カウフマンが『大地の歌』を単独歌唱で録音。共演も豪華
2017年2月20日 (月)
マーラー:大地の歌
ヨナス・カウフマン、ジョナサン・ノット&ウィーン・フィルハーモニー
驚きの録音の登場。『大地の歌』をテノールのカウフマンひとりで歌いきるという凄い企画です。カウフマンの『大地の歌』といえば、2011年のマーラー没後100周年記念演奏会で、アバド指揮ベルリン・フィルと共演したことが話題になりましたが、そのときは偶数楽章女声ヴァージョンで、オッターが歌っていました。
通常は「テノール&アルト」、もしくは「テノール&バリトン」によって歌われる『大地の歌』ですが、カウフマンはもともとダークで力強く太めの声の持ち主ということもあって、バリトン音域もカヴァーできるということなのでしょうか。思い切ったアプローチとも思えますが、共演オーケストラは、これまで数多くの『大地の歌』の名盤を生み出してきたウィーン・フィルということで、勝算ありとみての大胆な企画なのではないかと思われます。
ちなみにこの企画のコンサートとレコーディングの指揮は当初はダニエレ・ガッティが予定されていましたが、肩の故障によりキャンセルとなったため、ジョナサン・ノットが起用されています。ノットは、昨年交響曲全集もリリースし、すでにマーラーのエキスパートとしても世評の高い指揮者なので、成果に期待のかかるところです。
【大地の歌】
壮大壮麗な『千人の交響曲』を完成させたマーラーが次に向かったのは、前作とはまったく異なる「異国趣味」の世界でした。
きっかけは友人から贈られた一冊の詩集『中国の笛』。これはハンス・ベートゲが、ハンス・ハイルマンによるドイツ語訳『中国叙情詩集』から選んだ詩を編みなおしたドイツ語詩集で、そのハイルマンの『中国叙情詩集』そのものも、フランス語や英語に訳された漢詩が元ネタになっているものもあるという具合でした。
さらに、ベートゲはそれらの漢詩の一部の「情景」を「人間」に置き換えるなどヨーロッパ的なわかりやすいドラマ性を持ち込んだりし、さらにマーラーはそういった複数の詩をつないでしまったり、最後には自分のテキストを追加したりした結果、元来の包括的な陰陽二元論的世界は、西欧的でシンプルな二元論の世界へと読み替えられ、原詩の世界とは遠くかけ離れてしまった面もあるようです。
もっとも、当時の欧州で流行をみせていたシノワズリーやジャポニズムといったオリエンタリズムそのものが、概して対象とした文化の表層のみを模倣し、それをヨーロッパ的な嗜好で換骨奪胎したうえで受容し、楽しんでいたものであったことを考えれば、『大地の歌』に取り込まれた「中国の詩」「中国風な詩」「中国風な旋律やリズム」といった諸要素も、様々な「引用」をおこなってきたマーラーにとっては、作品創造のいちプロセスに過ぎなかったのかもしれません。
しかし、実際のところ、この作品から感じられる東洋・西洋ないまぜになった独特の雰囲気、日常性の中に穏やかな達観が織り込まれたテキストの魅力にはやはり抗いがたいものがあり、マーラーとしてもその魅力をなんとか自身の音楽に盛り込みたかったのではないでしょうか。
ともかく、この歌曲とも交響曲ともつかないマーラーの『大地の歌』が書かれたとき、まだマーラーは40代であり、メトロポリタン・オペラにも招かれ、翌年にはニューヨーク・フィルの指揮者となることも決まっており、新天地への期待に胸がふくらんでいる時期でもあったのです。
【ジョナサン・ノット・プロフィール】
ジョナサン・ノットは1962年のクリスマスに、ウースター大聖堂の司祭の息子として誕生。ケンブリッジ大学で音楽を収め、マンチェスターの王立音楽ノーザン・カレッジでフルートと歌を、ロンドンで指揮を学んでいます。
1989年フランクフルト歌劇場、1991年ヴィースバーデン州立歌劇場とカペルマイスターを務め、1997年にはルツェルン交響楽団首席指揮者に就任、ほどなくアンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督にもなりますが、2000年1月にバンベルク交響楽団の音楽監督になると、アンサンブル・アンテルコンタンポランの方は、首席客演指揮者に変更し、バンベルク交響楽団での活動に注力することとなります。
ノットは最初、ドイツの伝統的な指揮者の典型ともいえるカペルマイスター的なキャリアを積み、一方で、現代音楽も得意だった彼は、アンサンブル・アンテルコンタンポランで多くの新作初演を手がけ、あるテーマのもと、クラシックと現代音楽をカップリングしたコンサートを制作するなど、そのユニークな姿勢が幅広い聴衆から支持されていました。
レコーディングにもノットの多彩な才能は反映されており、これまでにベルリン・フィルを指揮したリゲティの2枚の作品集(Teldec)や、アンサンブル・アンテルコンタンポランとのエマヌエル・ヌネス作品集(Accord)、ヘルムート・ラッヘンマン作品集(Kairos)、ジョン・アダムズのDVD(ARTHAUS)、クセナキス、ベリオほかの作品集(BIS)、ワイル、ヴェレス、シュテファン作品集(PAN)といった現代作品や、バンベルク交響楽団とのブルックナーの交響曲第3番、シューベルト交響曲集、シューベルト・エピローグ(現代作曲家がシューベルトを題材に編曲・作曲したもの)、ヤナーチェク、ストラヴィンスキーなどがリリースされています。(HMV)
【収録情報】
● マーラー:大地の歌
第1楽章:大地の哀愁に寄せる酒の歌
第2楽章:秋に寂しき者
