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【インタビュー】 松浦俊夫 presents HEX

Thursday, November 28th 2013

HEX

 創立75周年を目前にして大型リリースが続くブルーノートから、2013年を締め括るに相応しい新たなプロジェクトが誕生した。

 90年代以降、「現在進行形のジャズを日本から世界に向けて発信」というコンセプトを掲げて時代の音を作り上げ続けてきた松浦俊夫が、時機到来、「HEX」という名のクリエイティヴ・フォースを始動させる。佐野観、みどりん(SOIL&"PIMP"SESSIONS)、伊藤志宏、小泉P克人、そしてレコーディング・エンジニアにzAkを迎えた一枚岩のプロダクション・チームが果敢に乗り出す、ジャズの未来を模索するための大いなる旅路。はたしてその行く末は?

 HEX プロジェクトの陣頭指揮をとるプロデューサー 松浦俊夫さんにお話を伺いました。


インタビュー/文・構成:小浜文晶



僕自身も含めて今まで散々やってきたアプローチ、つまり “ブルーノートらしさ”というものに対するそれまでのイメージを一旦すべて白紙にしようと思ったんです。


-- 本日は宜しくお願いいたします。アルバム『HEX』のお話に入る前に、少しお訊きしたいことがありまして。WEB マガジン「OPENERS」の松浦さんの連載に、「ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、インコグニート、オマー、ロブ・ギャラガーといったベテランのアシッド・ジャズ勢が相次いで新作をリリースしたり、今年は彼らの活発な活動が目立っている」という記事を見つけたのですが、同じくU.F.O.時代に、クラブジャズを中心とした90年代の音楽シーンを牽引した松浦さんご自身、やはりこうした一連の動きにどこか運命的なものを感じていたのではないのかなと思ったのですが。

 さらには、下田(法晴)くんが自主レーベルのANOTHER TRIPを立ち上げてサイレント・ポエッツを再始動させたり、高木完さんがSONY時代の作品をリマスタリングして再リリースしたりという動きもありますね。

 物事が十二進法でグルッと1周、つまりひと区切り付くという感覚が僕の中にはあって、現在は90年代から “2周”したのかなという感じなんです。1990年から数えて1周目となる2002年に、僕はU.F.O.(United Future Organization)から独立しました。そこから12年経過した2014年がブルーノートの75周年にあたり、さらにはワールドカップも開催されるということで、たしかに運命的なものを感じてはいますね。

 逆に、U.F.O.から独立して以降ここまでソロ作品を作ってこなかったのは、結果的にこのタイミングを待っていたのかなという気はしています。それまで全くアルバム制作の話がなかったわけでもなかったので。ただ、何となく作って何となくリリースされたということだと、届かないまま終わる可能性が大きいなと思ったんです。今回と同じような作品を例えば4、5年ぐらい前に出したとしても、果たしてここまで注目してもらえたかなと。だから、ブルーノートという所謂老舗のジャズ・レーベルからリリースするという挑戦をすることができたのは、すごく幸運なことでしたね。


1990年、矢部直、ラファエル・セバーグ、松浦俊夫で結成されたアシッド/クラブ・ジャズ系のDJユニット。91年、コンピ盤に提供したトラック「I Love My Baby (My Baby Loves Jazz)」がロンドンのクラブ・シーンを中心に話題となる。同年にクラブ・パーティ「JAZZIN'」をスタート。翌92年にリリースした2ndシングル「Loud Minority」が大ヒットを記録。英・音楽誌「Straight No Chaser」にてプラネット・ジャズ・アワードを受賞。93年にジャイルス・ピーターソン主宰のTalkin' Loudと契約し、1stアルバム『United Future Organization』を世界29ヵ国でリリースした。94年には、アメリカの名門ジャズ・レーベル、Verveと契約し、2ndアルバム『No Sound Is Too Taboo』をリリース。DJ、リミックス・ワーク、さらにはワールド・ツアーを敢行するなど、国内外で高い評価を得た。2002年、5枚目のアルバム『V(five)』リリース後に松浦俊夫が独立している。


-- すべてのタイミングがピタリとハマりました。

 そもそも今回のプロジェクトの話を頂いたのが去年の暮れで、本格的に動き出したのが今年の春。6月の上旬ぐらいからレコーディングが始まって、約4ヶ月でアルバムが完成したわけなんですが、実際メンバー全員が揃ったのは3日間しかありませんでした。でも、その中で色々と試行錯誤しながら作り上げていくことができたのは、「アルバムを出すなら今このタイミングしかない」ということを強く感じていたからなんだと思います。


