礒山雅

本 マタイ受難曲 ちくま学芸文庫

マタイ受難曲 ちくま学芸文庫

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    Nihei  |  埼玉県  |  不明  |  2024年02月24日

    これは世界に誇れる本ではないだろうか。内容が完璧ということではなく、論じる姿勢が完璧というか。音符、歌詞双方からのバランスの取れた全曲解説。そこにバッハ自身の蔵書からの考察といった、様々な方向からの考察が加わり、読んでて脳が刺激される。それでいて、“数”の問題など、沼にハマりそうなジャンルは、取り立て過ぎず話題としており、そのバランス感覚もよい。最後の演奏の歴史もおもしろい。 全体として、解説しながらも、著者自身の好みなども率直に述べられていて、そこも好感度高い。

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    うーつん  |  東京都  |  不明  |  2020年02月17日

      文庫版として登場した今回ようやく目を通した。バッハがこの受難曲に彫り込んだ(「書いた」では表現しきれない)楽曲・音符・聖句にこれほども深い意味と創意工夫がなされていたのかとあらためて驚いてしまった。バッハが全身全霊を込めてここに刻んだ全てはまさに、彼がよく署名した「Soli Deo gloria」の気持ちに収れんされることを理解できた。   受難曲の成り立ちからバッハの取り組みや研究、そこから得られる音楽上の効果まで丁寧に記されており私のような初心者から他のベテラン愛好者、さらには演奏や歌唱を生業とする方すべてに知見を与え、マタイ受難曲に込められた想いに光を当ててくれることになるだろう。   総じて考えると、神は遍く存在すると考えたバッハにしてみればこの長大な曲のどこをとっても神の存在を示し、その威光を称えることにつながるからこそあれほど様々な仕掛けを織り込む必要があったのだろう。この点が本書を読んで私がまず思った感想である。   また、私個人として第1部最終の楽曲に少し違和感を覚えていたものだが本書内の解説を読んで納得し、共感できたのも面白い発見だった。  バッハを愛する方、マタイ受難曲を愛する方、音楽と知的好奇心(または研究心)を結び付けておられる方におすすめしたい。

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