで全力でショウをやるんだけど、負けてられないな!と思ったよ。

DJ ヴァーマン:彼ら3人はヴィジョンがハッキリしてるし、努力家だから間違いなく成功するよ!

--- 「Like A G6」が全米1位になった時、正直どう感じました?

ケヴ:凄くありがたいと思った。僕たちはちょうどツアーでカナダのカルガリーにいたんだ。1位になったってことを実はTwitterで知ったんだけど、その日、ライブの前にレーベルの社長のマーティン・キールセンバウムがドンペリの大きいボトルを2本お祝いで送ってくれたんだ。だから、感謝の気持ちも込めて、ライヴでまず客席にそれをぶちまけたんだ。アメリカ及び世界中の人たちが僕たちの音楽を応援してくれたことに凄く感謝している。僕たちは平凡なロスに住む若者で、あの曲を作った時というのは、ハウス・パーティーやクラブでみんなが盛り上がれる曲を作ろうと思って作っただけなんだ。この楽しさが永遠に終わってほしくない、という気分をみんなに味わってもらいたかった。こういう状況になったことは凄く光栄だし、夢が現実になったようだ。これが、5つ目のターニング・ポイントかな(笑)。

--- また、それによって”変わったこと”とは何ですか?(周りの反応とか、ライヴのリアクション・・・TVショウでの扱いなど)。

プログレス:そこまでの変化というのは感じていない。というのも、僕たちは音楽と仕事に専念をしているから。と言いつつ、あの曲がビルボードのチャートを上昇していた時、僕たちはマイク・ポスナーとツアーをしていたんだけど、ライヴの頭で毎回「who’s feeling fly like a G6?みんなG6で飛ぶくらい盛り上がってるか?」って観客に聞くんだけど、ツアーが進むにつれ、曲がチャートを上昇していくのと同じように、客席からの反応も大きくなっていった。そういう意味では盛り上がりを肌で感じることもできた。テレビに関しても、ジェイ・レノやジミー・キンブルみたいに普通に見て育った番組に出られるってのは嬉しかった。どれも、「もっと頑張ろう」という気持ちにさせられるからね。

--- ここまでのヒットとなった理由は何だと思いますか?

ケヴ:誰でもパーティーで盛り上がるのが好きだって知ってるくらいで、それ以上の理由はわからない。僕たちを支えてくれる周りの人たちの存在なくしてはヒットしていなかったと思う。だから、チェリー・トゥリー/インタースコープにも感謝しているし、曲を押してくれたDJたちにも凄く感謝している。特にロスを拠点として活躍しているDJ E‐マンとDJ フェリー・フェルが取り上げて押してくれたのが大きかったね。

--- アルバムのタイトル、コンセプトについて説明してください。

ケヴ:アルバムのタイトル『Free Wired』は、僕たちのライフスタイルを表現するのに自分達で作った造語/俗語に由来しているんだ。僕たちが生まれ育ったロスのダウンタウンでは、1ブロック(区画)に30もの違う文化、人種が共存していて、それが自分達の仲間なんだ。それからロスのダウンタウンには本当に多種多様な音楽シーンも存在していて、それら全部から影響を受けているからこそ、既成概念に捕われることなく、自由な発想で新しいことを試そうと思う。そこで思いついた事がFree Wiredだったんだ。だから誰かが何か奇想天外なことをしたら、例えばDJヴァーマンがエレクトロなビートをかけて、その上に僕らがオールドスクール・ヒップホップ風のラップを重ねたら、「今のFree wiredだね!新しいよ!」って言うんだ。或は、照り焼きチキンをタコスに包んで、テリヤキ・ソースとサルサ・ソースも混ぜてしまうのも「free wired」。つまり、本来であれば、混ぜるべきものでないものを組み合わせて、新しい美しいものを生み出すってこと。それが僕たちのアルバムの本質だった。僕たちは自分達のプレイリストからヒントを貰ったサウンドを作った。幼い頃からヒップホップ、オルタナ・ロック、ダンス・エレクトロニクを聞いてきた。だから、それらの要素全てを曲に盛り込みたいと思った。融合の仕方は曲によって違う。「Like A G6」のような曲もあれば、ヒップホップのビートにエレクトロのシンセを重ねて、オルタナ・ロックのメロディーを取り入れた「Rocketeer」のような曲だってある。だから、このアルバムは僕たちのプレイリストにあるあらゆる音楽の要素が入っているし、各ジャンルの一流とコラボすることでそのコンセプトを明確にしている。例えば「If I Was You」はウェストコースト・ヒップホップを象徴するスヌープに、あえてエレクトロニック・ダンス・トラックを持ってきている。なんでも融合させてしまう、それがFree Wiredなんだ。

--- 曲間がほとんどなく、クロスフェイドされている部分もありますが、これは前後の流れを完全に意識してのものですか?その構成上で気を遣ったのは?

ケヴ:そうだね。チェリー・トゥリー・レコードのマーティン・キールセンバウムのオフィスに全員集合したんだ。メイン・プロデューサーのステレオタイプス、スタンピード・マネージメント、マーティンと僕たちで終結して、曲順を決めたんだ。なぜ「Girls On The Dance Floor」を冒頭に持ってきたかというと、これが僕たちに全国のクラブとラジオへの扉を開けてくれた曲であり、チェリー・トゥリー/インタースコープと契約するきっかけになった曲だから。音楽的というよりも、思い入れで1曲目に選んだ。それに続く流れというのは、前後の流れを考えながら決めていった。

--- 2ndシングル「Rocketeer」についてコメントして下さい。ライアン・テダーがVoを担当することになった経緯は?

ケヴ:「Rocketeer」はいろんな人たちと力を合わせて出来た曲だった。ステレオタイプスとブルーノ・マーズと一緒にスタジオに入ったんだ。僕たちのFree wiredというコンセプトの別の面を見せる、ロスで切磋琢磨している夢追い人たちを象徴する曲を作ろということになった。まずヒップホップ調のビートに、エレクトロ風のシンセ、それからオルタナ・ロックのメロディーを全部Free wiredの精神に乗っ取ってマッシュアップしてみたら「Rocketeer」が生まれた。で、曲を作る際、スタジオに向かう途中にワン・リパブリックを聞いていて「ライアン・テダーがサビを歌ってくれたらいいね!」って話をしていたんだ。で、曲が歓声してマーティン・キールセンバウムに聞かせたら、「ライアン・テダーなら友達だよ」と言って、その場で電話してくれたんだ。ライアンに出来た曲を送って、彼が気に入ってくれて、スタジオで素晴らしいボーカルを録ってくれて、ビデオにまで出演してくれた。

--- あの美しいPVについてもコメントして下さい。

ケヴ:あのビデオの脚本は全て自分達で書いたんだ。自分達にとっても特別なビデオで、あのロスのダウンタウンをスケートボードに乗って駆け抜ける少年というのは、正に僕たちを象徴している。ロス中をスケボーに乗って、あっちこっちのカメオ出演者達から夢の断片を貰っていくんだ。カメオで登場する人たちも、僕たちが実際尊敬している人だったり、一緒に育って応援してくれた人たちなんだ。例えばDJ E-マン、バンバーラ、DJ クイックといったいろんな人が登場する。みんなから夢の断片を貰い集めて、それを使って作るあのジェット・パックというのは、僕たちの夢のメタファーでもある。いつか空を飛べるようになる、という。それが「Rocketeer」に込めた思いさ。