トップ > 音楽CD・DVD > ニュース > ジャパニーズポップス > 【インタビュー】@djtomoko N Ucca-Laugh (pt.2)

【インタビュー】@djtomoko N Ucca-Laugh (pt.2)

2011年11月11日 (金)

interview

「え?知らないの?」って言われるアーティストになりたいんですよ!



-- 今回のアルバム「1 PD n a MIC」の収録曲は、アルバムリリースが決まってから作られたんですか?

@djtomoko  はい!「ラヴ合ちん」以外は全部そうですね。元々トラックが完成してた曲は何曲かありましたけど、曲として作り始めたのはアルバムのリリースが決まってからでした。

Ucca-Laugh  初めて2人の名義で配信した「lil Apple」っていう曲が去年の11/10にリリースされたんですけど、今回のアルバムリリースのオファーを頂いて「『lil Apple』のリリースから1年以内にアルバムをリリースしたいね!」っていう結論に至ったので、逆算して作っていったっていう感じでしたね。

-- まだ1年!?話の展開がハイスピード!

Ucca-Laugh  USTREAMやTwitterとか、SNSで発信される情報が生物というか情報劣化が早いじゃないですか。私達がSNS出身なので、早くしないと忘れられちゃうし(笑)

-- ぶっちゃけ、USTREAM配信を始めた頃から今回のメジャーデビュー辺りまでは見据えてた事だった?

Ucca-Laugh  あはははは(笑)

@djtomoko  私は、この先も音楽で絶対に行けるだろうっていう自信はあったんですけど、まさかこんなスピードで実現するとまでは思っていなかったですね!運や巡り合わせが良かったなーって思います。去年「BEAT CONNECTION」のオーディションでベストサウンド賞を受賞したんですけど、それも友達に勧められて締め切りの3日前くらいに応募して。で、ちょうど「lil Apple」が配信され始めたばかりのタイミングでiTunesのチャートも上位に上がっている最中で。同じタイミングで海外でライブをやらせて頂いたり、ネタが重なって重なってパンパンに膨れ上がって!話題作りの重要性は2人とも痛い程理解しているので、常に話題を提供みたいな感じです(笑)

Ucca-Laugh  でも、私はともちゃんと音楽を一緒にやりたいってずっと口説いていて!口説き落として(笑) ともちゃんは、最初私を拒否していたんで(笑)

@djtomoko  逆プロデューサーじゃないけど、ゆかが「やりたい!」って言っていなかったらやってないし(笑) 多分、根気の無い女の子だったら適当にあしらってたし(笑)

-- っていう事は、@djtomokoさんは当初Ucca-Laughさんに興味が無かった?(笑)

@djtomoko  そう、全然(笑)

Ucca-Laugh  メールの返信めちゃめちゃ遅いんですよ(笑)

@djtomoko  ゆかから「いつプリプロ録りに行って良い?」っていうメールも「うーん、この日もダメだなー」みたいな(笑) 逃げてたんですけど、結構食いついてきて(笑)

-- 2人はケンカはするんですか?

@djtomoko  全然しますよ!

Ucca-Laugh  ともちゃんが私にキレる場合が多いけど(笑) 「早く曲作ってこい!」みたいに(笑)

@djtokomo  でも言い合ってもすぐに仲直りしますし、ちゃんと言い合える事は結果的に良いモノを生み出せているから良いと思います!

-- 良い関係ですねー!アルバムの内容ですが、"自己紹介"から始まり、"仲間"、"SEX"、"恋愛"、"結婚"。20代の女性がリアルに感じている内容の曲があらゆる角度から描写されていると思いますが、アルバム全体のコンセプトってあるんですか?

@djtomoko  自分達にも訴えかけたいかな?自分達にも全部言えるよね(笑)でも妄想もありますよ、結婚の事とか!

Ucca-Laugh  コンセプトはあえて作っていないけど、女性達は取り込みたいなって。あとは、アルバムを作る前は90年代の音を意識して作っていたんですけど、やっぱり新しい時代を作っていくのは私達だって気付いて、音の面やコーラスの入れ方などを変えていきましたね。その部分は意識しました。

-- @djtomokoさんが「一歩間違えればダサいけど、でもかっこいいビートを作るのが理想」って語っていたのが印象的だったけど。

@djtomoko  今回のアルバムで言うと「Do the Right Thing」がそれに当てはまるかも。「え?これは音楽なの?ドラムだけで出来てない?でも何かの音っぽい!」っていう。音が超簡素だけど「これどうやって作るの?」みたいな音を作りたいですね!

