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西洋音楽史 「クラシック」の黄昏 中公新書

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    Tan2  |  神奈川県  |  不明  |  14/April/2021

     この本は決して「入門書」とか「分かりやすい解説書」の類ではない。逆に、かなりクラシック音楽を聴きこんだ愛好家が、300年のヨーロッパ音楽を捉え直して再整理し、「クラシック音楽の大きな流れ」を大局的につかみ直すための本だと思う。個別の作曲家や代表的な音楽を聴きなじんでいる、それらに対する自分なりの位置づけや評価をすでに確立している人が読む本なのだろう。  そういった予備知識をもってこの本を読むと、帯にあるように「流れを一望」できて、自分なりに納得できる「クラシック音楽史」を形成できると思う。それが「正しい」とか「教科書通り」ということではなく、あくまで「自分にとってのクラシック音楽史」ということで。その意味で、音楽愛好家の一人一人が「自分にとってのクラシック音楽と何か」「自分は何故この音楽を聴くのか」を問うときに、この本は非常に大きな啓示と道しるべを与えてくれると思う。  さらにいえば、副題に『「クラシック」の黄昏』とあるように、著者は現代における「クラシック音楽の聴かれ方」は、「黄昏」もしくは「既に終わっている」と位置付けているようである。つまり「過去の音楽しか聴かない」ところに「音楽史」などできようがない、ということ。それでは、20世紀後半、そして21世紀のクラシック音楽は、どのような歴史を形成していくのだろうか。

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