『マタイ受難曲』の音楽をもとに復元されたレオポルト侯のための葬送音楽
2015年11月22日 (日)
アレクサンダー・グリヒトリーク/バッハ:レオポルト侯のための葬送音楽
ドイツのチェンバロ奏者・指揮者・音楽学者のアレクサンダー・グリヒトリークによる意欲的なバッハ・アルバムがドイツ・ハルモニア・ムンディから登場します。
消失した『レオポルト侯のための葬送音楽』の復元は、これまでも試みられていました。バッハは、アンハルト=ケーテン侯レオポルト[1694-1728]の宮廷で、1717〜23年の間楽長を務めていました。この曲はバッハのよき理解者であったレオポルトのために、1729年に行われた彼の葬儀のために作曲・演奏されたこととなっています。楽譜は消失していますが歌詞は残されており、その歌詞は『マタイ受難曲』のアリアに見事あてはまることから、『マタイ受難曲』の音楽をもとに復元が可能で、グリヒトリークによる復元もこれを元にしています(ペータースから校訂譜も出版されています)。
しかしグリヒトリークによると、「部分的に合唱のテキスト、そして和声進行があわない場所がある」ということで、彼のバッハ音楽研究、鍵盤楽器奏法、音楽構成など鑑みて、新たに構成し直したということです。悲しみや祈りの要素が強いマタイ受難曲に対して、これまでのレオポルト侯の功績や感謝を表わすテキストによるこの「葬送音楽」は、深いものというよりは清々しささえ感じる音楽だったことが発見されたとのこと。この録音前に行われたコンサートでは、バッハ学者をはじめ専門家によるプレスも絶賛しています。その新しい復元・解釈が今作でCDとして刻まれました。(DHM)
【収録情報】
● J.S.バッハ:レオポルト侯のための葬送音楽 BWV.244a(グリヒトリーク復元版)
グズルン・シドニー・オットー(ソプラノ)
ダーフィト・エーラー(カウンターテナー)
ハンス・イェルク・マンメル(テノール)
ダニエル・オチョア(バス)
ドイツ・ホーフムジーク合唱団
ドイツ・ホーフムジーク(ピリオド楽器オーケストラ)
アレクサンダー・グリヒトリーク(指揮)
録音時期:2014年9月
録音場所:ケーテン、聖ヤコプ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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