サヴァールの名盤ＳＡＣＤ化

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2013年10月18日 (金)

サヴァールの名盤がＳＡＣＤハイブリッドの高音質で蘇る！
ヘリテージ・シリーズ最新盤はダウランドのラクリメ！

サヴァールがアストレ・レーベル（現在のnaiveレーベル）からリリースしたもののうち、惜しくも廃盤となってしまった名盤を再発する「ヘリテージ・シリーズ」最新盤！　ディエゴ・オルティスの『レセルカータ集』（AVSA9899）に引き続く形で今回再び陽の目を見ることとなったのは、サヴァールが1987年に録音した、ダウランドの『ラクリメ、または７つの涙』です。リリース当時は、サヴァール、エスペリオンＸＸ、その他ソリストたちが織りなす圧倒的な演奏のクオリティで非常に高い評価を得た名録音です。一度は廃盤となり、入手困難な状態が続いていただけに、今回の再発はファンにとっては嬉しい限りです。
　本アルバムも、ヘリテージ・シリーズ恒例のマルチチャンネル・リマスターが施されており、アストレが誇る優秀録音を、SACD Hybridの高音質で堪能することができます。かつてこの録音を耳にした方は勿論のこと、最近サヴァールの演奏を聴き始めたという方には特におすすめしたい必聴盤です。
　ダウランドの『ラクリメ、または７つの涙』は、ダウランドらしい憂いを帯びた美しい７つの「ラクリメ」からなる小曲集。当時を代表するリュート歌曲作家であったダウランドの作品は多くの人々に親しまれていましたが、その中でも特に『流れよ、我が涙』は一世を風靡したヒット・ソングでした。他の作曲家達が好んで編曲する中、ダウランド自身もこの歌曲を主題としたコンソート曲『ラクリメ、または７つの涙』を、1604年に出版した器楽編曲集の中に収録。『涙のパヴァーヌ』の異名を持つ本作はヴィオール５本とリュート１本という編成で、全体的に重心の低い、落ち着いたハーモニーが特徴の作品です。決して暗い雰囲気に徹しないようにか、サヴァールは重々しい７つの「ラクリメ」の合間に、同じ器楽編曲集に収録された舞曲を挟み込んでおり、全体的に明暗のメリハリきいたプログラムを組み上げています。クリストフ・コワン、ホセ・ミゲル・モレノら名手達による珠玉の演奏も大きな注目所。今なお色あせぬ、見事なアンサンブルにぐっと惹きつけられます。（キングインターナショナル）

【収録情報】
ダウランド：『ラクリメ、または7つの涙』（1604年）

・元のラクリメのパヴァーヌ
・サー・ジョン・スラウチのガイヤルド
・新たな形のラクリメのパヴァーヌ
・ヘンリー・ノエル氏のガイヤルド
・溜め息のラクリメのパヴァーヌ
・エセックス伯のガイヤルド
・悲しみのラクリメのパヴァーヌ
・ニコラス・グリフィスのガイヤルド
・偽りのラクリメのパヴァーヌ
・ジャイルズ・ホビー氏のガイヤルド
・愛情深いラクリメのパヴァーヌ
・トマス・コリアー氏のガイヤルド
・真実のラクリメのパヴァーヌ
・ディゴリー・パイパー大佐のガイヤルド
・ダウランドはつねに悲しむ
・デンマーク王のガイヤルド
・サー・ヘンリー・アンプトンの葬送
・バクトン氏のガイヤルド
・ジョン・ラングトンのパヴァーヌ
・ニコルズ夫人のアルマンド
・ジョージ・ホワイトヘッド氏のアルマンド

　エスペリオンXX
　　クリストフ・コワン（ヴィオラ・ダ・ガンバ：テノール）
　　セルジ・カサデムント（ヴィオラ・ダ・ガンバ：バス）
　　ローレンツ・ドゥフトシュミット（ヴィオラ・ダ・ガンバ：バス）
　　パオロ・パンドルフォ（ヴィオラ・ダ・ガンバ：バス）
　　ホセ・ミゲル・モレーノ（リュート）
　ジョルディ・サヴァール（ヴィオラ・ダ・ガンバ：ドシュ）

　録音時期：1987年
　録音場所：カタルーニャ、サンタ・マリア教会
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　SACD Hybrid
　CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND