Rock Show Dvd

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    けろりん  |  山口県  |  不明  |  2013年06月11日

    当初アナウンスされたTシャツつきの限定盤はアーティスト側の意向ということで残念ながら発売中止となってしまいましたね… ともかく自分はBeatlesは「1」がリリースされた頃からファンになり、その後ポールの来日もありBeatlesの作品をコンプリートしてからはポールのソロを自然に聴くようになりました。当然Wingsも聴くようになりその頃にはROCKSHOWはとっくの昔に廃盤になっており、ネットで手に入れたブートのDVDで飽きるほどに観てきました。 今回の待望のリイシュー(ポールのソロの方が好きな自分にはLET IT BEよりも待ち望んでました)に合わせて30年以上を経ての劇場公開もあり自分は1回だけですが大画面と大音量でROCKSHOWを初めて満喫してきました。 劇場用のものはBlu-rayやDVDとは違い、そのために用意されたDCP上映だったのとポールからの味わい深いメッセージつき。途中リンダはもちろんジミーやジョーには言及しているのにデニー・レインについては一言も話していなかったのでやはり今でも確執があるのかと思ったりして(^_^;) というのはありますが発売されたBlu-rayも映像に関してはとても綺麗です。これは文句のつけ所がないでしょう。昔の映像と比べてみればどれだけ向上しているかは一目瞭然です。 しかし、今まで飽きるほどに観てきた自分にはただ1つ今回リミックスされた「音」の方には違和感を感じてしまいました。 恐らくこれから何の先入観もなく初めてポールのアーティスト、パフォーマーとしてピークの時期を記録した素晴らしいこの作品に初めて触れる人には何も問題ではないかと思いますが、自分には今回のリミックスでコーラスのフェイダーがこれでもかと下げられてしまったのがとても残念でなりません。 Wings over Americaに関してはリマスターなので音の印象が著しく変わるほどではありません。ボーナスディスクのミックスも当時ライヴ録音を担当したエンジニアが行っているので個人的には大満足。 しかしこのROCKSHOWの方は今回アビイ・ロード・スタジオのガイ・マッセイさんという方が担当しています。Beatlesのリマスターも担当されていますが何故このようなミックスになってしまったのか… ブックレットの冒頭にこのリマスターをリンダとジミーに捧げると書いてありますが、リンダの声はMCのとき以外ほとんど聴こえてきません。 自分はWingsで一番好きなのはポール・リンダ・デニーの美しい三声コーラスなのにこれが今回奪われてしまいました。 それともう一つ、LPCMステレオで視聴しているとポールのものに限らずデニーやジミーの演奏するベースの音が曲の途中でオフ気味になったりオンに戻ったりを最初から最後まで繰り返します。それに合わせて音の定位も不安定になります。いろいろレビューをネット上で拝見していると5.1chの方は音の定位がぐるぐる変わるようですが、それとは何か違うような気が… 確かに昔のミックスは画面上に映った人物の演奏する楽器や歌声が一番目立つようなミックスになってはいましたが今回のはそういう感じではありません。ランダムです。曲の基盤となるリズム隊のベースの音量があんなに変化してしまってはとても気持ち悪いです。しかもポールのファンである自分はあのリッケンバッカーの音にこそ意識を集中して聴くというのに。。 メーカーのヤマハミュージックアンドビジュアルズに問い合わせたところ、再生機器やつないでいるアンプやスピーカーの設定を調整すれば気にならなくなるのではと説明してくださいましたが自分の環境では改善はみられず…テレビに接続してヘッドフォンで聴いてみてもやはり同じでした。更にTwitterのフォロワーさんの情報によるとこの方もメーカーに問い合わせされたそうで、メーカーの方がイギリスに問い合わせてくれたところこういう仕様のミックスなのだという説明だったそうです。 もはやこれほどまでにこだわって観聴きしているのは自分ぐらいなんだろうと最近は『ROCKSHOWは観て楽しむ』、『Wings over Americaは聴いて楽しむ』と割り切ることにしました。 「THE McCARTNEY YEARSのようなミックスにしてくれればよかったのに」とか言っててもあとのまつり。 とネガティヴなことばかり書いてしまいましたが、こういった点が特に気にならない方や今回初めて観られる方には特に問題ないかと思います。 昔のソフトは7曲もカットされブートでもその楽曲は驚くほどの低音質・低画質でしか観られなかったものが全て収録されているしピッチも狂っていたのが正常なものに直っています。 映像はとても鮮明で、分離がよく各楽器の音が綺麗に聴き取れますしコーラスが小さい分リードボーカルの声はとても生々しく聴こえてくるようになっています。 Beatles以後の人生に果敢に挑戦し、当初は多方面からの批判もありながらリンダやバンドのメンバーとともに2つめのバンドで再びナンバーワンを勝ち取ったポール。 Beatles時代のイメージからポールはバラードだとかポップなものばかりと思われることも多いかも知れませんが、有能なバンドメンバーとホーンセクションを従えリッケンバッカーのベースを弾きまくりながらシャウトしているポールは文句なくロックスターです。 Beatlesを好きな人は観ておいて損はないと思う。 素人同然からスタートして立派なアーティストに成長してチアリーダー的な役割も果たしているリンダ、ポールを懸命に支えるデニーのマルチプレイヤーぶり、若くして亡くなったのが非常に悔やまれるジミーの凄腕なギター、美声がほぼ聴こえないのが残念ですが表情豊かに楽しそうに躍動的にドラムを演奏しているジョーも是非観てほしいと思います。 ということで「音」の面で星を1つだけ減らさせていただきました。それ以外は大満足です。長々と私的なレビューで失礼しました。今でも元気でいてくれるポールにありがとう!

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