ルチアーノ・パヴァロッティさん死去
2007年9月6日 (木)
3テナーズの看板歌手として有名なパヴァロッティさんは、現代のオペラ界を代表する存在であるばかりでなく、パヴァロッティ&フレンズと題した数々の慈善コンサートでは、幅広い人脈から大物ポピュラー歌手との共演も重ねるなど、ジャンルを超えた世界的人気を博していました。最近では、2006年2月トリノ・オリンピック開会式で、椅子に座りながらも相変わらずの美声で『誰も寝てはならぬ』を熱唱していたのが記憶に新しいところですが、その後すい臓癌であることが判明、2006年7月にはニューヨークの病院ですい臓の摘出手術を受けて退院するものの、発熱などの症状がみられたため、2007年8月8日に自宅のあるイタリア北部のモデナの病院に入院、経過が良好なため25日に退院し、自宅療養をしていた矢先、意識不明の状態に何度か陥り、9月6日、ついに腎不全で亡くなってしまいます。71年の輝かしい生涯でした。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
ルチアーノ・パヴァロッティ(Luciano Pavarotti)さんは、1935年10月12日、北イタリアのモデナに、パン焼職人でアマチュア・テノール歌手でもあった父親のもとに生まれました。同郷の名ソプラノ、ミレッラ・フレーニとは幼なじみで、同じ乳母によって育てられたという逸話は有名です。父親とともに地元のコーラスで歌い、師範学校を卒業後、声楽をテノール歌手アッリーゴ・ポーラに師事しています。
1961年、レッジョ・エミーリアでおこなわれた声楽コンクールで優勝し、同年の4月29日、同地の市立劇場で『ボエーム』のロドルフォ役を歌ってオペラ・デビューを飾ります。このロドルフォ役はパヴァロッティの十八番となり、1963年のウィーン国立歌劇場とロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス、1965年のミラノ・スカラ座へのデビューもこの役でした、1964年には英デッカ社にオペラ・アリア集を録音、レコード・デビューも果たしています。アメリカへは1965年に進出(マイアミ)、1968年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場に、やはりロドルフォ役でデビューしています。
1972年2月、メトロポリタン劇場で上演されたドニゼッティの歌劇『連隊の娘』に出演、パヴァロッティはトニオ役のアリアでハイC(高いハ音)を9回、苦もなく歌って喝采を浴びて名声を決定付け、「キング・オブ・ハイC」という異名をとるに到りました。
80年代からは音楽コンクールを主催し、若手声楽家の育成にも乗り出しました。
90年代以降の活動はオペラの領域を越えて展開。ニューヨークのセントラル・パークやロンドンのハイド・パークでの大規模な野外コンサートなども実現させ、ポピュラー歌手を思わせる音響設備の使用や高額な入場料でも論議を呼びましたが、音楽をより広い聴衆へ伝えようとするその活動は衰えることがありませんでした。有名なものでは、1990年7月、サッカー・ワールド・カップ決勝前夜のローマでプラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスとともに特設舞台に立った、いわゆる「3大テノール」公演の大成功があげられます。この公演は、1994年、1998年、2002年のワールド・カップでもおこなわれました。
70歳になる2005年10月での引退を表明、日本では2004年に引退コンサートをおこないましたが、2006年2月にはトリノ冬季五輪の開会式に登場、これも十八番の「誰も寝てはならぬ」を歌って健在ぶりをアピール。4月からはヨーロッパでの「さよならツアー」が始まりましたが、6月に膵臓がんと診断されて中断。7月に手術を受けるものの、2007年9月6日、モデナの自宅にて腎不全により亡くなりました。
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【簡易年表】
1935年10月12日
イタリアのモデナに誕生。父親はパン焼き職人で、アマチュア・テノール歌手として合唱団などで活躍。母親はタバコ工場に勤めており、ミレッラ・フレーニと同じ保育所で育っています。
モデナのサッカー・チーム「レパント」に加入。その後モデナの師範学校に学び、2年間だけ教壇に立つ。 なお、師範学校通学中は、父親の参加する合唱団にも加わっていました。
日本にも長く滞在して多くの弟子を育てた高名な声楽教師、アリゴ・ポーラに師事し、本格的な声楽の勉強が始まります。
マントヴァでエットーレ・カンポガッリアーニに師事。
レッジョ・エミーリアの国際コンクールに優勝し、同地のテアトル・ムニチパーレで“ボエーム”のロドルフォ役でデビュー。同年、アウダ・ヴェローナと結婚。
長女ロレンツァ誕生。
アムステルダムの歌劇場で“ランメルモールのルチア”のエドガルドを歌い国外デビュー。次いで“ボエーム”のロドルフォでコヴェント・ガーデンにもデビュー(ディ・ステファノの代役)。バルセロナで“蝶々夫人”のピンカートン。
グラインドボーンで“イドメネオ”のイダマンテ。デッカと録音契約を結びます。