第3楽章:青春について
第4楽章:美について
第5楽章:春に酔える者
第6楽章:告別
ヨナス・カウフマン(テノール)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ジョナサン・ノット(指揮)
交響曲最新商品・チケット情報
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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輸入盤
『大地の歌』 ヨナス・カウフマン、ジョナサン・ノット&ウィーン・フィルハーモニー
マーラー(1860-1911)
価格(税込) :
¥2,750
会員価格(税込) :
¥1,703
まとめ買い価格(税込) :
¥1,703
通常ご注文後 2-3日 以内に入荷予定
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『大地の歌』 ヨナス・カウフマン、ジョナサン・ノット&ウィーン・フィルハーモニー
マーラー(1860-1911)
価格(税込) :
¥2,860
会員価格(税込) :
¥2,631
まとめ買い価格(税込) :
¥2,431
通常ご注文後 2-3日 以内に入荷予定
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輸入盤
『冬の旅』 カウフマン、ドイチュ
シューベルト(1797-1828)
ユーザー評価 : 3.5点 (3件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,750
会員価格(税込) : ¥2,393発売日:2014年02月18日
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販売終了
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輸入盤
オペラ・アリア集、ヴェーゼンドンク歌曲集 ヨナス・カウフマン、ドナルド・ラニクルズ&ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
ワーグナー(1813-1883)
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,640
会員価格(税込) : ¥2,297
まとめ買い価格(税込) : ¥1,980発売日:2013年02月01日
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輸入盤
ヴェリスモ・アリア集 ヨナス・カウフマン、パッパーノ&聖チェチーリア国立音楽院管
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,640
会員価格(税込) : ¥2,297
まとめ買い価格(税込) : ¥1,980発売日:2010年10月08日
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輸入盤
『美しき水車小屋の娘』 カウフマン、ドイチュ
シューベルト(1797-1828)
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,640
会員価格(税込) : ¥2,297
まとめ買い価格(税込) : ¥1,980発売日:2009年10月02日
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輸入盤
ドイツ・オペラ・アリア集 カウフマン、アバド&マーラー・チェンバー・オーケストラ
価格(税込) : ¥2,640
会員価格(税込) : ¥2,297
まとめ買い価格(税込) : ¥1,980発売日:2009年09月01日
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輸入盤
ロマンティック・アリア集 カウフマン(T)アルミリアート&プラハ・フィル
価格(税込) : ¥2,640
会員価格(税込) : ¥2,297
まとめ買い価格(税込) : ¥1,980発売日:2008年01月15日
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販売終了
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輸入盤
『DOLCE VITA〜トリノ・ライヴ2016+ドキュメンタリー』 ヨナス・カウフマン、ヨッヘン・リーダー&イタリア国立放送交響楽団
価格(税込) : ¥5,390
まとめ買い価格(税込) : ¥4,150発売日:2016年11月29日
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輸入盤
『帰れソレントへ〜イタリアの歌』 ヨナス・カウフマン、アッシャー・フィッシュ&パレルモ・マッシモ歌劇場管弦楽団
価格(税込) : ¥2,750
会員価格(税込) : ¥2,393発売日:2016年10月07日
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販売終了
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輸入盤