-- ブルーノートにしても、今年はロバート・グラスパー・エクスペリメント、グレゴリー・ポーター、エルヴィス・コステロ&ザ・ルーツなどのリリースもあって、単なる老舗レーベルというイメージの払拭も含めて、新しいブランド・イメージを定着させつつあるタイミングですよね。

 最近の流れとしては、ロバート・グラスパーホセ・ジェイムズのように、ソウル・ミュージック的なアプローチの中にジャズを感じるスタイルのものが多かったりしますよね。だから今回にしても、プロデュースをする上でそういった方向性がパッと思い浮かんだのは事実ですが、ただそこをなぞってもまったく新しくはないですよね。「日本発のブルーノート75周年」に向けたプロジェクトということで、当初から僕の中にも海外リリースを視野に入れたアルバムを作るんだという気持ちはかなり強かったですから。


-- 今回、プロジェクトのコンセプトが「HEX」(HEXAGON:ヘキサゴン=六角形・六面体)ということなのですが。

 そもそもの大前提としてのコンセプトが、「ジャズの未来を模索する旅」でした。答えを最初から掲げるのではなく、答えを見つけるための旅をする。ですので、「Maiden Voyage」のようなタイトルを考えた時期も正直ありました(笑)。でも僕自身も含めて今まで散々やってきたアプローチ、つまり “ブルーノートらしさ”というものに対するそれまでのイメージを一旦すべて白紙にしようと思ったんです。 「75周年から先のブルーノートの音って何?」というのをあえて東京からアプローチすることによって、それは間違いなくジャズ・シーンの起爆剤になる。大風呂敷を広げていると思われるかもしれませんが、僕個人の気構えとしては実際それぐらいのものがありました。こちらから切り崩していくんだって。

 そういう中で、「新しいジャズを模索する」というコンセプトを、何かシンボリックなものとして表現したかった。そこでつながったのが、4人のメンバー、5人目となるプロデューサーの僕自身、そして6人目がヴィジュアル・アーティスト、フォトグラファー、あるいはアート・ディレクターであったりするという六面体のチーム・プロダクション。さらに極論すれば、HEXという集合体に賛同してくれるリスナーも含めて、それをHEXと呼ぼうと。その6番目の要素が入って初めてHEXという形が出来上がる。今回のアルバムでもインナーのアートワークに使用しているんですが、ネーミングというよりも、実際その六角形のフォルムを今後シンボライズしていこうかなと思っています。   


-- 6人目の構成員がリスナーだったりクラウドだったりするコンセプトというのは、すごくライヴ・バンド的な発想ですよね。

 今回、アルバムがリリースされる前にライヴをするという状況で、ほぼ9割9分の人たちが、僕らの実体がよく分からないまま観に来るわけですよね。その中で、どこまでHEXらしさが出せるのかなというところではあって。ライヴというシチュエーションの中で、いかにビックリさせられるか(笑)。

* 11/1にLIQUIDROOMで行なわれた「J-WAVE 25th Anniversary Gilles Peterson's WORLDWIDE SHOWCASE 2013 〜magic no.9〜」にて初ライヴ。
このインタビューは10/29に行なわれたものです。



-- 「これが本当にブルーノートから出るのか!?」という意外性だったり(笑)。

 あと、ジャイルス(・ピーターソン)が間近で観ているということもあって、良い意味でのプレッシャーはあります。アルバムはすごく気に入ってくれたので、ライヴでもそうなるのかどうなのかと。盛り上がるというよりは、どちらかと言えば圧倒させたり、驚いてポカーンとさせたりすることができたらいいなと思っていますが(笑)。

* 11/1当日HEXの初ライヴに立ち会ったジャイルス・ピーターソンは、終演後、満面の笑みで「Amazing!」とメンバーに絶賛の言葉を送ったという。



-- 中納良恵さん(EGO-WRAPPIN')が歌う「オーサカ・ブルース」。これこそ「日本発のブルーノート75周年に向けた」というテーマに相応しい1曲ですよね。

 元々、原曲になるホレス・シルヴァーの「The Tokyo Blues」が大好きでした。94年にディー・ディー・ブリッジウォーターがホレスのトリビュート・アルバムでこの曲をヴォーカル・カヴァーしたものがあるのですが、それが大好きで自分のDJセットにも入っていました。これはホレスが1962年の初来日の思い出を綴った曲。今あえて、この50年以上前の曲を振り返ってみようとなったとき、どうしても日本語でやりたかった。詞をオリジナルで書き換えてもらうことも含めて一緒にやるのをお願いするとなれば、僕の中では中納さんしかいませんでした。バックアップのプランBは一切用意していませんでしたから。

