激ロック×HMV&BOOKS online vol.100

GENRE：POP PUNK, PUNK ROCK
不変のDizzy Sunfist節を磨き上げ、ファニーさも交えて駆け抜ける
包容力を湛えた3年9ヶ月ぶりのニュー・アルバム
前アルバム『DREAMS NEVER END』から3年9ヶ月ぶりになる3rdアルバム『DIZZYLAND -To Infinity & Beyond-』。バンドとして変化の時を迎えていくが、アグレッシヴなサウンド、迸るパワーやポジティヴィティ、姿勢をグッド・メロディで遠くまで飛ばしていくディジー節は不変だ。そしてその武器を丹念に磨き、さらにファニーさも交えて全12曲を駆け抜けていく。コロナ禍で奪われた大事な居場所、ライヴハウスや自由な楽しみを取り戻そうとこぶしをふるい、挑戦し続け、迷いを抱えながらも進んでいく君の味方になり、時に力んだ肩をほぐして凸凹の人生を丸ごと愛してくれる。2020年代のメロディック・パンクとしての輝きと矜持が眩しいアルバムだ。
吉羽 さおり 【ライター推薦】

GENRE：ELECTRONICORE, LOUDROCK
抜群の存在感放つ新メンバー 有馬えみりを迎えたPassCode
4人の渾身の叫びが詰まった最強ラウド鳴らす、新体制第1弾作品
メンバーに有馬えみりを迎えた新体制の第一声となる「Freely」は、重厚なギター・リフとパワフルなシャウトで切り開くラウドでスピード感のあるナンバー。PassCodeサウンドの武器のひとつであるシャウト・パートをバトンタッチされた有馬が、その存在感を放つ曲になっている。以前在籍していたグループで培ったシャウト、グロウルを存分に発揮しており自己紹介曲としてのインパクトは抜群で、爆音と美メロ、カラフルなヴォーカルを継ぎながら自由自在にリスナーを翻弄する。「FLAVOR OF BLUE」もよりラウドにロックに、また攻撃的でダンサブルにと展開していく爆発力が凄まじい。重戦車的に驀進するサウンドと、そのヘヴィさの中でより美しく輝く歌声に4人の心意気を感じる。
吉羽 さおり 【ライター推薦】

GENRE：LОUDROCK, POP ROCK
歌い手／クリエイター luz、多彩なアーティスト＆プロデューサー参加曲表現し
ネット・シーンとロック、バンド・シーンの架け橋に
2010年に動画サイトに初投稿し、ファン・ベースを築きながら横アリでイベントを開催するなど、活動規模を大きくしているluz。今作は堀江晶太（PENGUIN RESEARCH）をプロデューサーに迎え、山中拓也（THE ORAL CIGARETTES）や明希（シド）といったバンドのソングライターから、音楽プロデューサー ケンカイヨシ、そしてすりぃやかいりきベアといったボカロPなどが楽曲提供した。また初めて作詞曲を手掛けた「Rose」、「棘 FAITH Ver.」も収録し、新たな挑戦や表現の枠を広げていく意欲的なアルバムになっている。ヘヴィなサウンドからゴージャスな歌謡ロック、ダーク・ファンタジー的な濃い音世界と、そこに情緒的で繊細な物語を綴っていくヴォーカルが冴える。
吉羽 さおり 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, HARD ROCK
“ファイナルファンタジーXIV”のオフィシャル・バンド、THE PRIMALS
メイン・ヴォーカルにSam Carter（ARCHITECTS）迎えた、最新拡張パッケージ主題歌
人気ゲーム“ファイナルファンタジーXIV”でサウンド・ディレクターを務める祖堅正慶を中心に、2014年に結成された同作オフィシャル・バンド THE PRIMALS。これまでゲーム内に登場してきた数々の楽曲をロック・アレンジし、全世界でライヴを展開してきた彼らが、最新拡張パッケージ“暁月のフィナーレ”の主題歌として、初めてゼロから楽曲制作を手掛けたナンバー。メイン・ヴォーカルにARCHITECTSのSam Carterを迎え、伸びやかな歌声と激しいスクリームを聴かせる今作は、“希望”の在り処へとダイナミックに飛躍していくような1曲になった。辣腕のプレイヤーによる骨太なバンド・アンサンブルはゲーム・ファンのみならず、ぜひロック・ファンにも届いてほしい。
秦 理絵 【ライター推薦】

GENRE：MIXTURE ROCK
“TOKYO GIRLS MIXTURE”を掲げるアイドル・グループ、Pimm's
メンバーそれぞれの感情を濃縮した、現体制初アルバム
アイドルだけではなく、ロック・バンドとも積極的に対バンを繰り広げる彼女たちが新6人体制で初になるニュー・アルバムを完成。“TOKYO GIRLS MIXTURE”と自ら看板を掲げている通り、バラエティに富んだ明快な楽曲はどれもキャッチーな魅力に溢れている。軽快でノリのいいものからデジタル調のヘヴィな曲調まで取り揃え、また、悔しさや悲しみをバネにしたエモーショナルな歌詞も幅広いリスナーに刺さりそう。歌やラップも自在に乗りこなし、ライヴの絵が浮かぶ溌剌としたエネルギーも素晴らしい。メンバーの歌のパートは今作のために変更したらしく、ライヴで聴き慣れた楽曲もまた新鮮に聴こえるだろう。ダンサブルな「JUST GO MY WAY」を筆頭にキラキラした輝きを放つサウンドは必聴！
荒金 良介 【ライター推薦】

