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2011年3月26日 (土)


橋本徹の『サロン・ジャズ・ヴォーカル』全曲解説 〈2〉

 
音楽のある風景〜寝室でくつろぐサロン・ジャズ・ヴォーカル
 
 『音楽のある風景〜寝室でくつろぐサロン・ジャズ・ヴォーカル』
 Apres-midi Records RCIP0159 2010年4月21日発売
 
 人と時間と空間の奇跡的な調和を演出する、大人気ロングセラー・コンピレイション・シリーズ「音楽のある風景」より、大好評の「食卓」編に続く「寝室」編が登場!寝室でくつろぐ安らぎのひとときを彩る、美しいメロディーとゆるやかなスウィングに柔らかな笑みがこぼれる、ハートウォームでメロウな至福のジャズ・ヴォーカル名作をたっぷり収録!ずらり並んだ有名人気曲の入手困難な傑作カヴァーに加え、絶品のオリジナル〜スタンダードも!




 私にとって夜は好きな音楽をゆっくりと聴ける時間。自ずと手を伸ばしてしまうCDやレコードは気持ちが安らぐようなテイストばかりです。誰かとおしゃべりをしながら、本を読みながら、温かいものを飲みながらでも、その空間に素敵な音楽が流れていたら自然と耳を傾けてしまいます。

 ジャズを聴きたい時は、チェット・ベイカー、アン・バートン、モニカ・ゼッタールンドなんていいですね。コンピなら、橋本徹さん監修・選曲の『グラン・クリュ』シリーズや『ジェット・ストリーム』シリーズ、『ベッドルーム・ミュージック・フォー・スウィート・リヴィング』あたりもよく聴きますが、このお気に入りのベッドルーム・ライブラリーに、新たに加えておきたい素敵なコンピが登場しました。『音楽のある風景〜サロン・ジャズ・ヴォーカル』の「食卓」編に続く、「寝室」編です。優しいメロディーと柔らかな音色が包みこみ、全体的に心地よい温度を保ちながらも、それぞれの曲は、美しい色合いを帯びて響き渡ります。そう、一日の終わりに穏やかな時が訪れるような、誰もが夢見心地になれる、そんな作品です。

 「食卓」編と同じく、今回も知られざる名曲名演が嬉しいくらい沢山に収録されていますので、音楽的にもさらに幅が広がる楽しみがあります。きっとお気に入りのアーティストや楽曲を見つけられるでしょう。そして、ジャケットやデザインも含めて、いつも手元に置いておきたいと思わせる魅力もあり、大切な人へのプレゼントや、お店のBGMにもおすすめです。

山本勇樹(HMV商品部ワールド&ジャズ担当)





 “寝室”に対するイメージは人それぞれだと思いますが、個人的には実は、リヴィングですごす時間より、ベッドルームですごす時間の方が長いのです。そう、一日で最も長い時間を、僕は寝室ですごしています。昼も、夜も。もちろん大好きな音楽と共に。

 それは自分にとって至福の時間でもあります。至福、と言うと、ハッピーな印象が強いかもしれませんが、言ってみれば、最もくつろげる時間なのです。ささやかだけれどかけがえのない時間と空間、と言いかえましょう。

 聴いた人に笑顔がこぼれますように、と選曲しているコンピレイション・シリーズ『音楽のある風景〜サロン・ジャズ・ヴォーカル』。グルーヴィーな多幸感あふれる「食卓」編に対し、この「寝室」編はメロウ・リラクシン、メロウ・ドリーミンという感じでしょうか。いずれにせよ、人の心に安らぎをもたらし、深く染み込む名曲・名演ばかりです。就寝前のひとときはもちろん、昼寝や読書の友に、ぼんやりとすごす無為のときに、美しい音の影が、ほのかに心の灯りをともしてくれるでしょう。

 大切な人と。大切な人を思いながら。この音楽と共に、あなたの寝室に小さな幸せがあふれますように。

橋本徹(SUBURBIA)