 EGO-WRAPPIN'に関していえば、今は東京を拠点に活動していますけど、やっぱり根っこの部分は大阪なんじゃないかなと思って、故郷・大阪を思い描いた詞でブルースにしてもらいたいということをお願いしました。それが「オーサカ・ブルース」。となると、逆に「トーキョー・ブルース」は当然東京に思い入れがある人に歌ってもらいたいということで、そこにたまたまエヂ・モッタが僕の中でハマッたんです。    


-- ホレス・シルヴァー同様、異国情緒的な風合いで描いた東京、と。

 そうですね。ちょうどその時期彼の新しいアルバム『AOR』をよく聴いていたこともあるんですけど、あのドナルド・フェイゲンっぽいフィーリングが僕のイメージする東京とすごくマッチしていて(笑)。中納さんの歌う「オーサカ・ブルース」とは対照的に、もう少し明るくて肩肘張らない感じにしたかった。それこそスティーリー・ダンの「Do It Again」みたいに、ラテンっぽさがあっても面白いんじゃないかなと。それですぐにオファーしたら、ホレス・シルヴァーのアルバムは全部持っているし、U.F.O.も昔から聴いていてくれたということで、参加を快諾してもらいました。 


-- この2曲は「陰」と「陽」が見事なまでに分かれていますよね。

 ですので、曲の並びもすごく悩みました。もっと2曲を離すべきなのか? 逆にあえて2曲並べたほうがいいのか? って(笑)。ただ、「トーキョー・ブルース」を最後に置くことはあらかじめ決めていて、そのバランスを考えてどこに「オーサカ・ブルース」を差し込んでいくかというところで色々と考えましたね。


中納良恵(Vo/作詞/作曲)、森雅樹(G/作曲)の二人によって1996年結成。2人が創る「エゴ(Ego)」を「包み込む(Wrap)」ユニット、EGO WRAPPIN'(エゴラッピン)。関西を中心に活動を展開し、戦前のジャズから自然に行き着いたキャバレー音楽や昭和歌謡といった流れを見事に現代に昇華し、そのうえに彼ら独自のサウンド・スタイルを築き上げ、一躍高い評価と支持を得る。 彼らのサウンドは様々なクラブサウンドの要素をふんだんに取り入れながらも、アコースティックへのこだわりを感じさせるサウンド&メロディー、そして透明感があり表情豊かなヴォーカルがダイレクトに響き、心地よい世界に誘ってくれる。2000年にリリースしたミニアルバム『色彩のブルース』がヒット。インディーズとは思えない程の大ブレイクを果たした。2001年、ポリドールに自らのレーベル、Minor Swingを立ち上げ、初のフルアルバム『満ち汐のロマンス』をリリース。最新アルバムは2013年4月にリリースされた『steal a person's heart』。
1971年ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ郊外にあるチジュカ生まれ。本名エドゥアルド・モッタ。母親がアマチュアのシンガーだったこともあり、ブラジル音楽はもちろんアメリカのブラックミュージックに至るまで音楽的に恵まれた環境で育った。本格的な音楽活動は、コネクシャオゥン・ジャぺリに歌手兼ギター/パーカッションとして参加してから。1988年、17歳の時にアルバム『コネクシャオゥン・ジャペリ』でデビュー。作品は大きな反響を呼びヒットを記録したが、エヂ・モッタはバンドを脱退。1990年に『ウン・コントラート・コン・デウス』でソロデビューを果たす。92年のソロ2作目『エントリ・エ・オウサ』は、スティーリー・ダンに深く影響を受けた、ソウル、ファンク、その他のクロスオーヴァーな音楽を取り込んだ初期の代表作。94年に渡米し、ニューヨークでスティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンをはじめ多くのアーティストと交流を持つ。97年の『パーティー・マニュアルvol.1』、2000年の『パーティー・マニュアルvol.2』が共に大ヒット。その一方で、、インコグニートやパトリシア・マルクスとのコラボレーションでもファン層を広げてきた。2003年、サンパウロのトラーマ・レーベルに移籍。『ポプチカル』、『アイステルン』をリリースした。 2013年、ニューアルバム『AOR』リリース後、名ギタリスト、デヴィッド・T・ウォーカーをフィーチャーしたスペシャル・バンドを引き連れ来日を果たした。
ジャケット写真は、1961年12月30日、ホレス・シルバー・クインテットが初来日し、新年を迎えたときのワンショットだ。そのときの日本の思い出を帰国後に回想して、62年7月にブルーノートに吹き込んだ。「トーキョー・ブルース」ほか、「トゥー・マッチ・サケ」、「サヨナラ・ブルース」、「アー!ソー!」いう曲名からオリエンタルな曲調かと思いきや、彼ならではのファンキーな曲ばかり。よく聴けば、曲のラストにオリエンタル・タッチなフレーズがあったりもするが、まったく違和感ないのが逆に面白い。クインテットのメンバーは、ホレス以下、ブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(as)、ジーン・テイラー(b)、ジョン・ハリス Jr.(ds)。


