CD 輸入盤

無伴奏チェロ組曲&ガンバ・ソナタ全曲 ヴィーラント・クイケン(3CD)

バッハ(1685-1750)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
A421
組み枚数
:
3
レーベル
:
:
France
フォーマット
:
CD

商品説明

古楽界の重鎮ヴィーラント・クイケン初のバッハ無伴奏!

バッハ:無伴奏チェロ組曲全集&ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ全集
ヴィーラント・クイケン&ピート・クイケン

1938年ベルギーのブリュッセル近郊に生まれ、有名なクイケン兄弟の長男(次男シギスヴァルト〔ヴァイオリン〕、末弟バルトルド〔トラヴェルソ〕)として「古楽界に君臨する法王」とでも形容したくなるほどの威厳をそなえ、多くの尊敬を集めるヴィーラントですが、その長大なキャリアを辿ってみても、ことバッハの無伴奏組曲の録音となると、なぜかポッカリ穴があいたように抜け落ちているのを、多くの人が不自然に感じていたことでしょう。
 クイケン・アンサンブルの一員として、ラ・プティット・バンドのコア・メンバーとして、数え切れないほどのバッハ演奏を行ってきたはずのヴィーラント。弟のシギスヴァルトが無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータだけでも2回全曲録音したのに較べると、ヴィーラントは無伴奏チェロ組曲にまったく手を出さずで(ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタに関してはアナログ時代に一度録音があります)、兄弟でありながら、その姿勢は極端な対照を示していました。

 1960年代初頭から、まずガンバ奏者として旺盛な演奏活動を繰り広げていたヴィーラントですが、古楽奏者として世界的に名を知られだした1967年、ヴィーラントはクレモナ地方の16世紀の名工アンドレア・アマティ(c.1511−c.1580)作のチェロを買わないかと持ちかけられています。ヴィーラントは「かつてのフランス国王シャルル9世のコレクションだった」というふれこみ付きのその楽器について、真贋に大きな疑念を抱きます。「シャルル9世コレクション」の伝説自体が18世紀後半になってようやく記録に登場することから、早くてせいぜい18世紀後半、もっと遅ければ19世紀に入ってからアマティを模して作られたものだろう、と推測したのでした。しかし、何か惹かれるものがあったのでしょう。結局その楽器を購入することになってしまいます。
 それから40年近くの時が流れ、今ではその「偽アマティ」がバッハ演奏に最もふさわしい楽器だと感じるようになったとのこと。ヴィーラントのもとには、多くの音楽学者たちから「組曲第○番は○○という楽器で○○という奏法により弾くべき」といった類の提言や学説が山のように寄せられ、可能な限りそれを吸収するように努力してきたといいます。しかしそうした長年の試行錯誤の末に「自分はバッハそのものではない」と気付き、偉大なバッハの組曲と演奏者の間をより親密な関係に置き換えて「自らの心に忠実になること」という別の結論を導き出したのでした。
 ヴィーラントは今回のブックレットの中で「無伴奏チェロ組曲をバロック・チェロで演奏することの意味がわからないわけでは決してないが、今の自分にとって"私のアマティ"で弾くのが最も楽しいことなのだ」と言い切っています。3人兄弟の中で最も内省的、まさに「古楽の求道者然」としていたヴィーラントが、40年近い試行錯誤を経て、遂に世に問うバッハの無伴奏組曲が、周囲もあっと驚くモダン楽器によるアプローチ。まさにヴィーラントの悟りの境地を反映したもの、といっても決して大げさではないでしょう。

 なお、ここではヴィーラントの2人の息子たちによるサポートも見逃せません。無伴奏チェロ組曲の第6番では、現存しない5弦の「ヴィオラ・ポンポーゾ」が指定されており、常にその処理が問題になりますが、ヴィーラントがここで用いたのは、息子フィリップが2001年に作ったチェロ・ピッコロ。フィリップ氏によれば、「チェロ・ピッコロ」さえ現存しているものに完全なものはなく、名器のレプリカを作ろうと思っても、手本がないため作りようがないとのこと。そのため、今回用いられたチェロ・ピッコロは当時の資料から離れ自由な発想で作ったものだといいます。その考え方はヴィーラントの今回の演奏ポリシーとも見事なまでの一致をみせています。
 3曲のガンバ・ソナタはヴィーラントにとって、レオンハルトとの共演盤以来、約30年ぶりとなる再録音。チェンバロを担当するのはピート・クイケン。彼もヴィーラントのもう一人の息子であり、息の合ったアンサンブルを聴かせてくれています。

【CD1】
無伴奏チェロ組曲第1番ト長調BWV.1007
無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV.1008
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV.1009

【CD2】
無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調BWV.1010
無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調BWV.1012

【CD3】
無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調BWV.1011
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第1番ト長調BWV.1027*
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番ニ長調BWV.1028*
ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第3番ト短調BWV.1029*

ヴィーラント・クイケン(チェロ、チェロ・ピッコロ、ヴィオラ・ダ・ガンバ)
ピート・クイケン(チェンバロ)*〔2001〜2002年録音〕

ユーザーレビュー

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技術的にはもっと上手く弾くチェロ弾きは多...

投稿日:2006/01/23 (月)

技術的にはもっと上手く弾くチェロ弾きは多いだろう。 しかし、クイケン氏の演奏には音楽を奏でる厳しい姿勢の中にも、楽しさ、自由さがあり思わず聴き惚れてしまう。 クイケン兄弟の中でも地味で目立たなかったヴィーラント氏だが、遅咲きの一際美しい大輪を咲かせた巨匠の成果がここにある。愛息とのソナタも、厳しい演奏ながらもどこか子を労る慈愛に溢れている。 好漢よ、益々逞しくあれ!

バッハ命 さん | 兵庫県 | 不明

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人物・団体紹介

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バッハ(1685-1750)

1685年:アイゼナハで誕生。 1700年:リューネブルクに移り、修道院付属学校の給費生として生活。 1703年:ヴァイマルの宮廷楽団に就職。 1707年:ミュールハウゼンの聖ブラジウス教会オルガニストに就任。同年、マリア・バルバラ・バッハと結婚。 1708年:ヴァイマルに移って宮廷オルガニストに就任。 1714年:楽師長

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