* 楽曲レヴュー:黒字→橋本徹 青字→山本勇樹


01. Do It The Hard Way / The Leif Arntzen Band
オープニングはチェット・ベイカーやジョージィ・フェイムの歌でも僕が愛してやまない、ロジャース&ハート作の名スタンダード。リーフ・アーンツェンのチェットへの敬愛あふれるオマージュ作からで、イントロのフィンガー・ピッキングから夜のしじまに響くヴォーカル&トランペットまで、絶品のナイトキャップ・ジャズとしてひどく愛聴しています。

02. Samba De Orly / Zona Sul
タニア・マリアのフランス・バークレイ録音でも人気の、シコ・ブアルキ/トッキーニョ/ヴィニシウス・ジ・モライス作のパリ・オルリー空港をモティーフにしたサウダージ・グルーヴ。僕がプロデュースさせていただいたフレンチ・ブラジリアン、カチアのヴァージョンも素晴らしくて、後で出てくるケイト・マクギャリーによるトニーニョ・オルタ「Aquelas Coisas Todas」もそうですが、彼女がカヴァーした名曲はついセレクトしてしまいますね。

03. Don't You Know Me? / Diane Hubka
今春10周年を迎える「usen for Cafe Apres-Midi」のスタートと共に大定番となった名作。5年後、こうしたメロディアスでまろやかなジャズ・ヴォーカルを中心にした「サロン・ジャズ・チャンネル」もUSENに開設されました。オランダのレーベル、Challengeの音源はセレクター陣がこぞって“発見”しましたが、『音楽のある風景〜冬から春へ』に入れたフランシエン・ファン・タイネンによるケニー・ランキン「Haven't We Met?」と共にその代表格で、やはりアルバム『Haven't We Met?』から。


04. All I Want / Fabiana Martone
『音楽のある風景〜冬から春へ』ではマリア・ピア・デ・ヴィトによる素晴らしいカヴァーが収められ、シンガー・ソングライター好きにはニック・デカロのヴァージョンも有名なジョニ・ミッチェルの名曲。やはりジャズとの相性の良さを実感。そしてファビアーナ・マルトーネのピュアで凛とした歌と演奏に、ジョニ・ミッチェルへのリスペクトを強く感じます。


05. I Didn't Know What Time It Was / Sanna Van Vliet Trio
Challengeレーベルのダイアン・ハブカやフランシエン・ファン・タイネンと同じ、オランダから届けられた瑞々しく澄んだ印象のスタンダード・カヴァー。『Dance On The Moon』というアルバム・タイトルの雰囲気通り、クールに徹したリリカルなピアノ・タッチと軽やかなセミアコのスウィングにスキャットが絡む、これぞサロン・ジャズ・クラシックスともいえる好ナンバー。


06. I've Got You Under My Skin / Kelly Dickson
大好きなコール・ポーター作の「I've Got You Under My Skin」は、人生レヴェルで愛好し、最もよく選曲してきたレイチェル・グールド&チェット・ベイカー版を「usen for Cafe Apres-Midi」10周年記念CDの“僕の一曲”に選びましたが、手許には10アーティスト以上、素晴らしいヴァージョンを用意しています。ここでは、洒落たピアノに誘われ親密に歌う、粋でキュートなケリー・ディックソンをどうぞ。


07. River / Elisabeth Lohninger
ファビアーナ・マルトーネによる「All I Want」に続いて、ジョニ・ミッチェルの名盤『Blue』から2曲目の登場です。こちらは発表されたばかりのニュー・アライヴァルですが、大人っぽい気品をたたえたシックな表情が素晴らしい。21世紀半ばには、ジョニ・ミッチェルはスティーヴィー・ワンダーと並んで、名スタンダードの宝庫として、ジャズ・ヴォーカルの大作曲家としても広く認知されているんでしょうね。


08. There Must Be An Angel / Jessica Pilnäs
前曲のジョニ・ミッチェル「River」のカヴァーから中盤の流れは橋本さんの選曲の真骨頂ではないでしょうか。これはユーリズミックスの人気ナンバーですが、ジャズ・カヴァーは珍しい! ドイツのACTレーベルらしい透明感のある響き。夜が静かに深まるように心に伝わる歌声。そしてトッド・ラングレン「Hello It's Me」のカヴァーへの至福の流れ。


