オペラ・アリア集　ジュノー、ビオンディ＆エウローパ・ガランテ

パイロテクニクス〜ヴィヴァルディ・アリア集
ヴィヴィカ・ジュノーの超絶技巧！

アルバム・タイトルの「パイロテクニクス」とは炎を制御する技術「火工術」のこと。ヴィヴィカ・ジュノーが駆使する歌の技巧を炎にたとえた何とも刺激的なタイトルです。 　ヴィヴィカ・ジュノーは、カウンター・テナーの大御所ルネ・ヤーコプスが惚れ込んだ、カストラートなみの音域の広さを持つメゾソプラノ。アラスカ生まれの彼女の歌唱力は、ヤーコプスが惚れ込んだだけあって、素晴らしいの一言。最初、ロッシーニやドニゼッティなど、ベルカント・オペラで高い評価を獲得した彼女は、やがてバロック・オペラでも絶賛を博すようになります。
　かつて、カストラートが誇った、幅広い音域と素晴らしいコロラトゥーラは、去勢手術をしない現代にあっては、１人の歌手の声では再現不可能といわれており、ほかならぬファリネッリを描いた人気映画『カストラート』においても、カウンター・テナーとメゾソプラノの２人の声を合成することによってなんとか再現していたというのが実情。
　ところが、このヴィヴィカ・ジュノーは、そのカストラートなみの音域の広さと素晴らしい歌唱力のおかげで、ただ１人で、伝説のカストラートのレパートリーを再現し、その力量を遺憾なく発揮することができるのです。
　今回登場するヴィヴァルディのオペラ・アリアの数々にもふんだんに超絶技巧が散りばめられており、ビオンディ指揮するエウローパ・ガランテの表現力に富む伴奏を得て刺激的な世界を築き上げています。ビオンディとはこれまでにヴィヴァルディのオペラ『バジャゼット』全曲と、アレッサンドロ・スカルラッティのオペラ『サンティッシマ』全曲でも共演して高い評価を得ていました。ジュエル・ボックス、４０ページ・ブックレット（英/仏/独語ノート、歌詞テキスト）。

【収録情報】
ヴィヴァルディ：
・『ウティカのカトー』RV705(1737) - Come in vano il mare irato
・『セミラーミデ』RV733(1732) - E prigioniero e re
・『忠実なニンフ』RV714(1732) - Alma oppressa
・『グリゼルダ』RV718(1735) - Agitata da due venti
・『忠実なニンフ』 - Destin nemico...Destin avaro
・オペラ作品不明 - Il labbro ti lusinga
・『イペルメストラ』RV722(1727) - Vibro il ferro
・『ファルナーチェ』RV711(1738) - No, ch'amar non e fallo in cor guerriero...Quell'usignolo
・『ティト・マンリオ』RV778(1720) - Splender fra'l cieco orror
・『忠実なロズミーラ』RV731(1738) - Vorrei dirti il mio dolore
・『ウティカのカトー』 - 森の中で
・『ファルナーチェ』 - Ricordati che sei
・オペラ作品不明 - Sin nel placido soggiorno
　ヴィヴィカ・ジュノー（メゾ・ソプラノ）
　エウローパ・ガランテ
　ファビオ・ビオンディ（指揮）