【対談】aCae × Akira Kosemura vol.2

2009年11月13日 (金)

interview

scholeにはそのストレートな部分があるのかな、って思います



HMV 結構、小瀬村さんとも共通している所があるんですが、すごく日常的なモノからインスピレーションを受けているのかなぁと思って。お二人ともそういう感覚が近いのかなと思ったんですが。

Kosemura そうですね、さっきaCaeさんが「次はもっとストレートな…」って仰ってたじゃないですか。 scholeにはたぶん、そのストレートな部分があるのかな、って思います。
aCaeさんのアルバムは面白い音がいっぱい入っているんですよね。ソコが僕は逆に気になったんです。 やっぱり(aCaeさんは)歌があるからいろいろアレンジ出来ますよね。

aCae いや、でも最初aCaeを始めた時に作ってたのは小瀬村さんみたいなアンビエントとかで、歌は歌わずに曲を作ってたんですね。 最初の頃は基本的に歌うのは得意ではなくて、でもいつの間にか歌ってたみたいな(笑)。
アンビエントとかだとアレンジ能力っていうのがいっぱい要ると思うんですが、僕はアレンジ能力があまりなくて…、 言葉でごまかしちゃう、じゃないですけど(笑)。

Kosemura 僕も最近歌曲を作っていて、次のアルバムには歌曲が3曲入るんです。

HMV あら!ホントですか!?

Kosemura ええ。歌曲はインストとはまた違った面白さがありますね。

HMV ソレはヴォーカルをたててやっているんですか?それともご自身で?

Kosemura 僕は歌ってないですよ。でも歌えたら良いなぁと思います。

HMV そういうのはこれからないんですか?自分で歌ってみるっていう。

Kosemura う〜ん…(笑)。

aCae (笑)。

HMV (笑)。歌詞とかは書いてるんですか?

Kosemura いえ、今回はヴォーカリストさんにお任せしています。(歌っているアーティストさん自身が)歌いやすいほうがいいと思うので。

HMV ちなみにどなたがヴォーカルを?

Kosemura 今回はロンドンからthe misfortunes of geraldと、それから当真伊都子さん、aspidistraflyのAprilです。

HMV ソレはいつ頃カタチになるんですか?

Kosemura もうカタチにはなっていて、今ミックスダウンをしているところです。

HMV リリースはscholeから?

Kosemura そうですね、来年2月頃に。

HMV そういう、いわゆるインストのトラックと歌モノのトラックって、作る時に自分の中の感覚で明確に分かれてたりするんですか? それとも作ってる最中に、っていう感じですか?

Kosemura 今回の場合は作っている最中に、ですね。元々、歌曲は作る予定じゃなかったんです。 制作途中で歌曲にシフトしたほうがいい楽曲がでてきたので、それをバッキングトラックに変えていって。
aCaeさんは曲を作る時は最初に歌から作ります?弾き語ったり?

aCae いや、あまりそういうタイプじゃないですね。いろいろですけど、あまりコード弾いてっていうのはないかもしれないですね。



HMV aCaeさんのmyspaceのフレンドリストにNick Drakeとかシンガーソングライター系の人がいるのを見て、やっぱりそういうのが好きなのかと。

aCae そうですね、アシッドフォークとかは好きですね、昔から。沁みる感じの。

HMV 日本語とか英語とかっていうことにこだわりはありますか?

aCae いや、全然ないんですが、最初に仮歌を入れる時には何語か分からないような言葉をスパッと入れちゃうんですけど、 その韻が綺麗だったりすると、もうそっち(韻)から離れられなくなって、ソレに近い言葉を入れたりとか。

HMV じゃあ最初に言葉の音の響きがあって、ソコに当てはめていくと。

aCae そうですね。ただ英語の詞にする場合でも、あまりぼかした感じではない強力な言葉にしようとは常に考えてますね。
“音で飾ってる”っていう感じではなくて、その意味もちゃんと持たせようとはしてます。

HMV 小瀬村さんの新譜は英語の詞ですか?

Kosemura ええ。僕の曲は日本語があんまり…合わないんですよね。

aCae そうですかね?

HMV そんなことないんじゃないですか?合うと思いますよ。

Kosemura 今回の楽曲に関してはちょっとイメージできなくて。


profile



aCae (大碕正徳 Masanori Oosaki)

高知県出身。ロックバンド「embodys」で活動後、2004年よりソロ活動「aCae」を始動。 Alternative/Jazz/Acid fork/Classic/音響をこよなく愛し、暖かく柔らかな歌声と隙間の多いその楽曲は、ドイツ・イギリスなどヨーロッパにおいても高い評価を得る。 2004年クリスマス、ROSE RECORDSコンピ『私たちの音楽vol.1』への参加を機に注目を浴び始め、2005年にはドイツ映画の音楽制作を担当。 イギリスのメディアでは「英国的な感受性をそなえた希有な日本人アーティスト、彼のセンスと歌声はトム・ヨークのそれに似ている」と紹介される。 その後しばらく活動を休止していたが、2007年活動再開。 同年のシングル曲「BlackBird」は、デビッド・ボウイの主宰する世界的音楽配信サイト「Music Recommenders」 から、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン、ベルリンなど世界40ヶ国に配信される。 また、同じく同年のシングル曲「蝶」は、エレクトロニカ風の作品を集めたCINRA labelとYAMAHA musicの提携コンピレーションに、唯一歌ものとして収録され話題をよぶ。 本作品は、CD&DVD の2枚組でリリースされ、DVDでは本年アカデミー賞を受賞した「つみきのいえ」の作画やケツメイシの映像作品などで知られるアニメーター・森川耕平氏とコラボレーションしている。 また、aCaeとしての活動の他に、映画音楽制作/映画出演/イラストレーター/デザイナーなどの活動も行う。

profile



小瀬村晶 Akira Kosemura
[producer / composer / schole records A&R]

1985年生まれ、東京都在住。国内外の音楽レーベルから作品を発表する傍ら、CM音楽の制作、映画やダンス公演への楽曲提供、アーティストのプロデュース、WEBサイトのサウンドデザインなど、様々な分野にて活動を展開。 schole recordsを主宰し、多くのアーティストを輩出、複合メディア「Clarity x Leaf disc」制作ディレクターを努める。2008年、最新作「Tiny Musical」を発表。また、ヨコヤマアヤノ(舞踊)、千葉祐吾(映像)と共にライブパフォーマンスを展開。