【インタビュー】COLDFEET ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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2009年8月5日 (水)

interview

COLDFEET

2008年12月に発売された、COLDFEETのデビュー10周年を記念したアルバム『TEN』。その10年というキャリアを祝うかのように、DAISHI DANCE/DJ KOMORI/JABBERLOOP/M-Swiftなど豪華アーティスト達がRemixを施したアルバム、その名もズバリ『TEN remixes』が8月5日にリリース。今回、10年の節目を迎えたCOLDFEETのご両名に、これまでの10年間の活動を振り返ってのお話、そしてこのRemixアルバムについてのお話を伺ってきました。

長くやればやるほど楽しくなるぞ!っていう事もみんなに伝えたい



--- まずは、10周年を迎えられた感想をお伺いしたいのですが。

Watusi(以下W) あっという間の10周年。

Lori Fine(以下L) 10年ってカンジがしないですね。「10年じゃないでしょー!?」っていうカンジですよね。

W HMVさんもね、ONLINEと渋谷店が同じく10周年でコラボさせていただきましたね。まさに去年はお互いタイムリーな良い時期で。「10(テン)×10(テン)」なカンジで。あっという間ですよね、10年って。

--- そうですねぇ(しみじみ)。

W アレもあったしコレもあったしソレもあったなー、って言われればいっぱいあるけど、終わった10年はあっという間ですね。先の10年は、って聞かれると遠すぎて見えないけど。

--- 10年前と今のClubシーンを比べてみて、どういう変化がありましたか?

L 私は元々Clubは詳しくはないんだけど、思い出してみると…今は明るくなった気がする(笑)。楽しいパーティーのような、友達が集まるキラキラ感のある楽しいところ。昔はもうちょっとアンダーグラウンドで暗くて…安全かどうか判らないような(笑)、そういう雰囲気はちょっとありましたね。

W ビジネス的なところで言うと、Club的な音楽やカルチャーが今のようなポピュラリティーを得なかったら…そんな状況下でメジャーメーカーでやっていたら、どこかで「そろそろ日本語で1曲いきませんか?」とか「日本語のシングル、1回トライしませんか?」っていうのがあるな、って思ってたのが10年前の現実だったね。今や逆だもんね。Houseなんていったら、とにかくネイティヴ(な英語の発音)で歌える子いないか?っていう(笑)。それはすごい変化だよね。しかもソレがこれだけのポピュラリティーを得て、セールス的にもメジャーも普通に参入してやりたくなるようなモノが出てるっていうのは、まずは単純に変わったなぁと思う。
だから、お客さんも全然(10年前とは)違って幅広いよね。「アンダーグラウンド感が最高!」って思ってる人もモチロンいるし、「去年まではJ-Popばっかりだったけど、今はHouseよ!」っていう人も(笑)普通に沢山Clubに来ているし。僕らはLiveもやっていて、その現場で楽しんでくれて、英語なのに一緒に歌ってくれるお客さんまでいるっていうこと自体は、素直に嬉しく思ってます。後はしっかりそのClub的っていう事の幅広さをキープしていけたらと思ってます。

--- 逆に、10年前と変わってない所ってありますか?

W 変わってない所…、特に地方なんかに行くと面白いのはやっぱり「プロでない事の楽しさ」っていうのもあるよね。アマチュア仕切りのパーティだからハラハラしちゃう事もあるし(笑)、大変なことも確かにいろいろある。でも、プロじゃないからこその、例えばリリースパーティーで地元の知り合いとか友達レベルで組める「同目線の集まり」の中で生まれるもってのは、なんか濃くて楽しいよね。地方は特にそうなんだけど、極端に言うと1人でも街を変えられちゃうじゃない?
ある地方の服屋さんのオーナーがHouse大好きで。その人はMix CDとか自分で作っていろんな知り合いとか、それこそ商店街とかでも配っちゃうんだ。そしたら、気がつくと街中BGMがHouseになってたりとか。で、彼のやるパーティーで、中々スケジュールが合わなくて「月曜で大丈夫?」とか言ったら「いや、みんな服屋なんで大丈夫です!」って、結果平日なのに500人以上集まって。

--- へぇ〜!

W たった1人のHouse好きで街が変わる、っていうのはすごいコトだとだなぁって思って。それこそプロのイベンターでは出来ない地元に根付いた面白さだよね、Club活動の。そういう所は変わってないな、と思う。

--- 変わって欲しくないですよね。

W うん、そうだね。



--- 2005年に発売された『Bodypop』もアルバム1枚ほぼ丸ごとのRemix盤を出されていますが、今回のRemixはHouseとJazzyの2部構成になっているカンジがしました。これは意図的なものですか?