『アンドレア・シェニエ』全曲 マクヴィカー演出、パッパーノ&コヴェント・ガーデン王立歌劇場、カウフマン、他(2015 ステレオ)
ジョルダーノ (1867-1948)
価格(税込) : ¥3,300
まとめ買い価格(税込) : ¥2,541発売日:2016年09月09日
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輸入盤
『フィデリオ』全曲 グート演出、ヴェルザー=メスト&ウィーン・フィル、カウフマン、ピエチョンカ、他(2015 ステレオ)
ベートーヴェン(1770-1827)
価格(税込) : ¥3,949
まとめ買い価格(税込) : ¥3,752発売日:2016年07月01日
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販売終了
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輸入盤
『フィデリオ』全曲 フリム演出、アーノンクール&チューリッヒ歌劇場、カウフマン、ニールンド、他(2004 ステレオ)
ベートーヴェン(1770-1827)
ユーザー評価 : 3.5点 (2件のレビュー)
価格(税込) : ¥4,609
まとめ買い価格(税込) : ¥3,596発売日:2016年04月27日
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輸入盤
ヨナス・カウフマン/初期オペラ録音集〜マルシュナー:『吸血鬼』より、アーベルト:『エッケハルト』より
価格(税込) : ¥3,353
会員価格(税込) : ¥2,917
まとめ買い価格(税込) : ¥2,515発売日:生産中止
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販売終了
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輸入盤
マスカーニ:カヴァレリア・ルスティカーナ、レオンカヴァッロ:道化師 ティーレマン&シュターツカペレ・ドレスデン、カウフマン(2015 ステレオ)
マスカーニ、レオンカヴァッロ
ユーザー評価 : 4点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥3,949
まとめ買い価格(税込) : ¥3,752発売日:2016年03月18日
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輸入盤
『運命の力』全曲 クシェイ演出、アッシャー・フィッシュ&バイエルン国立歌劇場、カウフマン、ハルテロス、テジエ、他(2013 ステレオ)
ヴェルディ(1813-1901)
ユーザー評価 : 3.5点 (2件のレビュー)
価格(税込) : ¥3,949
まとめ買い価格(税込) : ¥3,752発売日:2016年03月11日
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輸入盤
『プッチーニの夕べ』 ヨナス・カウフマン、J.リーダー&スカラ座フィル
プッチーニ (1858-1924)
価格(税込) : ¥5,280
まとめ買い価格(税込) : ¥4,066発売日:2016年01月08日
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輸入盤
『西部の娘』全曲 マレッリ演出、ヴェルザー=メスト&ウィーン国立歌劇場、ステンメ、カウフマン、他(2013 ステレオ)
プッチーニ (1858-1924)
ユーザー評価 : 4点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥3,729
まとめ買い価格(税込) : ¥3,543発売日:2015年11月27日
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販売終了
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輸入盤
『マノン・レスコー』全曲 ケント演出、パッパーノ&コヴェント・ガーデン王立歌劇場、クリスティーネ・オポライス、ヨナス・カウフマン、他(2014 ステレオ)
プッチーニ (1858-1924)
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥3,949
まとめ買い価格(税込) : ¥3,752発売日:2015年10月09日
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販売終了
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輸入盤
交響曲全集(第1〜9番) ジョナサン・ノット&バンベルク交響楽団(12SACD)
マーラー(1860-1911)
価格(税込) :
¥21,010
会員価格(税込) :
¥7,290
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販売終了
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