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『宮崎駿作品集』の魅力とは!?〜メルマガにて公開中深堀りレビュー!

Sunday, June 15th 2014

  • 【6/15(日)配信号掲載】
    宮崎駿監督による「スタジオジブリ」制作映画の第8作(2008年7月19日公開)。

    崖の上のポニョ

    ★★★★★

    ユーザー評価 : 4.5点 (11件のレビュー)

    DVD

    崖の上のポニョ

    ジブリ

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    深堀りレビュー
    『崖の上のポニョ』は宮崎駿監督による「スタジオジブリ」制作映画の第8作。宮崎駿監督が原作・脚本・監督のすべてを担当したのは『千と千尋の神隠し』(2001年)以来、実に7年ぶりとなった作品です。「ポ〜ニョ、ポ〜ニョ、ポニョ♪」と誰もが口ずさめるかわいいメロディの主題歌も大ヒット!日本中でポニョ・ブームが巻き起こりました!

    ―ポニョ、人間になる!
    海辺の小さな町。「人間になりたい」と願うさかなの子「ポニョ」と、5歳の少年「宗介」の物語。『崖の上のポニョ』はまるで、おとぎ話の世界を絵本で読んでいるような感覚で観ることのできる映画作品です。
    作品全体のモチーフとなっているのは、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『人魚姫』(1836年発表)。「血をなめて人の姿に」、「泡になって消えてしまう」などの原作の要素をうまく用いながら、悲しい「人魚姫」の物語を、宮崎駿監督は素晴らしいハッピーエンドに作り替えています。宮崎駿監督は『9歳の頃初めて読んだ文字の本がアンデルセンの「人魚姫」であり、そこにある<人間には魂があるが、人魚は"物"であり魂を持たない>という価値観に納得が行かなかった事が、遡ればポニョの起点なのかもしれない』と語っています(※ヴェネツィア国際映画祭の記者会見時インタビューより)。

    ―“生きもののような”波の表現。ひしめき合って押し寄せてくる波のイマジネーション。
    宮崎駿監督作品といえば、『天空の城ラピュタ』や『となりのトトロ』、『千と千尋の神隠し』、そしてもちろん最新作『風立ちぬ』も含め多くの作品中に“空を舞う”シーンが描かれることが多くて有名ですが、今回の作品では"海"をとても丁寧に描いています。アニメーションで一番描くのが難しいと言われているのが"火"と"水"。前作『ハウルの動く城』では"火"を描き、本作『崖の上のポニョ』では"水"を描くことに挑戦しているのです。
    宮崎駿監督は2004年11月、「スタジオジブリ」の社員旅行で訪れた瀬戸内海の港町、広島県福山市にある鞆の浦(とものうら)を非常に気に入り、『崖の上のポニョ』制作の準備期間として2005年の春、鞆の浦の海に隣した"崖の上"の一軒家に2ヶ月間滞在。さらに2006年夏には単身でそこにこもったそうです。
    “生きもののような”波の表現。ひしめき合って押し寄せてくる波のイマジネーション。宮崎駿監督のこだわり抜いた作業工程がこの驚くべき生きた"海"の表現力をこの作品にもたらしています。宮崎駿監督は『崖の上のポニョ』制作にあたって、「紙に描いて動かすのがアニメーションの根源。そこに戻ろうと思う。もう一遍、自分たちでオールを漕ぎ、風に帆を上げて海を渡る。とにかく鉛筆で描く。」という方向性を示し作画に関してはCGは一切使わず、すべて手書きによって描かれています。それにより素朴な絵のタッチも活かしながら、動かない部分も含めてコマの数だけ絵を描いている為、生き生きと絵が動くのです。

    ―生まれてきてよかった。
    「スタジオジブリ」作品のキャッチコピーはそのほとんどを糸井重里(※となりのトトロ「このへんないきものはまだ日本にいるのです。たぶん。」※魔女の宅急便「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」※もののけ姫「生きろ。」など)が手がけていますが、『崖の上のポニョ』のキャッチコピー「生まれてきてよかった。」は「スタジオジブリ」の宮崎駿監督の代弁者とも言われる鈴木敏夫プロデューサーが考案したものです。
    これは『風立ちぬ』公開後となる2013年に行われた宮崎駿監督の引退会見の場で監督自身が語った「基本的に子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えるのが、自分たちの仕事の根幹になければならないと思ってきました。」という発言にも重なってくるものがありますね。
    また2009年にカリフォルニア大学の講演で行われた宮崎駿監督のインタビューではこうも語っています。「ポニョの映画の中では、津波が破壊的には働かないで、町を綺麗にして、人の心まで綺麗にするという、不思議な魔法になってます。それはその、本当にあるかないかではなくて、私の願いそのもの。」
    『崖の上のポニョ』は宮崎駿監督の願いそのものが込められた新しい「人魚姫」の物語。そして、今も、これからも、生まれてくる"すべての子供たち"に向けて遺してくれた、現代を生きる「新しい童話」なのでしょう。

    宗介が通う「ひまわり園」や隣の「ひまわりの家」にはグラジオラスの花が咲いています。グラジオラスの花言葉は「情熱的な恋・思い出・努力・忘却」。宮崎駿監督は美術設定において、このグラジオラスを登場させることに強くこだわったそうです。物語のテーマを表現する上で非常に重要な役割を担っています。グラジオラスはこどもの頃に幼稚園や保育園などで球根から育てた経験がある方も多いのではないでしょうか?

    ちなみに主人公「宗介」の名前は、夏目漱石の小説『門』の主人公「崖の下の家にひっそりと暮らす野中宗助」から取られています。『ハウルの動く城』制作後に宮崎駿監督は、夏目漱石全集を読みふけっていたそうです。また初期の作品『草枕』からテート・ブリテンに所蔵されているミレイの魔性の絵“オフィーリア”に興味をもった宮崎駿監督は、実際に訪英しこの絵を目の当たりにし衝撃を受けます。その体験から「精度を上げた爛熟から素朴さへ舵を切りたい」との決断を示したとのことです。そして『崖の上のポニョ』制作が始まります。
    また「ポニョ」の本名は「ブリュンヒルデ」となっていますが、これは「ワルキューレ」という空駆ける9人の乙女たちの"長女の名前"。宮崎駿監督は『崖の上のポニョ』構想中に楽劇『ニーベルングの指環』4部作の2作目「ワルキューレ」を聞いていたとのことです。また映画ではワルキューレの第3幕の音楽「ワルキューレの騎行」が引用された「ポニョの飛行」という楽曲も!こちらはサウンドトラックを要チェックです。余談ですが「ワルキューレの騎行」といえば、巨匠フランシス・コッポラの映画作品『地獄の黙示録』で使用されていることでも有名ですね。

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    崖の上のポニョ 『崖の上のポニョ』―サウンドトラック。「ワルキューレの騎行」を引用した「ポニョの飛行」という楽曲も!
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    崖の上のポニョ 


    ハンス・クリスチャン・アンデルセン / 人魚姫 作品全体のモチーフとなっているのは、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話『人魚姫』(1836年発表)。
    Book

    ハンス・クリスチャン・アンデルセン / 人魚姫 

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