激ロック×HMV&BOOKS online vol.106

GENRE：LOUDROCK
Roseliaが、Eve提供曲含む勝負作をドロップ
今年5周年を迎えたRoseliaが、キャリア史上初のミニ・アルバムを完成させた。“ガルパ（バンドリ！ ガールズバンドパーティ！）”のストーリー第3章でメジャー・デビューを果たすキャラクターたちにとっての転機の1曲として描かれる、壮大なロック・ナンバー「Sprechchor」で本作は開幕。続く「閃光」は、なんとあのEveが提供した。Eve節が全開の楽曲を、相羽あいなが湊 友希那として歌いこなし、“Roseliaの楽曲”として存在感を醸している点が好印象。さらにバンドの最新曲「THE HISTORIC...」、代表曲のひとつ「FIRE BIRD」のアンサー・ソングであり、バンド最長の6分超えのリード曲「ROZEN HORIZON」も収められ、死角なしの1枚だ。
宮�ｱ 大樹 【ライター推薦】

GENRE：METALCORE, DEATHCORE, POST HARDCORE
国内エクストリーム・ミュージックの先駆者、ノクブラによる
満を持して約8年ぶりとなるフル・アルバム
ノクブラ約8年ぶりのフル・アルバムは、ここ数年続いたバンドの苦難を微塵も感じさせない圧巻の作品に仕上がった。MVにもなったリード曲のTrack.7は壮大なストリングスと、ヘヴィでアグレッシヴなサウンドが複雑な展開を伴いながら絡み合い、彼らの極限の音楽性を1曲で体現した圧倒的完成度の楽曲として存在感をひときわ放つ一方、超絶極悪なTrack.5、難解な構造を備えたTrack.2、アルバムに緩急をもたらす疾走感のTrack.3、ドラマ性を孕んだTrack.10、インダストリアルなテイストでヘヴィ・サウンドの別口のアプローチを見せるTrack.8など、1曲残らずすべてが強烈な個性を放つ。もはや異次元に達したと言える現体制ノクブラが放つ、エクストリーム・サウンドの現在形。
米沢 彰 【ライター推薦】

GENRE：MELODIC PUNK
感動を誘うエモメロと弾けるエネルギー。2ヶ月連続リリースの第1弾
エモーショナルなメロディと疾走感のあるサウンドで国内のパンク・シーンをリードする、男女ツイン・ヴォーカル・3ピース・バンドが、ライヴ・シーンを盛り上げるような2ヶ月連続リリースの新EPを発売する。こちらはその第1弾。“SUN”というタイトル通り華やかで元気の出るポップ・パンクがギュッと凝縮されたような1枚だ。心に響くエモメロがたまらないTrack.1、激しさと美しいハーモニーが同居するTrack.2、モッシュピットの活気が目に浮かぶハードなナンバーTrack.3、王道感のあるメロコアTrack.4と、様々な顔を見せるフォゲミの魅力がそれぞれ方向性の異なる4曲で表現されている。明日への活力になる今作を聴きながら、ぜひ翌月リリースの姉妹作『MOON』も楽しみにしていよう。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：MELODIC PUNK
疾走感の中にバンドの幅広いバックグラウンドを印象づける、連続リリース第2弾
2ヶ月連続リリース第2弾となる今作は、バンドのバックボーンを物語る『SUN』とは対照的に、バンドの幅広いバックグラウンドを印象づける4曲を収録。メンバーが“激エモ”と語る「Erase」、8ビートのエモメロ・ナンバー「Futures」、ハーモニー・ワークとリズム・アレンジにおけるヒネリのきいたアレンジも聴きどころの「Dahlia」、マージー・ビート風のパワー・ポップ「Happiness」と、フォゲミならではと言える疾走感の中に多彩な要素を落とし込んでいる。ラストを締めくくる「Happiness」は、『SUN』のオープニングを飾る「The soundtrack of glory」同様、音楽に取り組む気持ちを歌ったバンドのステートメント。2曲の表現の違いにもぜひ耳を傾けていただきたい。
山口 智男 【ライター推薦】

