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バッハ(1685-1750)

CD フランス組曲全曲 バケッティ(2CD)

フランス組曲全曲 バケッティ(2CD)

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    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2012年11月14日

    ちょっと重みのない表現で恐縮ですが、良い意味でとても面白い演奏と思います。フランス組曲は、「パルティータ」に次ぐBachの傑作組曲で、演奏もチェンバロ・ピアノ双方に非常に多いですが、意外に名演と言えるものは少ない。A.Bacchettiのこの録音は、面白さという点ではチェンバロによるルセ以来かも知れません。ピアノによる多くのBach演奏は、過去30年近く、表面上Gouldの影響を受けてるけれど、その中味は一皮むけば19世紀を引き摺るロマンティックなものという、「ヒツジの皮を被ったオオカミ」的な演奏が横行しており、特にこのフランス組曲はその傾向が極めて強く、外面上の典雅さに惑わされない本質的な名演は数える程でした。A.BacchettiはGouldが亡くなった時、おそらく4-5歳、ToscaniniやFurtwanglerはもちろん、ひょっとしてKarajanの全盛期すらリアルタイムでは知らないような若さでしょうが、その演奏からは古典派〜ロマン派〜新即物手技に至る、18~20世紀のクラシック演奏伝統の影響がほとんど感じられず、さりとて反対の意味で表面上G.Gouldに引き摺られることも全く無く、全く新しい世代が自分の感性と自分の時代を背景に、まっさらの眼で音楽に相対してその魅力を紡ぎ出す自由さに溢れています。抽象的な性格も強いGoldbergと違って、もろ時代の制約を受ける組曲を多く含んでいるだけに、バロック音楽演奏としては問題もあります。特に傑作と言える5番、6番などは、ルネサンス〜バロック音楽の様々な舞曲とそのリズムが、さながら百花繚乱の如くに聴かれるので、Bacchettiの歴史的背景を(未だ?)充分に踏まえていない演奏では(この点でGouldがあの時代にどれだけ優れた歴史的感性を有していたかは驚くべき)、どうしても充分その魅力を明らかに出来ていない印象が否定できません。ただそれでも、どちらかと言えば地味な前半3曲の多彩で魅力的なことは驚くべきで、この若い奏者のBach音楽に対する適合性の良さと、リズムと声部構築の直感の凄さを感じないではいられません。未完成な部分は多いでしょうが、それでも、これだけ魅力的でBachの本質に迫り得るピアノ演奏は貴重と思います。Bachに傾倒される方なら、ぜひ一聴をお薦めしたいです。

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