ジュリアン・ショヴァン&ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ/モーツァルト:レクィエム(1804年パリ初演版)、他
2023年01月18日 (水) 18:00 - HMV&BOOKS online - クラシック
ナポレオン治世下で絶賛された傑作の異版を、最前線の古楽器演奏で
ソリストとしても活躍してきたヴァイオリン奏者ジュリアン・ショヴァンと共に、フランスの古楽器演奏シーンの最前線をゆくル・コンセール・ド・ラ・ロージュ。「ALPHA」で好評のうちにスタートしたモーツァルト後期作品シリーズ第3弾は『レクィエム』が演目の中心ですが、革命期前後のフランスにおける演奏習慣を常に意識している団体だけに、一般的なジュスマイヤー補筆版に手を加えた1804年パリ初演版という意外なヴァージョンで臨みます。
1800年前後は歿後間もないモーツァルトの作品復権が進み、フランスでも『フィガロの結婚』や『魔笛』が上演され話題を呼んでいた頃で、その成功を受け1804年12月21日にケルビーニ指揮によるこのヴァージョンで披露された『レクィエム』も熱狂をもって迎えられました。パリでも人気のあった18世紀ナポリ楽派の巨匠ヨンメッリの同題作冒頭が最初に盛り込まれているほか、ジュスマイヤーの手による後半を中心に大胆なカットも加えられて演奏時間は30分あまり。しかしながら、バセットホルンの代わりにコーラングレ(イングリッシュホルン)が使われ、「喇叭は不思議な響きを(Tuba mirum)」のトロンボーン独奏が冒頭は堂々たる金管のユニゾン、その後はバスーンに置き換えられるなど随所に聴きどころが秘められており、その魅力をショヴァンの元に集まった古楽器の名手たちがコントラスト豊かに伝えます。
カップリングは人気オペラ作曲家として欧州を席巻した後、ナポレオンに忠誠を誓い、充実したイタリア歌劇様式でこのフランス皇帝を魅了した大御所ジョヴァンニ・パイジェッロが、同年12月2日のナポレオン皇位着任を祝う式典のために書いたミサ曲。こちらも当時流の管楽器が聴かせる豊かな響きと相俟って聴き応え充分。「クレド」に挿入されたハープ独奏も美しさに満ちています。
ピオー、サントン=ジェフェリ、ヴィダルとフランス最前線の実力派が揃った申し分ない独唱陣の立ちまわりも聴き逃せません。(輸入元情報)
【収録情報】
● モーツァルト[1756-1791]:レクィエム ニ短調 K.626 (未完/1804年パリ初演版)
ニコロ・ヨンメッリ[1714-1774]:レクィエムより入祭唱を冒頭に挿入
● パイジェッロ[1740-1816]:ナポレオン1世戴冠式のためのミサ曲
ニコラ・シャルル・ボクサ[1789-1856]:ハープのための前奏曲を途中に挿入
サンドリーヌ・ピオー(ソプラノ)
シャンタル・サントン・ジェフェリ(ソプラノ)
エレオノール・パンクラツィ(メゾ・ソプラノ)
マティアス・ヴィダル(テノール)
トマ・ドリエ(バリトン)
ナミュール室内合唱団
ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ(古楽器使用)
コンサートマスター: 古川沙織(ヴァイオリン)
フレデリク・リヴォアル(オルガン)
サンドリーヌ・シャトロン(ハープ)
ジュリアン・ショヴァン(指揮)
録音時期:2022年2月
録音場所:フランス東部ロレーヌ地方メス、アルスナル
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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