ベルリン古楽アカデミー/テレマン:劇的カンタータ『イーノ』、他
2024年01月09日 (火) 17:30 - HMV&BOOKS online - クラシック
ベルリン古楽アカデミーの最新盤はテレマンの後期作品集!
ベルリン古楽アカデミー(AKAMUS)の「PENTATONE」最新盤はテレマンの作品集です。「harmonia mundi」や「CAPRICCIO」などのレーベルに数多くのテレマン録音を行ってきたベルリン古楽アカデミー。その録音プログラムは管弦楽作品から協奏曲、声楽曲まで多岐に渡り、すべてのアルバムでテレマン作品の魅力をクラシック・ファンに伝えてきました。
「PENTATONE」レーベルでは、21世紀になって復活上演されたという歌劇『ミリヴァイス』をライヴ録音していますが、このアルバムでは晩年の作品を集めています。
プログラムのメインとなるのは、ドイツ語によるソプラノ独唱のための劇的カンタータ『イーノ』。1765年、84歳のテレマンがギリシャ神話の登場人物「イーノー」の物語を題材に一気に書き上げたという、演奏時間が30分を超える大作です。テレマンの声楽作品の中では例外的に録音が多く、名歌手たちが名唱を残していますが、今回はドイツを中心に古楽、オペラ、リートに大活躍中のソプラノ、クリスティーナ・ランツハマーがベルリン古楽アカデミーの鋭い演奏をバックに、変化に富んだこの名作を表情豊かに歌い上げています。
また『イーノ』の他に3曲の管弦楽作品を収録。1765年に作曲された『序曲 ニ長調』はヘッセン=ダルムシュタット方伯ルートヴィヒ8世のために書かれた管弦楽組曲で、狩猟好きのルートヴィヒ8世のためとあってかホルンとオーボエが活躍する楽曲となっています。フランス様式の序曲から始まる典型的な組曲の形式ながら、第4楽章の鐘を模した旋律(ダルムシュタットの宮廷の鐘の音を模倣したとされています)が印象的な「カリヨン」など工夫が凝らされた楽章構成が楽しめます。『ディヴェルティメント 変ホ長調』と『シンフォニア・メロディカ ハ長調』は、対照的にイタリア様式の協奏曲形式が中心を占める構成となっています。躍動感ある管楽器の活躍と各楽章で異なる趣向が凝らされた構成が聴きどころです。ベルリン古楽アカデミーの切れ味鋭い生き生きとした演奏は、作品の個性だけでなく各楽章の個性まで際立たせ、テレマン作品の魅力を存分に教えてくれます。フルート、オーボエ、ホルンといった管楽器の妙技も注目点でしょう。
最晩年まで旺盛な作曲意欲を持ち続けた天才作曲家テレマンの円熟の作曲技法を堪能できるすばらしいアルバムです。(輸入元情報)
【収録情報】
テレマン:
1. 序曲(管弦楽組曲)ニ長調 TWV.55:D21〜2つのホルン、2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための
2. 劇的カンタータ『イーノ』 TWV.20:41
3. ディヴェルティメント 変ホ長調 TWV.50:21〜2つのホルン、2つのフルート、弦楽と通奏低音のための
4. シンフォニア・メロディカ ハ長調 TWV.50:2〜2つのオーボエ、弦楽と通奏低音のための
クリスティーナ・ランツハマー(ソプラノ:2)
ベルリン古楽アカデミー(コンサートマスター:ベルンハルト・フォルク)
録音時期:2022年6月10-13日
録音場所:ベルリン、ニコデモ教会
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
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