“リゴレット”のマントヴァ公役でスカラ座デビュー。 マイアミで“ランメルモールのルチア”のエドガルドを歌い、アメリカとオーストラリアにデビュー。
スカラ座で“カプレーティとモンテッキ”に出演。同年、初のオペラ全曲録音“テンダのベアトリーチェ”。
スカラ座のトスカニーニ生誕100周年記念公演で、カラヤンの指揮によりヴェルディのレクイエムを歌い決定的成功を収めます。同年、“ボエーム”のロドルフォでサンフランシスコ歌劇場にデビュー。
“ボエーム”のロドルフォでメトロポリタン歌劇場デビュー。次いで同劇場で“連隊の娘”にも登場。 “胸声のド”の凄みで評判になりますが、つけられたニック・ネームは“キング・オブ・ハイC”。
イタリア歌劇団の一員として初来日。“リゴレット”の公爵を歌い、興奮した音大生が感激のあまり舞台に上がり、抱きつかれるというハプニングに見舞われます。
“ボエーム”のロドルフォでパリ・オペラ座デビュー。
メトロポリタン歌劇場の来日公演に参加、“ボエーム”のロドルフォを披露。
単身での初来日。
メトで初めてドラマティックな役柄の“アイーダ”のラダメスを歌います。
パヴァロッティ主演の映画“イエス・ジョルジョ”が制作、公開されます。
スカラ座10年ぶりの“アイーダ”公演でラダメスを歌います。
デビュー25周年を盛大に祝う。中国ツアーを実施。
この頃からアリーナ・コンサートが始まる。12年ぶりに来日。東京ドームと大阪城ホールで公演。
ローマのカラカラ浴場跡で、ドミンゴ、カレーラスとともに“3大テノール/世界の競演”に参加。ベスト・アバム“Essential Pavarottli”がイギリス・ポップ・アルバム・チャートの第1位に。
メトロポリタン歌劇場との初レコーディング“マノン・レスコー”。スティング、スザンヌ・ヴェガ、ネヴィル・ブラザーズ、ズッケロ等ポップ/ロック系のアーティストと故郷のモデナで共演。このコンサートは“パヴァロッティ&フレンズ”というタイトルで以後、毎年おこなわれます。
ニューヨークのセントラル・パークで50万人を集めコンサート。
ロサンジェルス・ドジャーズ・スタジアムで3大テノールのコンサートが行われる。この時点でローマでの“3大テノール/世界の競演”は全世界で1,000万枚のセールスを記録。
ロンドンでチャリティー・ガラ・コンサート。同年、ボスニアの子供たちを救うために“パヴァロッティ&フレンズ2”がU2のボノ、クランベリーズのドロレス、マイケル・ボルトン等とともに行われます。
東京を皮切りに3大テノールの世界ツアー。
パリのシャン・ド・マルス広場で3度目の3大テノール・コンサート。
オペラ最新商品・チケット情報
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
スタジオ録音アルバム・コレクション
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パヴァロッティ/スタジオ・コレクション(12CD)
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「誰も寝てはならぬ」を含むベスト盤
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パヴァロッティ・フォーエヴァー(2CD)
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¥2,310
メーカー取り寄せ
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「誰も寝てはならぬ」を含むベスト盤、DVD付き
輸入盤
パヴァロッティ The Very Best Of パヴァロッティ (+dvd Live In Modena)
価格(税込) :
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通常ご注文後 12-15日 以内に入荷予定
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輸入盤
オ・ホーリー・ナイト〜クリスマス名曲集 パヴァロッティ
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,640
会員価格(税込) : ¥2,297
まとめ買い価格(税込) : ¥1,980発売日:2007年10月23日
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輸入盤
ティ・アドーロ パヴァロッティ
ユーザー評価 : 5点 (1件のレビュー)
価格(税込) : ¥2,640
会員価格(税込) : ¥2,297
まとめ買い価格(税込) : ¥1,980発売日:2007年09月25日
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輸入盤
『エルナーニ』全曲 サマリターニ演出、レヴァイン&メトロポリタン歌劇場、パヴァロッティ、ミルンズ、他(1983 ステレオ)
ヴェルディ(1813-1901)
価格(税込) : ¥3,410
まとめ買い価格(税込) : ¥2,626発売日:2007年09月25日
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