GENRE：MIXTURE, POP, LOUDROCK
運命に左右されない零[Hz]のアティテュードを明らかに記す
約3年ぶりのフル・アルバム『ZODIAC』堂々完成
星たちの巡りが季節の移ろいや宇宙のことわりを教えてくれるのだとしても。過ぎゆく時の中で自らの進む道を定め、確かな足取りで進んでいくことまでをも星に託すことはできない。約3年ぶりのフル・アルバムはシングル曲たちと、Leo（Gt/Prog）の冴えたメイン・コンポーザーぶりが発揮された新曲たちが目一杯詰め込まれた。秀逸アンサンブルが光る「raison d'etre」、派手なEDM感に彩られた「enigma」、アッパーな音像の中でROYの突き抜けるような歌がハジける「The DOPERA」（A Type）、全能の神にたてつくような“諦める事を諦めてやればいい”という詞が刺さる「ZEUS」（B Type）など、運命がどうあれ零[Hz]はかくありきという姿勢が明示されている様は実に頼もしい。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：SYMPHONIC METAL, MELODIC SPEED METAL
メタル・ディーヴァが放つシンフォニック・メロスピ・ベスト・アルバム
上質な素材を良質な油で丁寧に技を生かしながら揚げられた天麩羅は、存分に堪能したとしてもまず胸焼けしない。メタル・ディーヴァのふたつ名を持つ矢島舞依嬢がここに完成させたシンフォニック・メロスピ・ベスト・アルバムは、それこそ揚物につぐ揚物が目白押しとなった献立にも似た、極めて濃厚な仕上がりではあるものの、1枚を通して聴き終わったときにはむしろスッキリとした心持ちになれるはずだ。「必要悪サバト」などを筆頭に彼女がここまでに世へ発表してきた数々の既存曲たちはもちろんのこと、本人が初作曲にトライしたという「Silver Bullet」を含めた、新曲3曲がそれぞれに放つ強い存在感にも、ぜひご注目いただきたい。清く正しく美しくならぬ、暗く激しく美しくの精神を貫いたメロスピの深淵に耽溺されたし。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
全曲ライヴハウスで浴びたい熱量の高さ。The BONEZサウンド全開の新作リリース
約4年ぶりのフィジカル作品になるミニ・アルバムが到着。この骨太な演奏、メロディ、歌声こそ他に替えが効かないThe BONEZサウンドと言えるだろう。OP曲は“だれか泣けば良いんだって言ってくれ”と歌詞にある通り、赤裸々なエモーションを突きつける最高のロック・ナンバーだ。Track.3は重心の低い肉厚グルーヴで攻め、自身の存在証明を高らかに歌い上げたアンセム曲。また現LIMP BIZKITのDJ Lethalが在籍しているHOUSE OF PAINの名曲「Jump Around」のカバーも収録。原曲のエナジーを昇華し、オリジナル曲と言っても過言ではない獰猛な仕上がりで身体が震える。Track.6は憂いを帯びたヴォーカルが胸に沁みる、シンプル・イズ・ベストを突き詰めたかっこ良さ。
荒金 良介 【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, POST HARDCORE
ここから再び、彼らの物語は始まる――サバプロ初のライヴ映像作品
繊細な楽曲のクオリティもさることながら、生命力溢れるアグレッシヴなパフォーマンスにも定評のあるサバプロ。彼らが2021年に行ったKT Zepp Yokohama公演の模様を収録した、バンド初となるライヴ映像作品をリリースする。コロナ禍でライヴのままならなかった2年間のすべてを取り戻すような、やっと純粋に音楽を楽しむことができる喜びに満ちた、音楽への渇望と情熱の感じられるステージ。ヘヴィでガンガン上げてく曲もエモメロがぐっとくる聴かせる曲も、すべてがサバプロらしくて“やっぱこのバンドはすごいな”と再確認できる。もちろん久々のツアーという特別感もあるが、バンドのキャリアとしても重要な通過点となる規模だ。いろいろ乗り越えた今だからこそ描ける明るい未来への希望。そのライヴを追体験しよう。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：MELODIC PUNK, POP PUNK
青春の甘酸っぱさに満ちた物語を思わせる
疾走感満載のアニメ“ラブオールプレー”EDテーマ
表題曲「ライラ」は、TVアニメ“ラブオールプレー”のエンディング・テーマとして書き下ろした楽曲ということで、サビは特に、“世界最速のスポーツ”とも言われるバドミントンのスマッシュを思わせるスカッとした疾走感がある。また、青春の甘酸っぱさを感じさせるリリックも作品の世界観とリンクし、LONGMANの武器のひとつである男女混声のコーラスも、エモーショナルなメロディにマッチして、物語を感じさせる楽曲にしている。さらにカップリングには、新旧織り交ぜた人気曲4曲をライヴ・バージョンで収録。ライヴならではの熱量と3人の底抜けに明るいパフォーマンスには、思わず笑顔になってしまうに違いない。これからのツアーがもっと楽しみになるシングルだ。
山本 真由 【ライター推薦】

GENRE：MIXTURE, LOUDROCK
俳優 佐藤流司×HAKUEI（PENICILLIN）によるバンド・プロジェクト、The Brow Beat
草野華余子も参加の話題性充分にして高密度なメジャー1stアルバム到着
情報過多の傾向にある現世にあって、Track.2で“生きていく意味 見つけ出せ”と歌い掛けることの意義とはいったいなんなのか。佐藤流司がRyujiとして始動したThe Brow Beatは、PENICILLINのHAKUEIがツイン・ヴォーカル＆トータル・プロデュースで参加するバンド・プロジェクトで、Not Found＝404をタイトルに冠した今作はメジャー1stアルバムとなる。Track.11などではHAKUEIが作詞作曲を手掛けているほか、Track.5、Track.12はHAKUEIとRyujiが共同作詞を行い、Track.4ではRyujiが作曲にも参加。またリード・チューンTrack.9は「紅蓮華」で知られる草野華余子の作曲によるもの。話題性充分にして高密度な内容の1枚。
杉江 由紀 【ライター推薦】

GENRE：ALTERNATIVE ROCK
第2期ダスボンの始まりを告げる、約12年ぶりの新作『Search and Destroy』
活動休止状態となっていた戸城憲夫（Ba）、坂下丈朋（Gt）、満園英二（Dr）によるThe DUST'N'BONEZが、ヴォーカリストに首振りDollsのnaoを迎え、約12年ぶりに再始動！ 通算5作目となる本作は、官能的な匂いが立ち込める「Addictions」や、ファニーなコーラスが耳を引く「RHYTHM」、再会を誓うメロディをピアノとストリングスの音色がドラマチックに彩るミディアム「君の街」など、様々な表情を見せつつも、アルバムの大半を占めているのは、ギラギラと輝く、豪快でスリリングなロックンロール・ナンバーたちを収録している。冒頭からアドレナリン全開、トップ・スピードでアルバム中盤まで一気に駆け抜けていく構成は、ただただ圧巻。強烈すぎる“ダスボン”第2章の開幕作だ。
山口 哲生 【ライター推薦】