タチアーナ・ニコラーエワ


タチアーナ・ニコラーエワ、1989年ギリシャ・ライヴ
バッハ:3声のリチェルカーレ、シューマン:交響的練習曲、スクリャービン:悲劇的な詩、他


タチアーナ・ニコラーエワ[1924-1993] が晩年の1989年にギリシャで行ったライヴが残っていました。彼女は急逝する直前まで旺盛な演奏活動を繰り広げており、この65歳時のものも見事のひとことに尽きる至芸を披露しています。
 ニコラーエワのピアニズムは正確な技巧による曖昧な所の全くない楷書風のものですが、人間的な大きさと温かみもあふれ、今日でも熱烈なファンを持っています。十八番であるバッハの『音楽の捧げもの』冒頭の『3声のリチェルカーレ』で誰にも真似できぬ壮大な宇宙に圧倒されます。シューマンの『交響的練習曲』はこれまでニコラーエワによる録音のなかった作品ですが、まさに巨匠芸で説得力満点。同曲屈指の名演のひとつと申せましょう。同様にニコラーエワのディスコグラフィになかったラヴェルの『鏡』とスクリャービン、さらに『展覧会の絵』の『殻をつけたヒヨコのバレエ』も興味津々。いずれも目から鱗の落ちる解釈で、さすがニコラーエワと唸らされます。ニコラーエワの骨太な男性的ともいえるタッチと、繊細なスクリャービンの組み合わせが意外なものの、むしろスクリャービンがロシア音楽であることを再認識させてくれる素晴らしさ。ムソルグスキーも軽快でなくどす黒い闇を感じさせます。ピアノ関係者必聴の貴重な遺産です。(輸入元情報)

【収録情報】
● J.S.バッハ:音楽の捧げ物 BWV.1079〜『3声のリチェルカーレ』
● J.S.バッハ:フランス組曲第4番変ホ長調 BWV.815
● シューマン:交響的練習曲 Op.13(1852年版)
● ラヴェル:鏡〜『悲しい鳥たち』『洋上の小舟』
● スクリャービン:左手のための前奏曲と夜想曲 Op.9
● スクリャービン:悲劇的な詩 Op.34
● ボロディン:小組曲〜『僧院にて』
● ムソルグスキー:展覧会の絵〜『殻をつけたヒヨコのバレエ』
● プロコフィエフ:前奏曲 Op.12-7

 タチアーナ・ニコラーエワ(ピアノ)

 録音時期:1989年4月3日
 録音場所:ギリシャ、ヘロディス・アッティコス音楽堂
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
5件中 1-5件を表示
50件 100件 200件
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

チェックした商品をまとめて

チェックした商品をまとめて