-- 全編を通して、それこそ旅や漂泊としての物語性があるような印象を受けました。

 前半は、どちらかといえば “模索する旅”。後半にいくにつれて、その旅の輪郭がちょっとずつハッキリしてくるというか。


-- 「ジャズステップ」と「スイート・フォー・ザ・ヴィジョナリー」、冒頭の2曲はどこかカオティックな感じですよね。

 「ジャズステップ」に関しては、初めから1曲目にするつもりで作っていました。何と言うか・・・1球目にいきなりビーンボール投げてやる、みたいな(笑)。


-- (笑) 他の曲作りは具体的にどういった方法で行なわれていたんですか?

 例えば、ある程度イメージが固まっているものであれば、作曲担当を決めて、一度仮トラックにまで仕上げてくる。それを皆で聴いてディスカッションしながら再構築していくっていうパターンもありましたし、本当に楽曲によりけりでしたね。

 カヴァーすることは割と早い段階から決まっていた「ハロー・トゥ・ザ・ウィンド」にしても、レコーディングの進め方云々というよりは・・・カオスの中から光るものが自然に生まれてきたという感じなんですよ。最初は本当にカオスでした(笑)。でも、試行錯誤を重ねるうちに、まさにトンネルを抜けた瞬間、明かりがフワッと入り込んで、目の前が拓けた感覚がありましたから。楽譜から構築する音楽とはまた別に、そうやって作られる音楽の面白さもあるんだなというのを改めて感じましたね。  


-- 「ハロー・トゥ・ザ・ウィンド」には、ニュー・アルバム『A Hero's Lie』を出したばかりのグレイ・レヴァレンドがヴォーカルで参加しています。

 グレイ・レヴァレンドは、結構前から気になっていたアーティストのひとりだったんですよ。その『A Hero's Lie』にしても、7月頃にメーカーの方からサンプル用のフリーダウンロード音源をいただいて。早々と梅雨が明けて、気持ち良い日差しが照りつけてきた時期ですね。そんな季節の折にもフィットしている彼の声にすごく魅了されて、参加をお願いしました。

 サウンドはフォークなんですけど、すごくブラック・ミュージック的な質感がある彼の声は、ボビー・ハッチャーソンのオリジナル・ヴァージョンにどこか通ずるところがあると思ったんです。完成したトラックを送って、そこに彼の歌が乗って返って来たときは、本当に期待以上の完成度になっていました。そもそもダンス・ミュージックがかかっているクラブで、マイク片手にお客さんを煽るようなタイプではないですが(笑)、でも逆にそういうダンス・ミュージック的な音とのブレンドが結果的に良い方向にいったかなとは思っています。意外とまだ多くの人に知られていないシンガーシングライターではあるので、この曲をきっかけに、もっと多くの人たちに彼の名前が広がってくれれば嬉しいですね。 


