パドモア、ルイス/シューベルト:『冬の旅』
2022年03月24日 (木) 17:00 - HMV&BOOKS online - クラシック
マーク・パドモアとポール・ルイスによる名演『冬の旅』が復活!
テノールのマーク・パドモアとポール・ルイスによる2008年録音の超絶名演『冬の旅』が復活します。
深々と冷え込む冬、どんよりと暗い空の下、ただただ雪を踏みしめて歩を連ねる旅人としての「私」の独白から始まる『冬の旅』。ピアノの前奏、それにつづくパドモアの声は、早くも聴衆を凍てつく冬の世界へと引きずりこみます。パドモアは「私」として、そして同時に、恋にやぶれずたずたになった「私」を非常に冷静に傍観する第三者として、この物語をすすめます。聴衆は、時にパドモア自身が主人公に思え、その主人公に共感して世界に足を踏み入れると、急にその主人公がふっと姿を消し、自分が冷たい世界に閉じ込められてしまったかのような、非常に不思議な感覚世界へと連れて行かれます。
5曲目の有名な『菩提樹』も、やさしさよりも悲しい思い出が勝った演奏。『春の夢』も、あたたかな雰囲気は束の間、すぐに絶望の闇へと引き戻されます。
すべてシューベルトが作曲した時の調性で歌われているのもポイントで、深い集中が一貫して続き、時に気が狂いそうな絶望の淵まで追いやられるような気分になりますが、最後には通常の世界の入り口へと連れ戻されているような感じがするから不思議です。
パドモアの透徹した声と美しい言葉の発声、そしてピアノのとのアンサンブルは完璧。2008年6月の東京での来日公演で(ピアニストはイモジェン・クーパーでした)素晴らしい『冬の旅』を聴かせてくれたパドモア。パドモアは、ラトル指揮ベルリン・フィルの『マタイ受難曲』のエヴァンゲリストを務めるなど世界が認めるテノールですが、この『冬の旅』は彼の数々の録音の中でもひときわ強い存在感を放つ1枚です。ピアノのポール・ルイスも近年のますますの充実ぶりはいうまでもありませんが、この『冬の旅』のピアノの演奏も稀有なものといえるでしょう。(輸入元情報)
【収録情報】
● シューベルト:歌曲集『冬の旅』 D.911
おやすみ
風見の旗
凍った涙
かじかみ
菩提樹
溢れる涙
川の上で
回想
鬼火
憩い
春の夢
孤独
郵便馬車
霜おく頭
からす
最後の希望
村で
あらしの朝
幻覚
道しるべ
宿屋
勇気
幻の太陽
辻音楽師
マーク・パドモア(テノール)
ポール・ルイス(ピアノ/スタインウェイ)
録音時期:2008年11月、12月
録音場所:Air Studios, Lyndhurst Hall, London
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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