吉田秀和 レビュー一覧 2ページ目

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商品ユーザーレビュー

141件
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  • タイトルに何のひねりもないエマーソン、レイク&パー...

    投稿日:2021/01/03

    タイトルに何のひねりもないエマーソン、レイク&パーマーみないなもんだが、タイトル通りに3人の指揮者に関する吉田秀和の文章を集めたものです。著者没後にこのようなまとめ編集本が出始めたが、やはり読み“返し”やすいので、こういう再販は賛成です。 今回の3指揮者に関するものでは、チェリビダッケの部分が一番面白い。比類のない孤高の指揮者だと認めつつ好むという感覚になり切れない著者の気持ちがよく伝わってくる。比喩がいちいち“そうそうその通り”と膝を叩いてしまうくらいにちょうど良いニュアンス満載で、フランス音楽に関する章でのチェリの演奏をレストランのサービスや雰囲気に例えている部分などは、なるほど自分のこのモヤモヤした感触を言葉にするとこういうことかと思えてしまう。 とこのような感想を記しようと考えてながら読み進めていて最後の解説にたどり着くと、解説の渡辺和彦が同じことを指摘しておりました。

    Nihei さん |40代

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  • ミケランジェリの全盛期は1950〜70年代頃で、晩年は心臓の病...

    投稿日:2015/03/06

    ミケランジェリの全盛期は1950〜70年代頃で、晩年は心臓の病の影響で技巧が衰えた、などという人がいる。 確かに、切っ先鋭い演奏は1950年代のライヴ録音に顕著だが、一方、当演奏も決して技巧は衰えておらず、加えて、壮年期にはない伸びやかさを獲得している。老いたりとは言え、決して誰かのように「ひび割れた骨董品」には些かも陥っていない。 指揮を務めるコード・ガーベンは、マネージャーとして、この気難しいピアニストと“綱渡り”をしてきたことでも知られる。オケは北ドイツ放送響だが、名巨匠ヴァントに鍛え上げられた合奏能力は確かで、ガーベンの棒のもと、好サポートぶりを見せる。因みに同オケは1993年にも、フリードリヒ・グルダの弾き振りで20番をライヴ録音しており、聴き比べも面白い。共に天才だが、その性質は似て非なるものだ。奔放なグルダに対し、ミケランジェリはあくまで理知的なコントロールが効いている。ライヴだからといって興に入りすぎて突っ走ることなど皆無であり、むしろ怖いくらいクールだ。 録音も、ミケランジェリの美音をよく捉えている。

    遊悠音詩人 さん

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  • その完璧主義ゆえ、極端にレパートリーが少なかったミケランジェ...

    投稿日:2015/03/04

    その完璧主義ゆえ、極端にレパートリーが少なかったミケランジェリだが、《謝肉祭》は好んで演奏していたらしく、録音もいくつか存在している。 有名なのは1957年のDG盤で、モノラル録音だが擬似ステレオ化されている。人工的な音響は現代人の耳にはやや違和感を覚える。だが、後年の演奏に比べて、より技巧が冴えている点で、評価は高い。 同年にライヴ収録されたものも、テスタメントから出ている。こちらはモノラルだが、ライヴゆえか、より緊張感があり、ピアノの音もよりタイトに響いている。 1973年には二種類のライヴ録音が収められた。一つは、メンブランから10枚組のボックスとして出ているものだ。ボックス自体は玉石混交の詰め合わせだが、《謝肉祭》は録音状態がよい。1957年収録の両者よりテンポが遅くなり、丁寧かつ彫りの深い演奏になっている。もう一つは来日公演盤で、ALTUSからリリースされている。基本的なコンセプトはメンブランのものと同一だが、完成度の高さでは一枚上手だ。録音も、丁寧なリマスタリングが奏功し、ミケランジェリのライヴ盤の中でも屈指の出来映えだ。ゆえにこの盤を、ミケランジェリの、いや《謝肉祭》そのもののベスト盤に推したいと思っている。 では当盤の演奏はどうか。結論から言えば、録音で相当損をしている。正規録音のはずだが、ピアノの音がまるで玩具のようであり、ミケランジェリ特有の煌めくような高音が、全く再現出来ていない。だからではないが、ミケランジェリらしからぬ粘着質な演奏に聞こえてしまうのだ。完璧主義者の彼が、前述の来日公演盤から僅か2年後にこんなに劣化するとはとても思えず、非常に残念。 ミケランジェリの《謝肉祭》は、ALTUS盤(ALT174)で決まりである。

    遊悠音詩人 さん

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  • 新たにALTUSからチェリビダッケとの共演盤が出た今日におい...

