ジャン＝フィリップ・コラール、円熟のショパン

2013年10月3日 (木)

ショパン：前奏曲集、ピアノ・ソナタ第２番『葬送』
ジャン＝フィリップ・コラール
これほど甘くないショパンは初、コラール久々の新録音

かつてEMIの若手スター・ピアニストとして大活躍し、60以上の録音を制作していたジャン＝フィリップ・コラールも今年65歳。もともとくせのない、爽やかな演奏を身上としていましたが、近年は芸風が深まり円熟、巨匠の風格を見せています。
　コラールは、1980年代にEMIで、ショパンのピアノ・ソナタ第3番やバラード、ワルツなどを録音していたので、今回はほぼ30年ぶりのショパンへの取り組みということになります。
　コラールによれば、「24の前奏曲」は、ショパンが私小説風に素を見せすぎていて、それが羞恥心に欠けていると思われたため、最近まで避けてきた作品とのこと。ここでコラールはこれらの前奏曲に、あるときは暴力的、あるときは後ろ向き、あるときは陽気な演奏で迫っており、甘くない新鮮なショパンの世界を満喫できます。日本語ライナーノートつき。

【収録情報】
・ショパン：24の前奏曲Op.28
・ショパン：ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調Op.35『葬送』

　ジャン＝フィリップ・コラール（ピアノ）

　録音時期：2013年4月9-11日
　録音場所：ボンセクール教会、パリ
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　エンジニア：フランソワ・エッケール