-- Ucca-Laughさんが「時代を作りたい!」っていう想いを語っていましたけど、それ凄く分かるんですよ。「先取りじゃなくて、先駆け」っていう言葉も印象的で。今の時代はFacebookやTwitterなど2人特有のスピード感が時代にマッチしていると思いますけど、逆にSNSが無い時代だったら他の人達と違う事やってた自信はある?

@djtomoko  あーそれはあるかも。

Ucca-Laugh  ともちゃんは、その気持ちが人一倍強いんですよ!例えば、ともちゃんがクラブDJをやっていた頃は女性DJがまだまだ珍しかった時代で、前例が無い事をやるフェチみたいな(笑)隙間産業を見つけるのが得意なんですよー(笑) 私がピンのシンガーだったらアルバムはリリース出来ていないだろうし、このビートを叩く女子と一緒に音楽が出来たからこそ今回のアルバムリリースに結びついたと思ってますね。ともちゃんは「皆がやっている事をやっていても自分達の価値を高められないから」っていう事はいつも言っているし。時代が違っても何かしら考えていたよね!

-- 奇を衒いすぎると自分達を見失っちゃったりしがちだけど、軸がブレていないのが凄いね!でも確かに、女性DJがまだまだ珍しい時代はあったしね!

@djtomoko  私は元々ダンサーだったんですけど、ちょっとしたきっかけでDJをやる機会があって。普通のお姉ちゃんの格好したギャルがDJをやっている事で反応が良くて(笑)でも、既にDJ KAORIさんという女性DJのパイオニアがいたので、私は違うパイオニアにならなきゃって思いましたね!

-- そこに気付いた事が素晴らしい!

@djtomoko  もう全部クイック(笑) 昔からクイック大好きで(笑) ダンスも頑張ってたんですけど中学の時に私より上手い人が現れて「こりゃ勝てねぇー」って思ってクイックに方向転換(笑)

Ucca-Laugh  自分を良く知ってるよね!

-- 2人のカラーは"音の作り手"と"歌い手"として明確だと思いますが、これは完全に分離している?

@djtomoko  今は一緒に作ってますね。

Ucca-Laugh  プロデューサー的な感じですね。ここが違うなって思ったら「そこ直して!」みたいな。キャッチボールを沢山してます。

@djtomoko  まずは私がトラックを3割くらいラフで作って、そこにゆかがメロディを作ってきて、そこに私がまたトラックを足して、今度はゆかがリリックとメロディをあげてきて、またトラックを上乗せして、そんな風に調整していくイメージですね。その中で音とリリックのハマり方とかを話し合いながら詰めていきます。

-- じゃあ楽曲制作をスタートさせる最初の段階ではテーマ決めから入る感じ?

@djtomoko  あー、確かに最初はどういう曲を作りたいかって話すね!

Ucca-Laugh  元々描いているイメージからトラックを作ってもらうパターンもあるし、逆にともちゃんのトラックを聴いてイメージを膨らませるパターンもあるし。詞を書くと、私の考え方がズレている場合もあるみたいで、ともちゃんから見ると「ん?それは誰も共感しないなー」っていう時は的確にアドバイスをしてもらったり。特に恋愛のパターン(笑) やっぱり女子だし身近な人達が共感してくれる曲を出さないと、その他大勢の共感も得られないと思うので、そこは調整調整ですね!
でも、こういう作り方のスタイルって日本人としては珍しいかも。過去に、外国人や海外に住んでいる日本人クリエイターの方と曲を一緒に作った際は今と同じようなやり方が多かったんですけど、日本ではそのパターンがなかったですね。トラックをもらってそこに詞とメロをのせて返すっていう流れで完結するパターンが多かったので、どっちかって言うと今2人でやっている会話の中で作り上げるスタイルの方が好きですね。
頭で考えて作った曲よりも、その時の気分で作った曲の方が結果的に気持ちいい曲になる事の方が多いよね!

@djtomoko  このやり方はめちゃめちゃやりやすいよね!

