ファゾリス／ペルゴレージ：スターバト・マーテル

2013年10月1日 (火)

ペルゴレージ：スターバト・マーテル
ジャルスキー、レージネヴァ、ファソリス＆イ・バロッキスティ

26歳の若さで死の床にあったペルゴレージが書き上げた『スターバト・マーテル（悲しみの聖母）』は、どこまでも透明で至純な美しさに満たされた哀切きわまりない名作。
　女声の高域と低域、ソプラノ（男性の場合ソプラニスタ）とアルト or メゾ・ソプラノ（男性の場合カウンターテナー）のソリスト二人に、弦楽と通奏低音から成る小編成アンサンブルによって演奏されるつつましい作品で、かのバッハがその晩年にドイツ語版に仕立て、さらに細かな変更を加えて編曲、シンプルな『スターバト・マーテル』を、より教会風な雰囲気に仕上げた「詩篇第51番」を生み出したことでも知られています。

【注目の演奏】
今回登場する演奏は、ペルゴレージのスターバト・マーテル本来のつましい美しさが実現可能な面々による注目の録音です。
　ユリア・レージネヴァは、超絶技巧とクリアな声によって、古楽やロッシーニの分野で実績を積んできたロシアのソプラノ。
　フィリップ・ジャルスキーは、その超絶技巧と華麗で若々しい美声によりすでに世界的な知名度を持つフランスのカウンターテナー。
　オーケストラは、イタリアの指揮者ディエゴ・ファゾリスが率いる古楽器アンサンブル「イ・バロッキスティ」。これまで宗教音楽やオペラなど声楽作品中心に数多くのバロック作品を録音しており、前述のバッハによる『スターバト・マーテル』の編曲作品のDVDもリリースしていたほか、バルトリと組んだステッファーニの『スターバト・マーテル』をさきごろ発売したばかりでもあります。
　彼らのアンサンブルは緻密でありながらもときにアグレッシヴさもみせるもので、この作品でも起伏に富む悲しみの音楽を聴かせてくれそうです。ちなみに組み合わせの2作品『しもべらよ、主をたたえよ』と、『主よ、あなたに告白します』は、アバドのペルゴレージ・アルバムで、ファゾリスが同じスイス・イタリア語放送合唱団を指揮した作品でもあります。（ＨＭＶ）

【収録情報】
ペルゴレージ：
・スターバト・マーテル
・しもべらよ、主をたたえよ
・主よ、あなたに告白します

　フィリップ・ジャルスキー（カウンターテノール）
　ユリア・レージネヴァ（ソプラノ）
　スイス・イタリア語放送合唱団
　イ・バロッキスティ（ピリオド楽器オーケストラ）
　ディエゴ・ファゾリス（指揮）

　録音方式：ステレオ（デジタル）