N.Y. ブルックリンを拠点に活動するグレイ・レヴァレンドことL.D.ブラウン。彼の音楽の最大の魅力は、これまでも比較されてきたエリオット・スミス、ホセ・ゴンザレス、レイ・ラモンターニュ、ウィル・オールダムといったアーティストと同様、情感的にも音楽的にも"飾り立てられることのない”実直さ”とこだわり抜かれた”生音”にある。これまでにもザ・シネマティック・オーケストラ作品や、現在国内外でロングセラーを記録しているボノボの作品でもその芳醇な唄声を披露している。彼の師であるジャズ・ギター・レジェンド、パット・マルティーノの指導のもとに音楽を学んだというパーカッシヴに演奏される独特なギター奏法に加え、ブルージーなピアノや有機的なエレクトロニックのアクセントが加わったことで、シンプルに構成された楽曲の中でさらに魅力を放っている。最新アルバムは、2013年8月リリースの『A Hero's Lie』
「ハロー・トゥ・ザ・ウィンド」を収録。デューク・ピアソンがプロデュース、全曲ジーン・マクダニエルズのヴォーカルと女性コーラスをフィーチャー。またハロルド・ランド(ts)、ケニー・バロン(p)、スタンリー・カウエル(p,el-p)、ウォリー・リチャードソン(g)、ハービー・ルイス(b)、ジョー・チェンバース(ds)、キャンディド(per)ら豪華な顔ぶれがサイドを固める。数あるブルーノート作品の中でも異彩を放つヴィブラフォン奏者ボビー・ハッチャーソンの7枚目のアルバム。1969年録音。* CDは現在廃盤。リンク先は輸入盤アナログLPとなります。



-- HEXの4人のミュージシャンも個性的な方々が揃いましたね。

 佐野観さんは、Wax Poetic Japanの和ジャズ・リワーク企画コンピ(『Wax Poetic Japan JP Jazz Re-Works 陽』)に入っている秋吉敏子さん「オールド・パルス」のリワークを初めて聴いて、「この人タダ者じゃないな」って思ったんです。そのあと彼のソロ作品とかを色々聴くようになりました。去年の夏ぐらいに、ミックスものの作業があってたまたま彼の自宅に行くことがあり、実際どういった作業をするのか見せてもらったんですよ。自分との “相性”も確かめることができてよかったです。彼にはプレイヤーとしての参加とは別に、全体を不可視できる共同プロデューサー的な立場での参加もお願いしました。他のミュージシャンたちにとって “通訳”のような役回りをしてもらいながら、プリ・プロのプログラミングまでやってもらって、すごく助かりましたね。

 ドラマーのみどりんは、本当に色々な音楽を聴き込んでいるんですよ。しかも、ミュージシャン的なマインドと、クラブ・ミュージックを含めたリスナーとしての幅の広さとがプレイに出ている。そういったところに惹かれて、いつか一緒に何かやりたいなと思っていました。今回まず最初に声を掛けたのが彼なんです。費やした時間と労力という部分では、1曲目「ジャズステップ」のドラム・プレイは相当大変だったんじゃないかな(笑)。


HEX@恵比寿LIQUIDROOM 2013
Photo by Mari Amita



 (伊藤)志宏さんは、元々、Shima&ShikouDUOの仕事などでもお付き合いがありました。ちょうど去年、福岡でパーティがあったときに、彼も福岡を訪れていて、ライヴ終わりで遊びに来てくれたんですよ。そこでリリース前の『ヴィジオネール』を下さったんですが、その後よく聴きました。すごく情緒的だし、クレイジーな部分も持ち合わせているピアニスト(笑)。それで彼に関しても、「いつかきっと一緒にやることになるんだろうな」と感じました。

 このプロジェクトではピアニストが2人になるんですが、お互いをうまく支え合うことができるという予感はあったので、あえてこの編成をとりました。結果、両者の役割がまったく違ったこともあって、良い化学反応が生まれたと思っています。

 ベースが最後まで決まらなかったんですが、ある日、みどりんと志宏さんから別々に小泉(P克人)さんを推薦されて、すぐに参加をお願いしました。彼は普段、エレクトリック・ベースがメインなんですが、今回はウッド・ベースをメインで弾いてもらいました。そのプレイがなにより僕のツボでしたね。 


