【エルパカ読書】 ゆーきゃんの選ぶ3冊

日本のシンガーソングライター特集ストア

2012年10月11日 (木)

ゆーきゃん

【エルパカ読書月間】アーティストお気に入りの3冊

猛暑続きの夏も過ぎ、ようやく過ごしやすくなるこの季節。ゆったりと落ち着いて“本”でも読みたくなりませんか?さてどんな“本”を読もうかしら?そんな時、私たちHMVスタッフは「大好きなミュージシャンはどんな“本”を読んでいるんだろう?」と気になりました。
この企画では、ミュージシャンに「エルパカBOOKS」を覗いて頂き、その中からお気に入りの“本”を3冊紹介してもらいます。今回紹介してくれるのは、ゆーきゃん。私が考える「2000年以降最も素晴らしいシンガーソングライター」の一人です。10/12にはもはや“奇跡”としか言いようの無い最高傑作アルバム『あかるい部屋』をリリース。そんな彼が選んだ3冊はどんな作品でしょうか?コメントと共にお楽しみ下さい。

ゆーきゃん の選んだ3冊

螢川 / 泥の河

宮本輝 「螢川 / 泥の河」

物語の中から昇ってくる埃と土と草の匂い、人間の匂いが好きです。この2編の中で描かれている、昭和時代にあった「生活」の光と影は、時代が下っても変わらずに人間を悩ませたり鼓舞したりし続けるのでしょう。読後、ボブディランの「雨のバケツの」なかにある「生きることは騒ぎだよ」という歌詞が頭の中でリフレインしました。

測量船

三好達治 「測量船」

国語の教科書にあった「甃(いし)のうへ」という詩がなんだか気になって、家の本棚から引っ張り出してきた詩集。この中の「乳母車」という一篇に、完全にやられてしまいまいた。日本語の美しさと重みを再確認したいときは、いつもこれを開きます。「ことば」をないがしろにするな、「詩」を忘れるな、おまえは本当に「うた」を歌えているのか…いつ会いに行っても説教される厳しい老先生のようなイメージです。

さよならクリストファー・ロビン

高橋源一郎 「さよならクリストファー・ロビン」

ひとが生きてゆく中で絶えず捨てられてゆくもの、吐き出されて消えてゆくもの、忘れられてしまうもの、それらのひとつひとつを丁寧に拾い上げて、光を当てた、透明で、切実で、やさしくて、とても悲しいお話が詰まった一冊だと思います。昨年のあの日以来の世界を暗喩するような雰囲気もあり、それでも希望を探そうという想いも伝わってきて、お蕎麦屋さんでグズグズ泣きながら読みました。

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ゆーきゃん プロフィール

ゆーきゃん シンガーソングライタ。いつだってよい音楽を創りたいと思っているけれど、ときどきはひどいライブもする。 駄作も書いた。浮いたり沈んだり、妬んだり焦ったり、人前に立つのも嫌な日さえ、ときどきある。それでも、聞くこと、聴くこと、書くこと、読むこと、見ること、見えること、忘れては思い出して、 眠っては目覚め、歩いては立ち止まり、流れては澱み、生きること、言い切ること、そういうこと、こういうこと、すべてを指してゆーきゃんと言うのだと思う。

  京都にて10年間続くインディ・フェス「ボロフェスタ」主催メンバーのひとり、オンライン・CDストア「サンレインレコーズ」管理人。「あらかじめ決められた恋人たちへ」のリーダー池永正二とのユニット「シグナレス」、および5人組フォークロック・グループ「欠伸 ACBIS」でも活動中。

ゆーきゃん オフィシャルサイト: http://akaruiheya.moonlit.to/

『あかるい部屋』 ゆーきゃん [2012年10月12日 発売]

『あかるい部屋』 ゆーきゃん オーソドックスにして孤高。オルタナティヴにして普遍。京都在住のSSW(シンガーソングライター)による4th albumはバンド編成での濃密な一枚。
山梨・白州にて、田辺玄(WATER WATER CAMEL)が新設したホームスタジオにて録音された本作。森ゆに(ピアノ)、田代貴之(ベース)、妹尾立樹(ドラム from sistertail/LLama)、そして田辺玄(ギター)という名プレイヤーたちのサポートを受け、良質なメロディとイマジナティヴなリリックが舞い上がる。より温かみと質感を増した独特の透明な声と、静かな躍動感に満ちたバンド・サウンドの幸福な出会い。さらに初の試みであるポエトリー・リーディングも収録、柔らかな女声によって語られる詩は、"ことばの人"としてのゆーきゃんの横顔を浮き彫りにする。ジョン・レノン、ニール・ヤング、ニック・ドレイク、エリオット・スミス、そしてブライト・アイズといった偉大な歌い手たちの系譜に連なる、実にSSW然とした渾身の4枚目。自身のホームページの呼称でもあり、不定期で開催し続けている自主企画名でもある"あかるい部屋"の名前を冠した、まさにセルフ・タイトル的ちいさな奇跡の完成!!

『あかるい部屋』極私的レビュー

ゆーきゃんの4枚目の作品。前作はミニアルバムだったから、フルアルバムとしては07年の『sang』以来。個人的に本当に待ってた作品。そもそも楽しみに待っていた作品だけれど、その期待値をはるかに超える出来にちょっと驚きを隠しきれない。

「今回は“普通”にやろうよ」

そんな言葉と共にスタートしたという『あかるい部屋』レコーディング。
一つの作品を残そうとする時、どうしたって、無理に手の込んだ感じにしようとしたり、明らかに人とは違うオリジナル感を出そうとしたりしてしまうもの。そこを、あえて「“普通”にやる」。
それはきっと、バンドメンバー全員が、“普通”にやっても、ゆーきゃんのオリジナリティが消える事が決して無い事を知っていたから。“普通”を意識して完成した作品は、奇跡としか言いようの無い輝きが舞い降りた。気をてらう事なく、自然とゆーきゃんから溢れだしたメロディーが、柔らかく私たちを刺激する。

私たちは、いつも“特別”の中に生きているわけではなくて、“普通”の毎日の中に生きている。“普通”イコール“退屈”じゃない。その“普通”の中に小さく心が動く瞬間がある事を知っている。

その瞬間に幸せを感じる人は『あかるい部屋』を、どこまでも愛するだろう。
『あかるい部屋』は、そういった類のアルバムだと思う。
文:松井剛

『あかるい部屋』収録曲

01. 太陽
02. small town
03. 0764
04. 雪の朝
05. わすれもの
06. 最後の朝顔
07. ウルトラマリン日和
08. 611

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あかるい部屋

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発売日:2007年06月27日

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