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シュテンツのシェーンベルク『グレの歌』

2015年5月21日 (木)

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シェーンベルク:『グレの歌』
シュテンツ&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、総勢450名による演奏!


ドイツの指揮者、マルクス・シュテンツは2003年にケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の音楽監督に就任し、2008年には契約を2014年まで延長、11年間に渡って着実な成果を積み重ねました。その任期の終わり、2014年6月の告別コンサートで取り上げて大きな話題となったのがこの『グレの歌』。
 今回、イギリスのハイペリオン・レーベルから登場することになったこの音源は、ライヴ録音という記載はないものの、収録日については、コンサートの実施日と同じ2014年6月1日から4日と表記されているので、おそらくライヴ録音主体と思われます。
 プロデューサーとエンジニアは、エームス・レーベルのマーラー8番などと同じくイェンス・シューネマンとクリスティアン・フェルトゲンのコンビ。450名という大編成の演奏を、オーケストラと声楽のバランスが適切な、克明かつ迫力あるサウンドに仕上げているのが印象的。フルート8人、ホルン10人などケタ違いの巨大編成ゆえ録音の難しいこの作品ですが、サンプル音源を聴く限りでは、数あるこの作品の録音の中でも、生々しいリアルさではトップクラスの質感となっています。

【マルクス・シュテンツ】
マルクス・シュテンツ[1965- ]は、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェにその才能を見出されたドイツの指揮者で、現代音楽の分野ではすでに注目すべき実績を持っています。
 現在、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の首席指揮者(ケルン歌劇場音楽監督兼務)を務め、マーラーの交響曲全曲シリーズを録音するなど、若き日にタングルウッドでバーンスタインに師事したことも影響しているのか、マーラーに深い理解と関心を示してきました。

【グレの歌について】
『グレの歌』は、実在のデンマーク国王ヴァルデマール(在位1157-1182年)をめぐる伝説にもとづいています。国王とその愛人トーヴェとの、悲しくもグロテスクな物語のあらましは以下の通りです。
 この手の寓話に良くあるパターンですが、国王ヴァルデマールには嫉妬深くわがままな妃ベヴィヒがおりました(出演はナシ)。嫌気がさしたヴァルデマールは、トーヴェという美しく気立ての良い女性を愛人とし、グレの地にある狩猟用の城郭で逢瀬を重ねます。
 以上が第1部のオーケストラ間奏までに描かれる部分で、間奏後に現れる『グレの歌』随一の人気曲、「山鳩の歌」では、山鳩がトーヴェの死と悲しむ王について伝え、トーヴェの死は、不倫を知った妃による毒殺であると歌います。(以上、第1部)。
 短い第2部では、ヴァルデマール王が激昂して神を呪い、それが原因で天罰によって落命する様子が描かれます。
 第3部は、昇天することが許されないヴァルデマール王の魂が、家来である大勢の兵士の幽霊を引き連れ、トーヴェの魂を求めて夜な夜なグレの地を徘徊する場面で始まります。
 時は流れ、夏の嵐に替わって実りの秋が到来。収穫の季節にふさわしく農夫も登場し、やがて道化師と語り手も登場して、幽霊たちの壮絶な男声合唱を交えながらも、二人の魂の救済に向けて盛り上がりをみせます。
 最後は混成8部合唱による壮大な太陽の賛歌となっており、女声合唱の参加による色彩の変化が、魂の救済の可能性について暗示しているかのようです。