1983年金沢県生まれ。東京在住のピアニスト/プロデューサー。11歳より独学でピアノと作曲を学び、16歳の時ピアニストとして演奏活動を開始。高校卒業後、18歳で渡米し、ボストンのバークリー音楽大学に入学。ピアノ専攻ジャズ作曲科を卒業。在学中には自らのバンドでモンタレー・ジャズ・フェスティヴァルなどに出演。ピアニストとして、佐藤竹善、Twigy、COMA-CHI、mabanua、TRI4TH、Eric Lau、アンミカ、ゲントウキ、羊毛とおはな、遠藤舞(アイドリング)、Hanahなどのライブやレコーディングに参加。また新世代のビートメイカー/プロデューサーとして国内外のコンピレーションに多数参加。ジャイルスピーターソンのラジオ番組で度々紹介され話題になる。2010年、金沢在住のソロギタリスト、石川征樹と完全即興演奏によるアルバム『共鳴』をリリース。2011年にデビューアルバム『Fantastic Farewell』、2012年にBennetrhodes名義のアルバム『Sun Ya』(Wax Poetics Japan)、2013年、自主制作のソロピアノ・アルバム『ピアノ作品集』をライブ会場限定でリリースしている。
1978年福島県いわき市生まれ。2001年に東京で結成された6人組爆音ジャズ・バンド、SOIL & "PIMP" SESSIONS のドラマーとして活動中。また同バンドのメンバーによる別働ユニット、丈青(p)、秋田ゴールドマン(b)との「J.A.M.」、秋田ゴールドマン(b)、元晴(sax)、トシゾー(g)との「so-ill」、丈青(p)、秋田ゴールドマン(b)、タブゾンビ(tp)との「PIMP」でも活動している。ほか、数多くのプロジェクトに参加。今回HEXに参加したみどりんに関して、松浦氏曰く「ジャズからダンス・ミュージックまで、時代とジャンルを超えた音楽を愛する彼とは、イベントで一緒になることが多かったこともあり、演奏をいつも間近で聴いていて、いつか一緒にできたらいいな」とコメントしている。
1977年東京生まれ。ピアニスト、ボタン・アコーディオニスト。5歳の頃より祖父の岸川基彦にクラッシックピアノを師事する。14歳のとき東京交響楽団とベートーベン・ピアノ・コンチェルト三番を共演し好評を博す。慶応義塾経済学部入学後、セロニアス・モンクのソロピアノを聴いてジャズに開眼。23歳頃からライヴを始めるようになりプロ活動を開始。22歳の頃にフランス人アコーディオン奏者リシャール・ガリアーノを聴いてボタン・アコーディオンを独学で学ぶ。クラリネットの北田学と「audace」を結成。2009年、トランペット奏者、島祐介とのデュオ、Shima & Shikou DUOとしての3枚目のアルバム『Poetry』でメジャーデビュー。2012年自身初のリーダー、プロデュース作品『ladies & pianoman』をリリース。ウイリアムス浩子、畠山美由紀、青木カレン、一青窈、たなかりかなど10人のシンガーを集め、ジャズスタンダードを独自の解釈で表現した。現在は前述2つのユニットや自己のピアノトリオのほか、声楽的手法と器学的手法の巡間、piada、庵原良司オレバンド、橋本学トリオ、中路英明 obatala segundo、中路英明duo、青木カレングループ、ウイリアムス浩子グループ、nobieトリオ、maikoグループなどで活躍。また、多くの歌手から、伴奏者・アレンジャーとして信頼を寄せられている。
1977年愛知県生まれ。幼少期よりバイオリンを始め、ドラム、ギターと渡り歩きベースに落ち着く。18歳頃からジャズ、ソウル、ファンクを好んで聴くようになる。その後セッションやライブ活動を開始。2000年頃、SOIL & "PIMP" SESSIONSの丈青、NOBIE、斉藤良が集まり「B.G.Jam」という名義でライブ活動を開始。その後「ALMA」→「ALMA+」に改名。2001年には、オルガン奏者KANKAWAのバンド「KANKAWA122」でアルバムやツアーに参加。2003年より、日本ジャズベースの重鎮、鈴木勲のグループ「OMASOUND」に参加し多大な影響を受ける。2004年頃に、NOBIE、吉田サトシ、小森耕造と「uni-birth」を結成。2007年、1stアルバム『MOVEMENT』をリリース。2009年、「ALMA+」で1stアルバム『ALMA』をリリース。2011年、佐藤帆、石崎忍、後藤篤、小森耕造、服部まさつぐを招集し、小泉内閣発足(後にスガダイロー、ノイズ中村が入閣)。またリーダーセッション・バンド、「P-Project」で完全自主制作の1stアルバム『By Coincidence』をリリース。ほか、Monday満ちるBand、五十嵐一生、吉澤はじめ、Orange pekoe、高橋ちか、ちみんなど様々なアーティストのライヴ、レコーディングに参加している。


-- レコーディング・エンジニアがzAkさんになりますが、以前ご一緒にお仕事されたことも?