09. Hello It's Me / Jeanie Bryson
これも将来的に、ジャズ・ヴォーカルの名スタンダードとしても広く認知されていくような予感がする、トッド・ラングレンの名曲。ジーニー・ブライソンは『Deja Blue』というアルバム名の通り、夜更けにしっとり沁みてくるような、メロウで切ないヴァージョンに仕立てています。

10. So Far Away / Kendra Shank Quartet
トッド・ラングレンと来れば(ジョニ・ミッチェルと来れば?) キャロル・キングという感じで、彼女も名曲だらけですね。やはり21世紀のジャズ・ヴォーカル・スタンダードにもなっていく気がします。サロン・ジャズ的なハートウォームなアレンジメントが似合いますしね。これはオランダのChallengeレーベルらしいエヴァーグリーンなアフター・アワーズ・チューン。

11. Madalena / Enrica Bacchia
リル・リンドフォルシュ「Upp Genom Himlem」を彷彿させるイントロのキュートなスキャットから、エレガントで抑制の効いたサロン・ジャズへの展開に思わず鳥肌です。名カヴァーも多いイヴァン・リンスの人気ナンバーを、繊細極まりないサポートと吐息混じりのコケティッシュな歌声で洒落たイタリアン・ジャズ・サンバに仕上げています。


12. No Air / Caecilie Norby With Lars Danielsson
セシリー・ノービーは『音楽のある風景〜夏から秋へ』にグルーヴィーなジョン・ハートフォード「Gentle On My Mind」のカヴァーを収めましたが、昨年ドイツのこだわりのレーベル、ACTから出たこれは、エリック・サティの「ジムノペディ」に詞を付けた、真夜中のジャズ・ヴォーカルという趣き。神秘的なスピリチュアリティー漂う、有名クラシック曲のメロウ&メディテイティヴなジャズ化は好みです。

13. Superwoman / Celso Fonseca
敢えて1曲だけブラジリアン・スタイルの名演を、と考え選んだのが、『音楽のある風景〜秋から冬へ』に「Slow Motion Bossa Nova」を収めたセルソ・フォンセカ。「Superwoman」はスティーヴィー・ワンダーの名曲群の中でも最もボサノヴァと相性がいい曲かもしれませんね。密やかなガット・ギターと物憂いサックスの音色は夢か魔法のようで、“寝室でくつろぐ”というテーマから最初に浮かんだものでした。


14. Aquelas Coisas Todas / Kate McGarry
ケイト・マクギャリーは、『音楽のある風景〜夏から秋へ』では「Aqui O」が収録されましたが、こちらも同じくトニーニョ・オルタの大人気曲カヴァー。まるでミナスの夜空をかける星々を描くように、ギターとパーカッションとスキャットが一体となった美しい輝き。やっぱり彼女のミナス・カヴァーはどれも良いですね。


15. Feel Like Making Love / Saskia Bruin
ユージン・マクダニエルズ作、ロバータ・フラック、マリーナ・ショウ、メタ・ルースの名唱も気高いメロウ・クラシックス。小気味よいボサ・リズム、揺らめくエレピの音、艶やかな風合いの歌声と、まったく隙がない絶品アレンジ。フリー・ソウル・リスナーにもぜひ聴いてほしい好カヴァーです!


16. The Sound Of Music / Cristina Levine
ブラジルのTratoreレーベルからの素晴らしすぎるスタンダード・カヴァー。たおやかで心が暖かくなるジャズとMPBの中間をいく絶妙なアレンジメント。感極まるようなメロディーと沁みこむ歌声。この曲には、例えば「Like A Lover」とか「Moon River」のようなメランコリックだけど、ささやかな幸せや希望を与えてくれる力を感じます。


17. Kein Weg Zu Weit / Judit Pixner Quartett
ジャズの盛んな国、ドイツからニュー・ディスカヴァリー。こんな良い曲知りませんでした!『音楽のある風景』にはこういう素敵な曲との出会いがあるから嬉しいですね。スウィートな歌声と洗練されたソフトなボサ・リズムが、イェレーヌ・ショグレンのような北欧ジャズ・ヴォーカルの爽やかな疾走感を感じさせます。