-- じゃあ、@djtomokoさんの中でUcca-Laughさんの株が相当上がってるんですね!(笑)

@djtomoko  もう最初はねーなんかチャラチャラしてたっていうか(笑) 最初にゆかからもらったデモ音源は「まーありふれてるなー!」って(笑) 全く私の中で刺さらなくて、だからメール返さなかったんですけどね(笑) でも「ラヴ合ちん」の時にのせてきたメロディは「あ、良いな!」って思って、じゃあそのままリリックものせてきてって頼んで。でも最初はあからさまな際どい表現をしていなかったんですけど「もっともっと出して!」って頼んだら結果的に今の「ラヴ合ちん」が完成しました。「これ良くね!?」って思ってそこからだんだんと心を開いていきました(笑)

Ucca-Laugh  いつも思うんですけど、仕事でも何でもお互いをもっと知って信頼関係が築けてくると、出来上がる物が本当に違うなって思いますね!こういう面白いリリックが出てくるのも、ともちゃんが引き出してくれたから出てきたもので、他のプロデューサーじゃ多分出てこないし。

@djtomoko  他のプロデューサーじゃ許しが出ないよね!「ノー!ノー!」だよ(笑) トラックも一歩間違えたらダサいけど、リリックも一歩間違えたらダサいよね!「YT & G」とか。

Ucca-Laugh  これ昭和な感じだよねー(笑) メロディも昭和、コンセプトも昭和(笑)

-- (笑) 例えば、@djtomokoさんがMPDで叩いている姿は見栄えが良いと言うか、単純に視覚的にインパクトがあるじゃないですか。それと同じく、詞の内容で随所に出てくる言葉遊びの部分。"合ちん"とか"セックスる"とか、先程の「YT & G」もそうですけど、何かの意図が隠れている言葉が凄く印象的。言葉にひねりを加える部分もこだわりの1つ?

@djtomoko  それも時代を作りたいとかスラングを作りたいっていう意識からくる部分なんですけど「え?知らないの?」って言われるアーティストになりたいんですよ!「え?ラヴ合ちん知らないの?」って言われたいんです!そこまで作り込まないとそういう流れが生まれないですしね!

-- 素晴らしい!@djtomokoさんのブログに「トラックリスト公開!このタイトル全部読めました?」っていうフレーズが凄く印象的だった!更に、ゆかちゃんは発明者になりたいって言ってたしね!

Ucca-Laugh  発明者になりたい!(笑)ファンの方の間でも知っている人が知らない人に教えてあげるみたいな!「知らないの?ダサイよ!」っていう具合に(笑)

-- これも個人的に気になったんですけど、冒頭の「はじめまして、ともゆかです!」の曲の内容に「うざいうざいってもっと言って」っていう部分(笑)この「うざいよね」って言われる事に対する2人のモチベーション具合というか、最も2人らしいなって逆に感じた部分でもあるんですけど。

Ucca-Laugh  私達の周りには「うざいよね」って言われてもそこに愛情があるピースな人達が多いんですけど、例えば実際にディスられている場合でも、それを聞いて落ち込むんじゃなくて「はい、スイッチ入った!よし、頑張ろー」っていう感じで捉えるようにしています(笑) だから本当に「うざいよね」って言われても、それをパワーに変えちゃいますよっていう考え方です!

@djtomoko  まぁ実際にうざいんだけどね(笑) でもゆかはリベンジ魂が強いんですよ(笑) 「中学の時のあいつ、見てろよ!」みたいな(笑)

-- 誰でもリベンジ魂は持ってるしね!今後2人が目指すアーティスト像は?

Ucca-Laugh  ライブをもっと大勢の方達と共有したいですね。今はクラブ中心ですけど、野外フェスとか、ジャンルも関係なく色々な人達を取り込みたいって思いますし。最近言っていなかったですけど、やっぱり一度は日本武道館舞台を踏んでみたいなーって(笑)

-- 2人は新しいスタイルで挑まれているので、2人に憧れるフォロワー的な存在もドンドン出てくるんじゃないですか?

Ucca-Laugh  あーそれは嬉しいね!MPDに興味を持つ女子が増えてきたらワクワク!

@djtomoko  緑と黄色で見てみたいね(笑)

-- 色々と楽しいお話ありがとうございました!最後にHMV ONLINEをご覧の皆様へメッセージを!

@djtomoko n Ucca-Laugh  HMVで私達のCD買ってね!