 初めてお会いしたのは、93年にU.F.O.で『マルチ・ダイレクション』を出したときです。京都のKYOTO JAZZ MASSIVE、大阪の竹村延和さん、福岡のSmall Circle Of Friendsだったり、各地で活動しているミュージシャンたちの音源をコンパイルして海外に発信するという企画のコンピだったんですが、竹村さんのプロジェクトのエンジニアをしていたのが実はzAkさんだったんです。そのとき以来お会いしていなかったんですが、このHEXプロジェクト自体をプロデュースしている方からzAkさんを推薦されまして、自分でそれを思い付かなかったこともあって、逆に「あ、何かうまくいきそうな気がするな」という直感が働いたんです。実際の音作りも、zAkさんもそうおっしゃってくれたのですが、本当に昔から知っている仲間のように楽しくできました。

 僕の中には、「ジャズであってジャズじゃないもの」を生み出すためにはどうすればよいか? という考えが長らくありました。ある意味、U.F.O.時代の5枚のアルバムで完結してしまった部分があったので、どうすれば、その次のステップ、新しい自分として楽曲を作り出すことができるのかと。それこそ恵比寿のLIQUIDROOMの壁に書いてある「alternative/jazz」じゃないですけど、ジャズを超えるためには、やっぱりzAkさんのような人の力が必要なんじゃないかなと思ったんです。その場の空気を変える絶対的な力を持っている人ですよね。  


zAk (ザック)
レコーディング・エンジニア。1966年生まれ。84年にフリーランス・エンジニアとして活動を開始。レコーディング・エンジニア、またライヴPAエンジニアとしても活躍。リミックス、ダブ・ミックス、アレンジ、プロデュースも手掛け、90年代に、フィッシュマンズ、UA、バッファロードーター、ボアダムスのミックス、エンジニアとして名を馳せる。ほか、フリクション、坂本龍一、青葉市子、湯川潮音、ROSSO、Nabowa、yanokami、近藤等則&IMAバンド、梅津和時 KIKI BAND etc・・・数え切れないほど多くの作品のレコーディング/ライヴPAエンジニアに関わる。現在は相対性理論にメンバーとして籍を置く。


-- そもそものところで、松浦さんクラスであったら、ご自身ひとりの力でアルバムを作り上げることも可能だったのでは、と思ってしまうのですが・・・

 いや、それは買いかぶり過ぎじゃないですかね(笑)。さっきもお話ししましたが、DJミュージックとしてやれることは、U.F.O.ですべてやり尽くしたところがありました。だから、打ち込みも含めて実際に自分でプレイする音楽でないと、もう新しいものはできないのかなということをずっと感じていたんです。レコードからサンプル箇所を抜いて、そこをレイヤーしていく作業に対して、僕の中では少し辟易している部分があったというか・・・大量の時間を費やして、またレコードと格闘しながら永遠にパズルを続けていくということは、正直もうできないなぁと。 


-- 結果、ミュージシャン・シップやディスカッションを要するチーム・プロダクションの方法論を択一したと。

 僕の脳内にある朧げなイメージを、いかに彼らひとりひとりの脳に伝えていくか。あるいは彼ら自身の持っているものが、こちらから刺激を与えることでより活発に湧き立って、それがうまく混ざり合ってひとつの音になる。実際、僕はそうなるように仕掛けたり、仕向けていきましたから。勿論、簡単なことではなかったですが、このアルバムでは、共に前に進むためのクリエイティヴィティを生み出すことはできたんじゃないかと思っています。  


-- 次はライヴにおける発展型がたのしみになりますね。

 ただ単にアルバムを再現するだけでは済まされないでしょうね。いわゆるジャズのステージだけではなく、国内外のあらゆるジャンルの音が入り乱れているようなイベントやフェスに出て、そこでたくさんの刺激を受けながら、新しいものを生み出すための次に繋げていく。ライヴを行なう度にカタチを変えていくというか。今の段階では、その繰り返しができればいいなと思っています。 


-- HEXは、例えば東京JAZZとMETAMORPHOSE、両フェスへの出演の可能性も高いプロジェクトですよね。

 そうなれば理想的ですね。今回のアルバムをジャイルスが「ジャズの伝統的な部分が残っていて、そこに革新性を加えることができている」と評してくれたんですが、まさにそういったことこそが、「ジャズであってジャズではない」というHEXの音のトータリティそのものなんです。