18. Sidder Pa En Fortovs Café / Helena Ljunggren
これもはじめて知った曲ですが、かなり好みです!「すばメラ」女子におすすめしたいですね(笑)。オースティン「Dormir」を彷彿させるドリーミーでナチュラル・フォーキーなサウンドに、あどけない愛らしい歌声。ジャズ・ヴォーカル・ファンだけでなくイノセンス・ミッションとかネオアコ好きのリスナーも気に入ると思います。

19. By This River / Serafina Steer
エピローグは前曲のキュートなメランコリーを受けるように、セラフィナ・スティアの夢みるようなインティメイトな歌声で。ブライアン・イーノで僕が最も愛する名曲「By This River」が、美しいハープに心惹かれる室内楽的アンサンブルで奏でられます。『サロン・ジャズ・ヴォーカル』と『素晴らしきメランコリーの世界』の架け橋に、ぜひ。



 



橋本徹 (SUBURBIA)

編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。サバービア・ファクトリー主宰。渋谷・公園通りの「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・グラン・クリュ」「アプレミディ・セレソン」店主。『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは220枚を越える。NTTドコモ/au/ソフトバンクで携帯サイト「Apres-midi Mobile」、USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」を監修・制作。著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。




  D/H-03 usen for Cafe Apres-midi
  Cafe Apres-midi公式ホームページ





 人と時間と空間の奇跡的な調和を演出する、大人気ロングセラー・コンピレイション・シリーズ「音楽のある風景」より、久々となるファン待望の新作が登場!大切な人と食卓を共にする幸せな時間を彩る、美しいメロディーと軽やかなスウィングに胸躍り心ときめく、至福のジャズ・ヴォーカル名曲をたっぷりと収録! 絶品のオリジナル〜スタンダードに加え、有名人気曲の入手困難な傑作カヴァーも多数!







  • 音楽のある風景-春から夏へ

    音楽のある風景-春から夏へ
    : Music With A View -Spring To Summer

    橋本徹(サバービア)全面監修レーベル「アプレミディ・レコーズ」発、「音楽のある風景」と題するコンピレーションの記念すべき第1弾。 「これほど人気曲が並ぶコンピレーションは久しぶり」と橋本氏本人も認める、アプレミディ/サバービア・ファンには特別な思い入れのある曲ばかりがずらり揃った、キラーチューン満載のセレクト。「春から夏へ」というサブタイトル通り、エヴァーグリーンかつ心躍る新旧ジャズ〜ボッサ系ヴォーカルの名曲がこれでもかと並びます。

  • 音楽のある風景〜夏から秋へ

    音楽のある風景-夏から秋へ
    : music With A View -Summer To Autumn

    前作『音楽のある風景 〜春から夏へ〜』よりもポップな選曲で、スティーヴィ・ワンダーの「BIRD OF BEAUTY」のカヴァーからロバータ・フラック/マリーナ・ショウ「FEEL LIKE MAKING LOVE」のカヴァーまで収録。1曲1曲で聴くのと、アルバムを通して聴くのとでは印象が変わる橋本徹の選曲の凄さを感じます。1枚で夏から秋への移り変わりを心から感じる選曲に脱帽。

  • 音楽のある風景-秋から冬へ

    音楽のある風景-秋から冬へ
    : Music With A View -Autumn To Winter

    『音楽のある風景 〜夏から秋へ〜』、『音楽のある風景 〜春から夏へ〜』に続く第3弾。このシリーズにて実感させられたのは橋本徹氏の持つ選曲によって、季節感を演出する能力の高さ。しかも、移り変わる季節をCDで表現している点。確かな構成力と選曲センスの高さによって、秋から冬への移り変わりを表現。聴けば分かります、空気が変わるんです。

  • 音楽のある風景-冬から春へ

    音楽のある風景-冬から春へ
    : Music With A View -Winter To Spring

    コール・ポーター、ジョニ・ミッチェル、スティーヴィー・ワンダー、ジョイス・クーリング、ジャヴァン、ビートルズ、ケニー・ランキンなどの絶品カヴァーを含む、入手困難なキラー・チューンをたっぷり収録。魅惑的な響きが甘美なグラデイションを描き、波のように心地よい音楽性の揺らぎが珠玉のハーモニーを奏で、ワルツやボサのしなやかなリズムがナチュラルな時の流れを生む一枚。人と時間と空間の奇跡的な調和を演出する、多幸感に満ちた胸躍り心ときめく音楽がここにあります。



