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Dvorak, Antonin(1841-1904)

CD Symphony No.8, In Nature's Realm : Marek Stryncl / Musica Florea (2023)

Symphony No.8, In Nature's Realm : Marek Stryncl / Musica Florea (2023)

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  21/April/2024

    ピリオド楽器オケが19世紀、ロマン派の音楽でも新鮮な演奏を披露することは、昨年大評判になったヴァーツラフ・ルクスとコレギウム1704による『わが祖国』全曲のディスクでも証明済みだが、ムジカ・フロレアによるドヴォルザーク作品の録音もいずれも見事。彼らはこの交響曲第8番を2005年にも録音しており、弦の編成が小さい(今回録音のメンバー表によれば9/8/6/5/3)ことにより、管楽器やティンパニが良く浮き立って聞こえるというHIPらしさは前回録音でも聞かれたが、18年ぶりの再録音はこの間のドヴォルザーク交響曲全集録音(特に第5番、第9番『新世界より』が目覚ましい)を踏まえて、テンポに関して、前回とは全く違ったアプローチを採っている。私にとってはドヴォルザーク交響曲中最愛の作品である第8番は第1楽章冒頭のチェロが主奏する主題に代表されるような、息の長い歌謡主題とリズミックな楽想の織り合わせによってできている名曲。今回、シュトリンツルが採用したのは、楽想に応じてテンポを柔軟に変えるという、曲の要求に応じた、いわば当然な戦略。インテンポという概念は両大戦間の「新即物主義」世代の発明であり、18世紀や19世紀の音楽にはもともとほぼ無かった発想だから、これも「先祖返り」の演奏と言える。たとえば第1楽章では、故意にテンポを落とした展開部からアッチェレランドしつつ再現部に持ち込むあたり、面白いがまことに理にかなっている。コーダも少しタメを作ってから、急速な終結部に突入する。終楽章では自在なアゴーギグが、ホルンのトリルがめざましい例の変奏曲第2楽想でまさしくパロディックな、抱腹絶倒の効果を生んでいる。

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