W まずはその…2元性っていうか多元性って言ってもいいんだけど、『Ten』を作る時に、まずこの過去10年間楽しく触れ合った人達と何か作りたい、っていうのと、それだけではなく11年目以降袖振り合いたい人達も呼んで何かやれたらと思っていて、そういうのをRemixにも反映させたいなと。で、DAISHI(DANCE)君にはまたお願いしたわけですよ(笑)。
それと、まだ袖振り合っていない、むしろ異ジャンルぐらいの人で誰かいないかな〜と思って。このアルバムを作る時にR&B Houseみたいなのを自分でよくDJでかけてて、そういう感覚のある人誰かいないかな〜と思ってリサーチした中で、DJ KOMORI君が僕らの前のアルバムの「I Dont Like Dancing」ってTrackを、よくパーティーでかけてくれてるっていう話を人づてに聞いて。「R&BのパーティーでもかけたくなるようなHouse、HouseのパーティーでもかけたくなるようなR&B、みたいなRemixって出来ないかな?」って訊いたら即答でOKしてくれて。僕らが思っていた2部構成みたいなコンセプト的にも大満足で(笑)。
さっき言ってくれた『Bodychop』(前Remixアルバム)っていうのは、House/クロスオーヴァー系の中で、それこそ何10年も前からの知り合いの連中を集めて出したんですね。で、今回どうしようかな〜って思ったんだけど、たまたまそうやってる内にJAZZIDA GRANDEのイケガミ君と、あるパーティーで偶然DJで一緒になって声かけてくれて。で、「WATUSIさん覚えてないかもしれないんですけど、6年ぐらい前にGROOVEって雑誌でコンテストがあって、それに応募したら“WATUSI賞”を貰ったんですよ」って。それがきっかけでトントン拍子でここまできました、っていう。

--- おぉ〜!

W 嬉しいな〜と思ってたら、それから半年後ぐらいにとあるHouseのパーティーで、遊びに来てたautumn leave'sの阿藤君と仁張君が話しかけてくれて。仁張君は昔「サウンド&レコーディングマガジン」でやったCOLDFEETのRemixコンテストに応募してきてくれて。そこでも“COLDFEET賞”をあげてたっていう(笑)。

--- すごいですね(笑)。

W 当時、仁張君は学生だったのかなぁ?でもその賞貰って「オレ絶対プロになる!」って思ってやってきて、そのパーティーの時に「今度autumn leave'sってユニットでデビューすることになりました!」って言ってくれて。そういう無意識に袖振り合ってたっていうのもあったりしてて、まぁ、フックアップって言うと大げさで恥ずかしいんだけど、僕らのRemixをしてくれることを楽しんでくれる連中と一緒に何かやるっていうのは、なんかイイな〜って単純に思って。
それとね、1曲決めて、House RemixとJazz/クロスオーヴァーのRemix両方作ったら、Remixっていうモノ自体の面白さも出るかな、と。それでまたそれぞれのそれぞれのジャンルの良さも判るかなと思って。
だからそのRemixという行為の面白さや若手の今の現場のシーンとかも切り取れて1枚のアルバムに集まった、そんな構成になってるっていう感じ。そんな作り方も10年やってきた果てに誰かにやれって言われた感じかなぁって思ってて(笑)、満足してます。

--- 曲順って結構迷われたと思うんですけど。

W 迷った。でも何度も何度も聴いてると、アルバム1枚が1日とか1晩だったとすると、「コレはこの時間だなぁ」とか「コレは明け方の匂いがするなぁ」とか「この勢いは怒濤の深夜だな」とかそういう絵図が浮かんで来て。「DAISHIくんのは(アルバムの)2・3曲目に」って思ってたんだけど「やっぱ頭だな!」とか思って。
実は最初、曲の始まりが1分ぐらいビートだけのヤツだったんだけど、「1曲目からビート1分はないだろう」と思って大急ぎで電話(笑)。「ゴメン、1曲目にすることになっちゃったから、何かちょっと違うイントロ作ってくれない?」って、マスタリングの10日前ぐらいだったけど無理言って作り直してもらったりしたの(笑)。純粋に、リスナーとして曲の治まりたがってる位置を選んでいったら、そういう曲順になったかな。

profile

COLDFEET are
Watusi [produce/programming/bass]
Lori Fine [vocal/compose]

アメリカ人の心理学者を父に、そして琴の演奏者である日本人を母に持つオレゴン生まれのコンポーザー兼ヴォーカリストのLori Fineが、プロデューサー/ベーシスト/プログラマーとして豊富なキャリアを持つWatusiと出会い結成。 98年初頭にファーストシングル「Pussyfoot」をリリース、その後3枚のアルバム(含むRemixアルバム)、1枚のミニアルバム、5枚のシングルを発表。CompostやBPM King Street、Disorientなどのレーベルを通じて世界各地でもリリースされ話題を呼んだ。 COLDFEETとして制作する傍ら、アンダーグラウンドとメジャー・シーンを繋ぐプロデュース・チームとしても活躍し始める。中島 美嘉を初めhiro、BoA、Chemistry、安室 奈美恵などを手がける。 Loriは作詞/作曲家としてSMAP、Chemistry、birdなどに延べ100以上の楽曲を提供。またその印象的なVocalはMONDO GROSSO、m-flo、SUGIZO、FreeTEMPO、DAISHI DANCEなど多彩なアーティストからのオファーを受け、数多くのClubヒットを生み出す。 Watusiのソロワークも海外のレーベルのオファーを受け、英Climate Records、米Kriztal Recordsなどからリリースされている。 05年12月、MONDO GROSSOも参加の4枚目のアルバム「BODYPOP」は日本のみならず韓国、中国、台湾、タイなどでもリリースされ、国内主要ラジオチャートにチャートイン。 Remixを中心とした「BODYCHOP」、初のベスト盤「BEST」も06年3月にリリース。 07年7月には1年半ぶりの5thアルバム「Feeling Good」がリリース。 08年6月、今までにLoriがゲストとして参加した楽曲を集めたコンピレーションアルバム「FOOTWORKS feat. Lori Fine」をリリース。 12月にCOLDFEET 10周年を記念しリリースされた6thアルバム「TEN」は、即日iTunes Storeダンスアルバムチャート1位を獲得する。