【訃報】アラン・カーティスさん

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2015年7月16日 (木)

ヘンデル復興の重要人物、アラン・カーティスさん死去

指揮者、チェンバロ奏者、オルガン奏者、音楽学者として知られるアラン・カーティスさんが、7月15日、イタリアのフィレンツェで亡くなられました。80歳でしたがまだ現役で活動していたさなかの突然の訃報です。心よりご冥福をお祈りいたします。

【プロフィール】
1934年11月17日、アラン・スタンリー・カーティスはミシガン州のメイソンに誕生。イリノイ大学大学院で鍵盤音楽の論文により博士号を取得したカーティスは、その少し前にアムステルダムでグスタフ・レオンハルトに師事しています。ちなみに、博士論文はオランダの作曲家スヴェーリンクを詳細に研究したもので、その後のスヴェーリンク解釈に大きな影響を与えることになったということです。
　カーティスは研究者・教育者としてそのキャリアをスタートして実績を積み、35歳でカリフォルニア大学バークレー校教授に就任。その間、実演や録音などの活動もおこなうようになり、研究・演奏の両面から古楽にアプローチ、やがてバロック・オペラの復元という大仕事も手がけるようになります。
　1977（1979？）年、42歳のときにアムステルダムで古楽器アンサンブル「イル・コンプレッソ・バロッコ」を創設すると軸足を演奏活動に移し、以後、亡くなるまでの36年間に渡り、得意のヘンデルのほか、モンテヴェルディ、ディンディア、ジェズアルド、ポルポラ、ヴィヴァルディ、コンティ、ハイドンといった作品に取り組んでレコーディングもおこなっていました。
　ヘンデル復興に大きな役割を果たしたアラン・カーティスということで、レコーディングの代表作も世界各国で賞をとるなど評価の高かった一連のヘンデル作品になるものと思われますが、豊かなアイデアが投入されたバッハの鍵盤楽器作品などの演奏もたいへん魅力的な聴きものとなっています。（HMV）