【特集】 NONA REEVES Newアルバム『FOREVER FOREVER』楽曲解説

%%header%%

%%message%%

2014年6月3日 (火)

前作『Pop Station』から約1年、西寺郷太ソロ『テンプルストリート』から約2ヶ月。早くも届けられるNONA REEVESのNewアルバム『FOREVER FOREVER』！バンド史上最高の仕上がりを見せるこの新作を、メンバーの皆さんに楽曲ごとに解説していただきました！

　　　Always On Your Side

2009年秋。いつもマイクやヘッドフォンのサポートしてもらってる「オーディオ・テクニカ」から依頼されて作りました。
2009年と言えば5年前。TBSラジオでのレギュラー番組「キラ☆キラ」が始まった直後に、マイケルが亡くなり、一冊目の本を書くことになるなど激動の年でした。映画「THIS IS IT」が公開される前後、自分も波に飲まれるように多忙になりました。
さぁ、曲作ろうと思った時、自然と「いつも君の味方だった」という、マイケルへの想いにあふれた曲が出て来てしまったのですが、「今じゃない」気がして、寝かせていました。

今回スタジオには似たタイプの別の新曲を持って行ったんですが、小松が「だったら『Always～』やろうよ！」と思いださせてくれて。プロデューサー冨田YT謙さんの助言により、この曲がめでたく復活。
新たに奥田が中間部のブリッジを付け足してくれて完成。アルバムの一曲目を飾るとても、大切な曲になりました。

（西寺郷太）

　　　夢の恋人

去年、ブルーノ・マーズ「トレジャー」を初めて聴いた時に、メラメラと謎の闘志が湧いてきたのを覚えています。その時の気持ちを思い出しながら捻り出したメロディーですが、結果的にはまったく似てなくて、ホッとしたような少し寂しいような…。キラキラ成分は残しつつ、転調以降の魂の高ぶりは、15年前の僕らには表現できなかったフレグランスかなと思います。

（奥田健介）

　　　ガガーリン

2013年1月。シルク・ド・ソレイユとマイケルの「イモータル」を観劇するためモスクワを訪れたんですが、いい意味でカルチャー・ショックで。
僕は、物心ついて観た最初の映画が『ロッキー4』みたいな超・冷戦世代。ゴルバチョフのペレストロイカがあり、ベルリンの壁が崩壊して、ソ連が無くなって「悪」が滅びた！みたいな世代。
実際、モスクワに行ってみると街に歴史がある「古都観」が半端なくて。ちょっと故郷の京都との親和性を感じたというか。少なくともアメリカのサンタモニカのような人工的なムードとは別で。

ロシア、ソ連っぽい歌の比率を上げたいなーなんて思ってた時に、この「ガガーリン」のコサック民謡と「ジンギスカン」が混じったような、チープで濡れたディスコ・リフが思いつきました。
Bメロと後半で繰り返される「着地しない」コード進行は冨田さん考案。最高に好きですね。無重力的で。

「地球は青かった」って、地球を離れて見たから宇宙飛行士のガガーリンさんは言えたわけですよね。ソロを体験したからこそ、NONA REEVESを改めて見つめることが出来たことに繋がるかもしれません。
自分に刷り込まれた先入観みたいなものに疑問を持つことの大切さや、それにより元の平穏な暮らしに戻れなくなる怖さがテーマ。
奥田と小松の生演奏がヤバいくらいカッコいい曲。

（西寺郷太）

　　　土曜の夜は“Happy Sounds”

「夢の恋人」作曲時に、副産物的にふと生まれたメロディー。てらいなく人生讃歌なところと、ほんのり香る、どこか世間ずれしたリゾート感が気に入ってます。軽やかなシンセサウンドの中に時おり出現するディストーションギターは、リゾート地におけるハードロックカフェのイメージです。今考えましたが。

（奥田健介）

　　　高層ビル

2013年にソロ・アルバム用として作った曲のひとつ。最初は打ち込みでミニマルなR&Bバラードを歌いたい、とバックトラックを制作してたんですが、進むにつれて「あ、これNONA REEVESだわ」と思って、ソロには入れませんでした。正解でしたね。
今回、詞やヴォーカルを映画のように、それぞれの曲で「役を演じる」ように振り切って作ったんですが、この感じは20代では出せなかったんじゃないか、と。
スタートから最後の最後まで、演奏が紡ぐ物語性が完璧ですね。

（西寺郷太）

　　　Jr.

初期Beastie BoysだったりFatboy Slimみたいなあっけらかんとしたバカっぽい単なるパーティーチューンを作りたいと思い作りました。
そこに三人が各々representするのがオモロイなってアイデアが浮かびました。

作詞に関しては私が設計図を描き西寺氏に依頼をしました。

（小松シゲル）

　　　Dr. Too Much

水道橋博士主宰のメール・マガジン「メルマ旬報」に一年間小説を連載していました（6月25日、扶桑社から『噂のメロディ・メイカー』刊行）。
2014年1月25日、メルマガの連載陣が集まる「メルマフェス」が開催されたんですが、そのテーマとして作った2014年の最新曲です。

後の世代のマルーン5、メイリー・トッドやブルーノ・マーズを聴いて「ノーナ的な切り口で好きだなー」と思ったことが何度かあるんですが、その感覚の奥底にある「じゃあ、NONA REEVESらしさって、何？」を極限まで追求するのが狙いでした。
歴史上、やっぱり超絶に追い込まれた時にしか生まれない作品の鋭さ、POPさ、ってあると思うんです。今、ほんと忙しくてヤバいんですが、それすらもポジティヴに利用する前向きさ…。
他愛もないポップ・ソングに30年捧げるとここまで来れるぞ、と。プロの仕事で、誇りに思う曲ですね。