  • 素晴らしきメランコリーの世界

    素晴らしきメランコリーの世界
    〜ギター&フォーキー・アンビエンス

    橋本徹(サバービア)選曲・監修の究極のメランコリック・コレクション第2弾。エリック・サティ「ジムノペディ」、ヘンリー・マンシーニ「ムーン・リヴァー」といった人気曲の絶品カヴァー。ニック・ドレイクに捧げられた追悼カヴァーの中でも最高と遺族が感涙のメッセージを寄せたスコット・アッペル。カルロス・アギーレも絶賛したホセ・ゴンザレス・ファン必聴のサン・キル・ムーン。カボ・ヴェルデから海を渡りブラジル〜ウルグアイ〜アルゼンチンへと連なるオーガニックでメロウ&サウダージな名曲群。キングス・オブ・コンヴィニエンスやヴィニシウス・カントゥアリアに代表される、ボサノヴァへの憧憬とアンビエント〜フォークトロニカへの共振にモダンな感受性が光る逸品たち。ヴァシュティ・バニヤン、ドゥルッティ・コラムといったヴェテランによる隠れた名品。オープニングはアルゼンチンでは結婚式や好きな人に贈られる、クチ・レギサモン作のフォルクローレ・スタンダード「900年のセレナーデ」の名カヴァー。

  • 素晴らしきメランコリーの世界

    素晴らしきメランコリーの世界
    〜ピアノ&クラシカル アンビエンス

    「心の調律師のような音楽」をキーワードに、あらゆるジャンル/年代を越えてグッド・ミュージックを愛し、必要とする人々によって起こった2010年の静かなるムーヴメントの最後を飾る、橋本徹(サバービア)選曲・監修の究極のメランコリック・コレクション。今年大注目のアルゼンチン〜ブラジルの美しいピアノ曲から、欧米のインディペンデントSSW〜ポスト・クラシカル、そしてNujabes大人気曲ネタや、中島ノブユキのピアノが絶品のM-7といった日本が世界に誇れる名曲まで、80分間の”奇跡”がここに。

  • Chill-Out Mellow Beats

    Chill-Out Mellow Beats
    〜Harmonie du soir

    夕闇と共に一瞬だけ訪れる刹那の奇跡と広大な宇宙に思いを馳せ、「夕べのしらべ」(Harmonie du soir = ドビュッシーの曲名です)をテーマに、どこまでも「美しさ」を求め時空を駆けるロマンティックな音楽紀行。あらゆるジャンルを自在に横断しながら、チルアウト・メロウな名曲群(現在入手困難なキラー・トラックも多く含みます)が80分間しなやかに繰り広げる甘美でスピリチュアルな音楽の旅。 NujabesやCALMのアートワークでも人気の高いFJDが手がけた幻想的なジャケット・デザインも印象的な、深い感動に包まれる後世に遺したい、永遠の絶品一大音絵巻です。

  • 美しき音楽のある風景

    美しき音楽のある風景
    〜素晴らしきメランコリーのアルゼンチン〜

    『音楽のある風景』のスペシャル・イシューとして、透明な叙情と幻想的な幽玄の美を描き出す音の桃源郷アルゼンチン編が登場。ジャズやクラシックとボサノヴァやフォルクローレがまろやかに溶け合い、現代音楽やエレクトロニック・ミュージックの意匠も繊細にちりばめられた、詩情と映像美あふれる神がかったような名曲たち。それは、水のゆらめきや光のきらめき、風のささやきを感じさせ、エレガントで儚い無常感をたたえている。滋味深い歌声の優しい語り口、ピアノやムビラ(親指ピアノ)、ガット・ギターの余情に富んだメランコリックな響きが郷愁を誘い、どこまでも穏やかに心を落ちつかせ、魂を鎮めてくれる音の印象派。美しく安らかな心象風景がたおやかに夢の中へ導いてくれる、静かな奇跡と恍惚を宿した一生の宝物にしたくなる音楽がここにあります。