    投稿日:2015/03/03

    新たにALTUSからチェリビダッケとの共演盤が出た今日においては、そちらを第一に推薦したい。録音の優秀さも相俟って、ピアノの音がよりタイトに響くし、チェリビダッケの微細を穿つ絶妙なバックも、ジュリーニの上を行く。 とはいえ、この盤の価値が損なわれることはない。何しろ、大の録音嫌いのミケランジェリが生前リリースを許諾した唯一の《皇帝》である。磨き抜かれた美音が、ホールに満遍なく広がる。煌めくような高音と鋼のような低音、そして、細やかで整然とした中音域。それらが絶妙なバランスで絡み合い、得も言われぬ絢爛な音響世界をつくりだす。 有名な録音なだけに、色々な盤が存在するが、国内盤よりドイツ盤の方が、音にふくよかさがあってオススメだ。

    遊悠音詩人 さん

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  •  私自身は先にエッセー本を購入し、「ここに書いてあ...

    投稿日:2015/01/04

     私自身は先にエッセー本を購入し、「ここに書いてある曲を聴きながら読めたら…」と思ったらこのCD版の存在を後づけで知り購入したクチ。  筆者あとがきにもあるようにあの本にある歌曲全部集めるのは至難、このCD版は非常にありがたい。同時に歌曲の広い世界に分け入りたい場合にも「あ、これいいな。」と発見が多い選曲と質の高さが嬉しいところ。   今までシブすぎ(の先入観)で敬遠していたヴォルフも少しずつ聴いていきたくなったし、プーランクの歌曲にも興味がわきつつあるなど効果も出始めている。 エッセー本と合わせての「ご使用」が良いと思うが、一度に読むことはせず、折に触れてページをひも解くやり方がおすすめ。       肩ひじはらず、ふわっと歌曲の世界にいざなってくれる良書と思う。 吉田秀和さんの人生の中で触れたものを聴く、というより氏が「人間」としてたどってきた道は、我々も多少の差こそあれ同じような体験をしていくであろうし、その道中で滋養のような意味で歌が聴かれていくのでは…という共感をもって読んで聴くことができるのではなかろうか。 吉田秀和さんからのGift(贈りもの)として大事にしていきたい。ありがとうございました。   

    うーつん さん

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  • 若いときはロマン派から近・現代の血湧き肉躍るような...

    投稿日:2014/09/25

    若いときはロマン派から近・現代の血湧き肉躍るような作品ばかり好きだった(ハルサイとかマーラーとか・・)モーツァルトの作品はみな同じように聴こえてきて退屈・・・それが四十を過ぎてからだろうか・・モーツァルトの作品を聴くと心が落ちつくように感じ始めたのは・・・遅ればせながら,吉田氏がご逝去されてから氏の本をかき集めて読みはじめた。さてこの本だが,読みながら掲載されているディスクを聴いてみる・・・「なるほど氏の言うとおり!!」と思う箇所が山のように出てくるではないか。それがおもしろくてここ最近モーツァルトのCDばかりを片っ端から集めている・・・散財(汗)

    モーリス・ドビュッシー さん

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  • 『名曲のたのしみ、吉田秀和』書籍化シリーズの一環で...