GENRE：ROCK
コロナ禍と対峙し再認識した、鮮烈な初期衝動をパッケージした最新アルバム
反骨精神ここに在り。例えば、パンク・ロックはかつての英国において抑圧されていた労働階級の人々の間から、自由を求めるひとつの手段として生まれたものだったというが、コロナ禍によって自由を奪われてしまった状況下で生まれた曲だと考えると、今作1曲目の「Wake Up!」から感じるのはまさにバキバキのロック魂であり、リアルな反骨精神にほかならない。鈍ることなく、色あせることなく、今もひたすらに尖り続けるJの熱き血潮がそのまま音になったかのような今作は、実にオトナゲナイのが素晴らしい。また、ナマ音だけが持つダイナミズムと繊細さ、奥深さまでが感じられるような赤裸々サウンドの持つ説得力も申し分なし。おこもり続きで寝ぼけていた我々には、今このくらいの刺激が必要だ。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
O-EAST公演を控え勢いを加速中の零[Hz]
ネクスト・フェーズ示すニュー・シングルをドロップ
飛びつくなら今だ。2022年に向けて、このバンドはここから必ずやハネてくることだろう。伸びやかなROYの歌声に、コンポーザー Leoの作る楽曲クオリティの高さ、明確なメッセージ性を持った歌詞、各楽器陣の地に足のついた演奏ぶり。それらが揃っているおまけに、見た目まで華やかとくればこれはもうお買い得もいいところ。実際、今夏に初めてライヴを観てこのバンド持つポテンシャルは相当なものだと見受けたが、そんな彼らが今まさに実施中の全国ツアーと、来たる1月11日に控えている渋谷Spotify O-EASTでのツアー・ファイナルを見据えたうえで作ったというこのシングルは、零[Hz]の持つおいしい部分とこれまでにない新機軸的な部分を凝縮した1枚にして、彼らの光ある未来を予兆させる1枚でもある。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, HEAVY ROCK
生粋のライヴ・バンドが繰り広げる“究極的”なライヴを映像にて追体験せよ
lynch.がインディーズにいた14年ほど前、“lynch.はそのときに最高のものを提示する、ということを常に前提として活動している”と玲央（Gt）が取材にて発言したことがあったが、驚くことにlynch.は今もその姿勢を貫き通している。そんな彼らのスタンスは今作でもひしひしと感じられるはず。本来であれば昨春に開催されるはずだった、アルバム『ULTIMA』の世界を体現していくツアーを彼らは今年に入ってライヴハウスとホールの両方で行っており、今作はそのうちホールでの初日をまるっとパッケージしたものとなる。実際にこのライヴは生でも観たが、こうして映像で改めて観てもやはりいい。なんなら、現場ではわかりにくかった各人の手元や細かい表情もよくわかる。セトリも胸熱。まったく何度惚れさせるんだ！
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, MIXTURE
確かな表現力とこだわりを示す、マンウィズ約3年半ぶりオリジナル・フル・アルバム
約3年半ぶりとなるオリジナル・フル・アルバム。映画やドラマ、アニメ、CMといった多くのタイアップ曲が収録されているので、すでにおなじみの楽曲も多いが、もちろん新曲もアツい！ 彼ららしいこだわりが感じられる内容で、日本語詞がグッとくるマンウィズ流歌モノロックの王道的な「yoake」に始まり、AC/DCのカバー曲「Thunderstruck」は有名なリフを存分に生かしつつ、近未来風のダンサブルなアレンジに仕立てていて新しい。また、疾走感のあるナンバー「クラクション・マーク」や、変則的なビートがクセになる「Subliminal」もライヴで盛り上がりそうな楽曲だ。バンドの表現力の確かさがわかる「Anonymous」で、しっとりと聴かせてラストを締めるのも気持ちいい。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：METAL
ex-Disqualiaのフロントマン、IBUKIが改めてメタルに回帰
クリエイターとしての存在感も示す、まさに“エモい”新作完成
先祖返りをした、ということなのだろうか。1作目の『ExMyself』から約3年ぶりとなる今作は、もともとガールズ・メタル・バンドのDisqualiaのフロントマンを務めていたIBUKIが、今改めてソロ・アーティストとして“メタル”に向き合いながら制作していったものなのだとか。ジャパメタ調の哀切漂うメロディと私小説的な別れの物語をしたためた歌詞が絶妙に絡み合うリード曲「See You Again」をはじめとして、ヴォーカリストとしてのみならずクリエイターとしての存在感も強く感じられる楽曲たちは、どれも粒ぞろい。なお、坂本冬美嬢に歌われることでヒットしたビリー・バンバンの「また君に恋してる」カバーでは小林信一氏（地獄カルテット）がギターにて参加。タイトル通り、非常にエモい1枚だ。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：HEAVY ROCK, METAL
自らベース＆ヴォーカルとしての立場を明確にし
大胆なシフト・チェンジに成功した、1stシングル『A LONELY DIVER』
人間が本当の意味で“ひとりでできるもん！”と腹をくくれるようになるには、それなりの経験や経過が必要だ。多数のゲストVoを迎えての初アルバムから、かれこれ半年。青色壱号はここに来て主宰者である一ノ瀬が自らベース＆ヴォーカルとしての立場を明確にし、このシングルをもって大胆なシフト・チェンジに成功したようである。尖ったエレクトロ・ポップとロック・テイストが融合する中に昭和歌謡のフレーバーが散りばめられた「A LONELY DIVER」。本人の言葉をそのまま借りるなら、いい意味で“B面っぽい”地味さと怪しさが独自の存在感を放つ「毒林檎を食べたら」。ピコピコな激甘ポップと闇かわいい歌詞のマッチング加減がヤミツキ感を呼ぶ「いいよ」。いやはや、これはいい意味でクセが強い！
杉江 由紀 【ライター推薦】