 この作品は最初、シェーンベルクがまだ若い頃に一編の歌曲として書き上げられ、その後巨大化の道を歩んだという後期ロマン派風の作品。ワグネリズムの影響、特に『神々のたそがれ』や『さまよえるオランダ人』を髣髴とさせる場面があるなど、シェーンベルクらしからぬ親しみやすさと、通常のレパートリーではおそらく最大音量と言われるその迫力ある音調、および変化に富む曲調から、これまでにも注目すべきレコーディングがいくつもおこなわれてきました。
 オーケストレーションするにあたり、シェーンベルクが48段の五線紙を特注したというエピソードはよく知られるところで、その編成は、ティンパニ6、バスドラム、スネアドラム、ガラガラ、タム・タム、それにハープ4ほかを含む150人近い巨大なオーケストラに、5人の独唱者、3群の男声四部合唱、混声八部合唱を加えた300人近い声楽陣を要するという大規模なものです。(HMV)

【収録情報】
● シェーンベルク:『グレの歌』[107:59]

Disc1
第1部 [59:18]
1.オーケストラ序奏 [6:28]
2.「いま黄昏が訪れて」(ヴァルデマール) [4:00]
3.「おお、月光が静かに滑るように輝き」(トーヴェ) [3:10]
4.「馬よ!わが馬よ!なぜそんなにぐずぐず走る!」(ヴァルデマール) [2:54]
5.「星が歓呼し、輝く海は」(トーヴェ) [2:23]
6.「神の玉座の前で舞う天使たちの踊りも」(ヴァルデマール) [2:38]
7.「いま私はあなたに初めて申します」(トーヴェ) [4:11]
8.「真夜中だ」(ヴァルデマール) [6:20]
9.「あなたは私に愛の眼差を送り」(トーヴェ) [5:26]
10.「不思議な娘トーヴェよ!」(ヴァルデマール) [3:50]
11.オーケストラ間奏 [5:47]
12.「グレの鳩たちよ!心配事が私を苦しめている」(山鳩) [12:11]

Disc2
第2部 [05:15]
1.「神よ、あなたは自分が何をしたか、ご存知なのか」(ヴァルデマール) [5:15]
第3部 [43:26]
2.荒々しき狩「目覚めよ、ヴァルデマール王の家来たち!」(ヴァルデマール) [2:56]
3.荒々しき狩「棺の蓋がパタパタと開いては閉じる」(農夫) [3:27]
4.荒々しき狩「ようこそ王よ、グレの浜辺へ!」(ヴァルデマール王の家来たち) [4:56]
5.荒々しき狩「トーヴェの声で森はささやき」(ヴァルデマール王) [3:27]
6.荒々しき狩「鰻のような奇妙な鳥」(道化のクラウス) [7:02]
7.荒々しき狩「天上の厳しい審判者よ」(ヴァルデマール) [2:21]
8.荒々しき狩「雄鶏が時を告げようと頭を上げる」(ヴァルデマール王の家来たち) [6:00]
9.夏風の荒々しき狩 (メロドラマ) オーケストラ序奏〜「ハタザオ夫人もアカザ氏も大急ぎで身を隠せ」(語り手)〜「見よ、太陽!」 (混声合唱) [13:17]

 バルバラ・ハーフェマン(ソプラノ/トーヴェ)
 ブランドン・ジョヴァノヴィチ(テノール/ヴァルデマール)
 トーマス・バウアー(バリトン/農夫)
 ゲルハルト・シーゲル(テノール/道化のクラウス)
 クラウディア・マーンケ (メゾ・ソプラノ/山鳩)
 ヨハネス・マルティン・クレンツレ(語り)
 オランダ・フィメール・ユース合唱団
 ケルン大聖堂カントライ
 ケルン大聖堂合唱団男声合唱
 ケルン大聖堂声楽アンサンブル
 ケルン・バッハ=フェライン合唱団
 ケルン・カルトジオ・カントライ
 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
 マルクス・シュテンツ(指揮)

 録音時期:2014年6月1-4日
 録音場所:ケルン、フィルハーモニー
 録音方式:ステレオ(デジタル)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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『グレの歌』 シュテンツ&ケルン・ギュルツェニヒ管、ケルン大聖堂声楽アンサンブル、ジョヴァノヴィチ、他(2CD)

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シェーンベルク(1874-1951)

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発売日:2015年06月11日
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