シューマン：詩人の恋のオリジナル版

2013年3月17日 (日)

シューマン：詩人の恋のオリジナル版
ベルク：７つの初期の歌
ベズイエン＆マルグリス

シューマンの『詩人の恋』はもともとは、『歌の本の抒情挿曲からの20の歌』というタイトルでハイネの詩と同じく20曲でしたが、シューマンは出版の際に4曲をカットし、16曲構成で『詩人の恋』として世に出しました。
　ここでは、その『歌の本の抒情挿曲からの20の歌』をとりあげることで、『詩人の恋』のもともとの姿を再現しています。このヴァージョンへの取り組みでは、アメリカのバリトン歌手トーマス・ハンプソンが有名で、1994年にサヴァリッシュの伴奏でＥＭＩに録音していたほか、2007年にリーガーの伴奏で歌ったミュンヘンでのリサイタルを収録したＤＶＤもリリースされていました。
　今回のアルバムは、テノールで歌った『歌の本の抒情挿曲からの20の歌』ということで、高い音域による異なる雰囲気の歌唱という面でも注目されるところです。
　組み合わせはベルクの『７つの初期の歌』。もともとはソプラノとピアノの為に書かれた作品ということもあり、通常は女声で歌われているので、テノールで聴けるのは興味深いところです。
　歌うのはオランダのベテラン・テノール、アルノルト・ベズイエン。ピアノ伴奏はレニングラード生まれのドイツ育ち、現在はアメリカを拠点に活躍するこだわり派のピアニスト、ユラ・マルグリスが受け持っています。（ＨＭＶ）

【収録情報】
シューマン：『詩人の恋』（『歌の本の抒情挿曲からの20の歌』）
1.　美しい5月に
2.　私の涙から
3.　ばらよ、ゆりよ、鳩よ
4.　私がおまえの瞳を見つめるとき
5.　あなたの顔は気高く美しい
6.　君の頬を寄せてくれ
7.　私の心をゆりの杯にひたそう
8.　聖なるラインの流れに
9.　私は恨むまい
10.　花がわかってくれるなら
11.　それはフルートとヴァイオリンの響き
12.　あの歌の響きを聞くと
13.　若者はおとめを愛した
14.　明るい夏の日に
15.　私の恋は輝いている
16.　僕の馬車はゆっくりと車輪を転がしてゆく
17.　私は夢の中で泣いた
18.　夜ごとの夢に君を見る
19.　昔のおとぎ話より
20.　昔のいまわしい歌
（5,6,15,16：印刷時に歌集よりカットされた曲）

ベルク：7つの初期の歌
1.　夜
2.　葦の歌
3.　ナイチンゲール
4.　夢にみた栄光
5.　室内にて
6.　愛の頌歌
7.　夏の日々

　アルノルト・ベズイエン（テノール）
　ユラ・マルグリス（ピアノ）

　録音時期：2011年12月18-21日
　録音場所：バイロイト、シュタイングレーバー・ハウス、室内楽ホール
　録音方式：ステレオ（デジタル）