（西寺郷太）

　　　君はザナドゥ

アルバム制作も後半になり、冨田さんからの「一曲、モッズっぽいやつ作ってみたら？」のアドバイスを真っ正直に反映させて作曲しました。ストレートに60's的というか。ファレル「ハッピー」の影響もあったかと思います。
Aメロをモゴモゴと歌わせてもらってたり、大サビのウワモノがえげつなく重厚だったり、色々ありますが、何より、あのメロディーに「き～み～は～ザナドゥ～」という言葉が乗った瞬間、空気の色が少し明るく変わったことは忘れられません。

（奥田健介）

　　　the sweetest girl

ある女性グループを、5,6年前にプロデュースすることになって、彼女達のために書いた曲なんですが、その計画が宙に浮きなくなりました。
気にいってた曲なんで残念でしたが、曲の運命って本当にあるんですよね。そうなるべき、ってところに流れてゆく。

今回、冨田さんのアレンジと谷口尚久君の歌詞によって生まれ変わりました。
スパンダー・バレエ、ジョージ・マイケル、シンプリィ・レッド…。大人のブルー・アイド・ソウルへの、オマージュ。
これまた奥田と小松の演奏がヤバいです。

（西寺郷太）

　　　Lucky Guy

2010年に作った歌で、歌詞は英語で書き終えてはいたんですが、今回アルバムの締めくくりに日本語で書きました。

ノーナ最高！って、ことあるごとに言い続けてるんですが、それ実は科学的な意味でも大切なことじゃないかって。言ってるうちに「最高！」になってゆくというか。言葉が深層心理に作用する。

なんか不思議なくらい運がいいなって、いつも思うんです。今回のアルバムも、スケジュールは過去最高に追いつめられましたが、これ以上ないってくらい楽しかったですね。
多分、ストーンズもディランもポールも、音楽皆で作ったり演奏するのが単純に楽しいから長続きしてるだけなんだと思うんですよ。
NONA REEVESも、結局単純に楽しいだけなんですよね。

ノーナ最高！

（西寺郷太）

NONA REEVES 『FOREVER FOREVER』
　[2014年06月04日発売]

常軌を逸した、ポップネス。ヴィンテージの手触りと、今、世界とシンクロする新しいビートを搭載したノーナ・リーヴス、怒濤の名曲満載のニュー・アルバムだ。「ポップ・ミュージックのスポークスマン」としてテレビ、ラジオ、執筆と大活躍、楽曲提供やプロデュースでも様々なアーティストとコラボレーションを続けるヴォーカル西寺郷太をはじめ、ギター奥田健介、ドラム小松シゲルのふたりもプロデューサー/アレンジャー/セッション・ミュージシャンとして音楽シーンになくてはならない存在となっている。そんな「日本のポップ・マスター」3人が、バンド史上最高レベルの瑞々しい化学融合に到達。『FOREVER FOREVER』。今、ここに永遠の傑作が誕生した――。

【HMVオリジナル特典】

NONA REEVES 『FOREVER FOREVER』をお買い上げの方に先着で「ステッカー」をプレゼント！
※先着ですので、なくなり次第終了となります。ご了承ください。
※特典の有無は商品ページにてご確認ください。

収録曲

01. Always On Your Side
02. 夢の恋人
03. ガガーリン
04. 土曜の夜は“Happy Sounds”
05. 高層ビル
06. Jr.
07. Dr. Too Much
08. 君はザナドゥ
09. the sweetest girl
10. Lucky Guy

【NONA REEVES（ノーナ・リーヴス）　プロフィール】

1995年、西寺郷太が自らのソロユニットに“ノーナ・リーヴス”と名づけ、デモを制作。その後早稲田大学の音楽サークルにてドラマー小松シゲル、ギタリスト奥田健介らが合流しバンド編成へ。 1997年ワーナー・ミュージック・ジャパンからメジャーデビュー。2011年ビルボードレコード第一弾アーティストとして発売したカヴァーアルバム『Choice』の反響をうけ、『Choice 2』発売。ソウル/ファンク/80'sポップスetcに影響を受けたその卓越した音楽センスとアレンジ、「聴かせて踊れる！」魅力的なライブにも定評がある。2013年3月6日には4年振りとなるオリジナルアルバム『POP STATION』をリリース。

[関連リンク]

NONA REEVES オフィシャルサイト

西寺郷太 Twitter

奥田健介 Twitter

その他オススメ情報はコチラから！

【インタビュー】 NONA REEVES 『POP STATION』

4年ぶりのオリジナルアルバムにして珠玉のPOP盤『POP STATION』リリース！NONA REEVESの西寺郷太さんにお話を伺いました！ [2013年3月掲載]
【連載】『Choice II by NONA REEVES』楽曲解説

洋楽カヴァー盤第2弾『Choice II by NONA REEVES』！メンバーによる全3回の楽曲解説！ [2012年5月掲載]
【連載】NONA REEVES『“Choice” by NONA REEVESの世界』

NONA REEVES初のカヴァー盤＆ワーナー期ベスト盤の同時リリース記念連載！ [2011年6月掲載]
【インタビュー】 Small Boys 2ndアルバムリリース！

西寺郷太（NONA REEVES）×堂島孝平＝Small Boysが2ndアルバム『Small Boys II』をリリース！今回もアイドルちっくにインタビューしてみたゾ！ [2013年12月掲載]
【インタビュー】 Small Boys 1stアルバムリリース！

西寺郷太（NONA REEVES）＆堂島孝平＝Small Boysの2人にインタビュー！初アルバム『ABCD～』についてアイドルちっくに訊いてみたゾ！ [2012年12月掲載]