【取材協力:ユニバーサルミュージック】




 HEX 『HEX』

ジャズの名門レーベルBLUE NOTEより、新プロジェクト「松浦俊夫 presents HEX」がデビュー。 現在進行形のジャズを東京から世界に向けて発信!!
2014年に創立75周年を迎えるジャズ・レーベルBLUE NOTEが、新たなプロジェクト"HEX(ヘックス)"を発信することが明らかになりました。指揮をとるのは、90年代初頭より日本のクラブシーンを牽引し、”ジャズ”を踊る音楽として日本から世界へ発信してきたDJの松浦俊夫。ミュージシャンには、次世代ソングライター/キーボーディスト 佐野観、SOIL&"PIMP"SESSIONSのドラマー みどりん、ジャズ、ラテン、そして映画音楽までを手がけるピアニスト 伊藤志宏と、ミュージシャンから絶大な信頼を誇るベーシスト 小泉P克人が参加。さらに、レコーディング・エンジニアにzAkを迎え、六角形(Hexagon)を意味する"HEX"の名のもとに、現在進行形の"ジャズ"を東京から世界に向けて発信するクリエイティヴ・フォースが始動します。



松浦俊夫 Presents HEX トレーラー映像

  こちらをクリック


収録曲

  • 01. ジャズステップ
  • 02. スイート・フォー・ザ・ヴィジョナリー
  • 03. アンセンサード・ラヴ・トランスミッション
  • 04. ハロー・トゥ・ザ・ウィンド feat. グレイ・レヴァレンド
  • 05. オーサカ・ブルース feat. 中納良恵(EGO-WRAPPIN')
  • 06. ダハシュール・ワルツ
  • 07. トロピカリア 14
  • 08. トーキョー・ブルース feat. エヂ・モッタ

Produced by 松浦俊夫
All Songs Arranged by HEX

佐野観 (key,programming) / みどりん (SOIL&"PIMP"SESSIONS) (ds,per) / 伊藤志宏(p) / 小泉P克人 (b)
Audio Recorded, Edited & Mixed by zAk



先着で「Hello to the Wind」スペシャル・ヴァージョンCD-R

 HMV 店舗およびHMV ONLINE/MOBILEで、『HEX』をお買い上げのお客様に先着で、アルバム収録曲「Hello to the Wind」のここでしか手に入らないスペシャル・ヴァージョンCD-Rをプレゼント!

収録曲:「Hello to the Wind - Z's Groove Dub」

「本格的なレコーディングがスタートした初日のラフ・ミックスを再現した、よりダンサブルなインストゥルメンタル・ヴァージョン。ブレイクの長さをエクステンドするなど、よりフロア・フレンドリーに仕上げました。」
(松浦俊夫)


*特典は無くなり次第終了となります。お早目のご予約・ご購入をおすすめいたします。

  松浦俊夫 プロフィール
  (まつうら としお)

松浦俊夫 1990年にUnited Future Organization (U.F.O.)を結成。
日本に於けるクラブカルチャー創世記の礎を築く。
12年間で5枚のフルアルバムを全世界32ケ国で発売、高い評価を得た。
2002年の独立後も精力的に世界中のクラブやフェスティバルでDJを続ける。
幅広いジャンルのアーティストのリミックスを手掛ける傍ら、ファッションブランド等のコンピレイションやブティックの音楽の監修も行っている。
その世界を舞台に培われた感性とネットワークを駆使し、イベントのプロデュース、コンサルティングや Gilles Peterson, Tomatoなどアーティストのエージェント業務等、その活動は各方面から注目を集めている。
インターFM "Tokyo Moon"(日曜23時半)、好評オンエア中。






松浦俊夫 今後のDJスケジュール


11月29日(金)at bERGAMO

【DJ】TOSHIO MATSUURA
DJ Time 20:00-23:00
No Music Charge
Italian Restaurant bERGAMO / 〒150-0022 渋谷区恵比寿南1-24-2 EBISUFORT 2F
Tel : 03-5725-2555

11月30日(土)CLUB 100 (One Hundred) AT 0 -ZERO-

【DJs】TOSHIO MATSUURA / TR(;SYNTHESIZE /TIMEWARP)
【VISUAL & ARTS】KAZUYA KITAOKA / ATSUSHI TEZUKA / DAISUKE TAKAHASHI / HIROTAKA BUNYA
【SWEETS】UTCHEY
ADMISSION : 2,500YEN(1D ) / 1,500YEN(1D) until 23:00
0 -ZERO- / 東京都渋谷区渋谷2-9-13 AiiA ANNEX Bid. B1F
TEL :03-3797-9933




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