東京を拠点とし、「Distorted, Fast and Core」を自称するハードコア・バンドの1st。なんというか、バケモノのようなアルバムだ。ハードコアにブラックメタルやポストロックを正面衝突させ、煮えたぎるフラストレーションをそのまま音に転化。ブラストビートに乗せた、悲痛で切なく、でもどうしようもなく美しいメロディが、まるで壁のように密度の高い、巨大なサウンドとともに襲いかかってくる。2014年リリースのハードコア作のなかで、最大級の衝撃を持つ1枚。

元SUPEのKihiro（vo）率いるLOKAの、2枚目のフル作。これまでの作品では、当初掲げていた「Sexy, Bad & Heavy」というスローガンの通り、きらびやかでアッパー、そしてチャラさ（もちろん狙ったもの）のある作品だった。が、今回はそこから脱却。やわらかなメロディやJ-POP的な展開で日本人の琴線をくすぐりつつ、エッジの立ったヘヴィさも併せ持つ、エモーショナルなラウドロックに仕上がった。プログラミングも控えめながら、曲の情感をうまく引き立てている。ド派手な音で高揚感を煽るのではなく、いい曲がまっすぐに訴えかけてくるアルバムだ。

日本のヘヴィロックでも有数の実力派、HEAD PHOINES PRESIDENTの4枚目のアルバム。前作『Stand In The World』から顔を見せ始めた、暗い雲を晴らす様な力強さと明るさと、シアトリカルかつダークなサウンドを見事に調停。同機を効果的に取り入れたり、いきなりジャズやファンクに展開していく等、新しい要素も取り入れ、ネクスト・レベルへと到達した。Anzaも初めてラヴソングに挑戦する等、意欲十分だ。まだまだ秘めたる可能性を感じさせる作品。

2000年代前半、UKから登場した突然変異体、Sikth。2枚のアルバムを残して解散した彼らが、まさかの復活だけでなく、Cyclamen率いるRealising Mediaによって10月に来日が決定!　これは2枚目（1stは廃盤）。1stよりも洗練されているが、その変態的な曲構成には磨きがかかっている。これを聴かずして、現在のプログレメタル／ジェント、カオティック・ハードコアを語ってはならない!　東京のみだが、ラストチャンスになりかねない来日もぜひ!

昨年、9年ぶりのフルアルバム『S.O.S』で見事な復活を果たしたG-FREAK FACTORYが、それから1年でミニ作をリリース。『S.O.S』を凝縮したかのような内容で、レゲエにパンク／ハードコアといった各要素がさらに濃厚になった。張りつめた空気に息を飲む“FOUNDATION”から、スカに初挑戦した“アシアトカゼノオト”、牧歌的な“ONE WAY ROCK TRAIN”と、挑戦的な側面も。強く、厳しく、熱く、優しいドレッドロックが、さらに一段階上に押し上げられた、快作だ。