    投稿日:2014/09/19

    『名曲のたのしみ、吉田秀和』書籍化シリーズの一環で、1980年4月から1987年2月にかけて、約7年間にわたって放送された「モーツァルト その音楽と生涯」の書き起こしシリーズの第2巻。1981年7月12日放送の第53回から1982年10月10日放送の第102回まで、モーツァルト16歳から20歳までの青年期の軌跡 と作品が語られている。この時期はモーツァルトはイタリア留学、ウィーン旅行と忙しく各地を巡っていた頃で、様々な知識を吸収し楽嚢を豊かにしていった。その詳細を吉田氏が説き起こしてゆく。 読んだ印象は、第1巻のレビューで書いたのとほぼ同じである。30年以上前の放送内容なので、番組内で紹介されている音盤や吉田氏の楽曲解説は現在の視点からすると一時代前のものになっている感は否めない。西川彰一プロデューサーもまえがきで「しかし本書はモーツァルトの研究書ではない。あくまでも吉田さんが八〇年代のリスナーに語りかけ、日本のモーツァルト・ファンを育てた一時代の記録」と書かれており、情報の斬新さというよりは吉田氏の含蓄の深さ、視野の広さ、そして表現の豊かさを楽しむための本であろう。 選ばれた演奏家はおなじみのカラヤン、ベームのほかミュンヒンガー、アンダ、グリュミオー、ケーゲル、スウィトナー、ボスコフスキーなど今となっては懐かしい顔ぶれが並んでおり、年季の入ったクラシックファンにはたまら ないだろう。付録のCDには当時の放送録音がそのまま収録されている。当時70歳前後の吉田氏の口調には活気があって楽しく、第1巻と同様に懐かしく聴いた。

    金山寺味噌 さん

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  • 『名曲のたのしみ、吉田秀和』書籍化シリーズの一環で...

    投稿日:2014/07/21

    『名曲のたのしみ、吉田秀和』書籍化シリーズの一環で、1980年4月から1987年2月にかけて、約7年間にわたって放送された「モーツァルト その音楽と生涯」の書き起こしシリーズの第1巻。音楽史上最高の天 才モーツァルトの少年時代の作品が中心に紹介されている。神童の名をほしいままにしていた少年モーツァルトだが、現在ではこの頃の作品は”若書き”と見なされ聴く機会は意外と少なかったりするので、吉田氏の解説で丁寧に語られるのはありがたい。 ただ、30年以上前の放送内容なので、番組内で紹介されている音盤や吉田氏の楽曲解説は現在の視点からすると一時代前のものになっている感は否めない。西川彰一プロデューサーもまえがきで「あくまでも吉田 さんが八〇年代のリスナーに語りかけ、日本のモーツァルト・ファンを育てた一時代の記録」と書かれており、情報の斬新さというよりは吉田氏の含蓄の深さ、視野の広さを楽しむための本であろう。とはいえ選ばれている音盤はベーム指揮ベルリン・フィルの交響曲全集やカラヤン&ムターのヴァイオリン協奏曲など以前からの愛聴盤なのでうれしいのだが(笑)。 付録のCDには当時の放送録音がそのまま収録されている。当時70歳前後の吉田氏の口調には活気があって楽しく、懐かしい。

    金山寺味噌 さん

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  • 僕の音楽観の基礎はこの本で築かれたと言っても過言で...

    投稿日:2014/07/21

    僕の音楽観の基礎はこの本で築かれたと言っても過言ではない。 何度通読しても読み飽きることのない、文字通り座右の一冊である。 クラシック音楽、特に指揮者について思いを巡らすことの楽しさ をこの本から教えられた。吉田さん、勉強になりました。

    金山寺味噌 さん

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  • 吉田秀和氏の「名曲のたのしみ」書籍化シリーズ第3巻...

    投稿日:2014/06/15

    吉田秀和氏の「名曲のたのしみ」書籍化シリーズ第3巻。吉田氏独特の朗らかで飄々とした語り口が蘇ってくるようだ。こうして文章化されたものを読んでみると、番組で語られていた言葉の一つ一つが綿密に推敲され計算されたものであったことがよくわかる。該博な知識と豊かな教養の持ち主 だった吉田氏ならではであろう。 「名曲のたのしみ」を聴いたあとは、何か少しだけ自分が賢くなったような気分になったものだった。吉田氏は自身が知的好奇心の塊のような人だったが、リスナーの知的好奇心を刺激する人でもあった。それゆえ「名曲のたのしみ」は多くのリスナーに永く愛聴されていたのだろう。

    金山寺味噌 さん

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