ヘレヴェッヘ/ベートーヴェン:『オリーヴ山上のキリスト』

2022年09月08日 (木) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック


ヘレヴェッヘが解き明かす、ベートーヴェン唯一のオラトリオの真価

三十代前半、1802年に「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いたベートーヴェンがその翌年に書き上げた、初めての宗教的作品『オリーヴ山上のキリスト』。自らの運命を予感したキリストがオリーヴ山で祈りを捧げているところへ兵士たちが現れ、ペトロらの抵抗も空しく囚われてしまう場面までが描かれています。テキストを聖書に求めずオペラ作家のフーバーにオリジナルを依頼、結果的にはベートーヴェンが生涯で唯一書いたオラトリオであるこの作品は、その生前にはヨーロッパ各地で80回以上も演奏されたという人気でしたが、現在では録音も演奏回数も決して多いとは言えません。
 この作品にヘレヴェッヘによる新録音が登場します。70歳のインタビューで「残された人生では真に向き合う価値を感じる作品だけを演奏する」と語った彼がここでこの作品を取り上げるのは、その価値を改めて世に問うに足る内容であると認めるからにほかならないでしょう。管弦楽は2011年録音の『ミサ・ソレムニス』と同様シャンゼリゼ管弦楽団を起用、中心となるキリスト役にはヤーコプス指揮の大バッハ作品録音(ヨハネ受難曲、ロ短調ミサ)に参加するほか活躍目覚ましいコールヘップを配するなど、万全の布陣で臨んでいます。『英雄』に始まる「傑作の森」の直前に書かれた意欲作に新たな光を当てる、決定的なアルバムの登場です。(輸入元情報)

【収録情報】
● ベートーヴェン:オラトリオ『オリーヴ山上のキリスト』 Op.85


 キリスト…セバスティアン・コールヘップ(テノール)
 セラフィム(熾天使)…エレノア・ライオンズ(ソプラノ)
 ペトロ…トーマス・バウアー(バス)
 コレギウム・ヴォカーレ・ヘント(合唱)
 シャンゼリゼ管弦楽団(古楽器使用)
 フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)

 録音時期:2022年3月
 録音場所:フランス、ポワチエ・テアトル・オーディトリアム(TAP)
 録音方式:ステレオ(デジタル)
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