新譜 @djtomoko n Ucca-Laugh 『1 MPD n a MIC』
いままでの日本のHIP HOP、R&Bシーンにはなかったような斬新なトラックメイクセンスを持ち、ライブではMPDのパッドを叩いて変幻自在のリズムを繰り出すビート・メイカー @djtomoko(赤いパーカー)と、このソーシャル時代にフィットしたカジュアルな歌詞と心にグッと刺さるメロディを天性の表現力で歌いあげてオーディエンスを沸かせるシンガー Ucca-Laugh(青いパーカー)の2人から成る、明るく奔放なキャラクターが持ち味のユニット。 レーベルメイトだった二人が2010年に約5年ぶりに再会し、USTREAMとNYのブルックリン・ヒップホップ・フェスティバル公式イベントでのパフォーマンスをきっかけに結成。そして彼女達の自宅から配信する即興ビート・メイキング番組が日本のHIPHOP関係者の目に止まり、無名ながらもUSTREAM累計視聴者数14000人を突破するほどの人気番組に。 昨年12月にはNYでDJプレミアと競演し、横浜アリーナで行われたイベント「BEAT CONNECTION」のオーディションにてベストサウンド賞を受賞。J-WAVEのナビゲーターDJ TAROのバックアップのもとに配信した楽曲がiTunes HIPHOPチャートの4位、5位、8位と上位にランクイン。 そして待望のデビューアルバム『1 MPD n a MIC』が2011年11月9日にリリースとなる。






動画コメント



    商品ページへ








      @djtomoko n Ucca-Laugh
    『1 MPD n a MIC』

    2011年11月09日発売

    [収録曲]
    01. はじめまして、ともゆかです!
    02. Minna Winner
    03. ラヴ合ちん
    04. YT & G
    05. MAJI?!女ダイエット
    06. ナミダの無駄遣い
    07. Phone #
    08. 日愛日未なぅ
    09. Do the Right Thing
    10. B Professional
    11. Loving Proof
    12. ゴミ箱を空にする。


profile



[@djtomoko] (Left)

1982年、東京都出身。
6歳の頃にピアノとダンスを習い始める。英語教師の父親と音楽教師の母親の影響で、音楽と英語に幼少期から興味を示し、8歳の頃、当時の人気グループ『ZOO』を見て以来new jack swing、Hip Hopカルチャーに興味を持つようになる。18歳から約4年ほど都内クラブでDJとして活動後間もなくbeat makerに転身。2006年には、メジャーアーティストのアルバムをプロデュース。それ以来J-popを中心に数多くの楽曲を提供しキャリアを積む。そして、2008年NYに住む事を決意、渡米。そこでA Tribe Called Quest, D.I.T.C., Brand Nubianなどの師匠にあたるZulu NationオリジナルメンバーDJ Jazzy Jayのstudioでのsession、また、Roc nation(JAY-Z)のproducerに気に入られ、Jay-Zが所有する"Roc the mic studio"でのstudio session も経験。その他多くのproducer, artistとの交友関係を渡米後1年も経たないうちに自らの手で掴む。現在は日本で活動中。


[Ucca-Laugh] (Right)

1983年、東京都出身。
幼少期からピアノ、クラシックバレエを習い、その後、声楽・オペラ、ダンスをはじめる。中学生の頃から、USのR&Bに興味を持ち始め、Mary J. Blige, Lauryn Hill, Mariah Carey, Monica等当時のR&Bを代表すアーティストに憧れる。高校卒業後、L.Aへ留学。同時期に楽曲制作、ライブ活動を始める。帰国後、2007年ビクター傘下のインディーズレーベルよりアルバムを2枚リリースするが、2009年に活動を休止。充電期間をおいた後、音楽活動を再開。2008年には、Pharrell Williams(The Neptunes)×NIGO主催のオーディション"STAR BAPE SEARCH"のファイナリスト6名に選ばれている。



Live infomation

■11/12(土) OPEN 16:30/START 17:00
oricon Sound Blowin’2011〜autumn〜 at渋谷O-EAST 出演17:40〜

■11/19(土) OPEN 23:00/CLOSE 5:00
YUME FEST TOKYO2011 at青山FIAT SPACE

■11/26(土) OPEN 24:00/CLOSE 5:00
NIGHT PARK @djtomoko n Ucca-Laugh『1 MPD n a MIC』RELEASE PARTY!! at渋谷MICROCOSMOS

■12/02(金) OPEN 22:00/CLOSE 5:00
SIGNAL Supported by TOKYORK at宇都宮 SOUND A BASE NEST

■12/03(土) OPEN 18:30/START 19:00
J-WAVE SPECIAL SHOWCASE feat.@djtomoko n Ucca-Laugh at渋谷LOOP

■12/17(土) OPEN 22:00/CLOSE 5:00
HANDS special at宮崎CLUB505

■12/28(水) OPEN 19:30/CLOSE 24:30
SHINJUKU R&B STYLE at新宿ArcH




関連記事