ベック・ボガート＆アピス 1973年来日公演と74年英レインボーシアター公演を最新リマスターでCD４枚にパッケージ - ジェフ・ベック率いる ”最強ロックトリオ” 伝説のライヴ音源が50年の時を超えて蘇る

言わずと知れた ”ギターゴッド” ジェフ・ベックと、元ヴァニラ・ファッジ〜カクタスで活躍したティム・ボガートとカーマイン・アピスという圧巻のリズムセクションが融合した ベック・ボガート＆アピス。1972年から1974年の２年間のみというその短い活動期間は、まさに流星の如きまばゆいばかりの一瞬の輝きと時代を照らし続ける軌跡となって、音楽史に鮮烈な印象と共に刻み込まれている。

ジェフ・ベックは、今年１月に逝去する以前に、ドラマー／シンガーのカーマイン・アピス、そしてベーシスト／シンガーのティム・ボガートと、このベック・ボガート＆アピス時代にレコーディングしていたライヴ音源を聴き返していた。

73年に日本で行なわれた２公演の模様を収録したライヴ音源と、その翌年 ロンドンでのバンド最後のパフォーマンスの一つとなる貴重なライヴ音源は、活動期間は短くも今もなお絶大な影響力を持つ彼ら３人が放つエネルギーの融合を見事に捉えたものだった。

今回、この73年の大阪公演のライヴ音源と74年のロンドン公演のライヴ音源をまとめあげた新たなボックスセット『Live In Japan 1973, Live In London 1974』がリリースされることとなった。

Superstition (Live at the Rainbow Theatre, London, UK 1/26/74)

ボックスセットには、『Live In Japan 1973』と『Live In London 1974』を収録した４枚のディスクに加え、メモラビリアや貴重な写真、そして音楽ジャーナリストであり彼らのマネージャーでもあったブルース・ピラトーによる、バンドの歴史を詳細にまとめあげた長編ライナーノーツを掲載した豪華ブックレットやポスターのレプリカなどが同梱されている。

ジェフ・ベックのアーカイヴの中で約50年近く眠っていたオリジナルマルチトラックをベースに、ジェフ・ベックとカーマイン・アピスが本ボックスセット用に新たにミックスを施したこのライヴ音源は、ベックが嫌悪感を示していた数々の低音質なブートレグ音源を一蹴するほどのクオリティを誇るサウンドとなっている。

73年５月18日と19日に、大阪にある厚生年金会館で開催されたライヴをレコーディングした音源は、来日公演から数か月後に日本限定でリリースされていたのだが、USでは今回が初の公式音源としてのリリースとなるものだ。また、74年１月26日に開催されたロンドン、レインボーシアターでのライヴ音源は、公式なライヴアルバムとして完全な形でリリースされるのは今回が初となる、非常に貴重な未発表ライヴ音源だ。

『Live In Japan 1973』には、「Superstition (迷信)」「Lady」「Livin' Alone」といったデビューアルバムに収録されている楽曲のほぼ全てを網羅するパワフルなライヴパフォーマンスが、その剥き出しのエネルギーを音楽として放出するかのような圧巻の音源となって収録されている。また、ヤードバーズ時代の楽曲「Jeff's Boogie」や、「Morning Dew」「Going Down」といったジェフ・ベック・グループ時代のカヴァー楽曲のトリオによるパフォーマンスも収録されている。

『Live In London 1974』は、日本公演の８ヶ月後、バンド解散直前にレコーディングされたライヴ音源。このロンドン公演で、彼らは「Satisfied」「Jizz Whizz」「Solid Lifter」といった、二度と完成することがなかった幻のセカンドスタジオアルバムに収録する予定だった楽曲をライヴで披露している。