伝説のフランス弦楽四重奏団(22CD)
往年のフランスの弦楽四重奏団、カペー四重奏団、カルヴェ四重奏団、レーヴェングート四重奏団の録音を集めたセットがARS NOVAレーベルから登場。ARS NOVAからはすでに、
パスカル四重奏団、
シュナイダー四重奏団、
ハリウッド弦楽四重奏団、
ブダペスト弦楽四重奏団というマニアックなカルテット・ボックスがリリース済みですが、今回は往時のフランス室内楽の魅力で知られる3団体のコレクションという興味深い内容となっています。
カペー四重奏団
1893年、パリ音楽院を卒業したばかりの20歳のヴァイオリニスト、リュシアン・カペー[1873-1928]によって結成された「カペー四重奏団」は、以後、カペーが亡くなる1928年まで、メンバー交代を続けながら35年間に渡って活動(途中、カペーの南仏での教職勤務と第1次大戦による活動休止期間が計8年間あったので、実質的には27年間)。
在籍メンバーの累計数は11名。内訳は、第1ヴァイオリン1名、第2ヴァイオリン3名、ヴィオラ3名、チェロ4名となっており、演奏者の組み合わせで見ると、5通りのアンサンブルが存在したことになります。
主宰者のリュシアン・カペーは、パリ音楽院でジャン=ピエール・モーラン[1822-1894]に師事。モーランは「ベートーヴェン後期弦楽四重奏曲協会」を共同設立してパリで演奏していた人物で、パリ時代のワーグナーも彼らの演奏に接して絶賛。カペーは在学中、モントゥーがヴィオラを弾いていた「ジェローソ四重奏団」の演奏にも参加するなど経験を蓄積、1893年、卒業後間もなく、第2ヴァイオリンのC.ジロン、ヴィオラのアンリ・カサドシュ[1879-1947]、チェロのシャルル=ジョゼフ・フュレーと共に、自前のカルテット「カペー四重奏団」を結成するに至っています。
カペー四重奏団結成当時は、無名のカルテットが専業で食べて行くのはまだ難しい時代で、リュシアン・カペーも1896年にはラムルー管弦楽団のコンサートマスターを兼務するようになり、1899年に南フランスのボルドーで教職が決まった時には、地理的に兼務不可能ということで、カルテット活動とコンサートマスター活動をあっさり終わりにしています。
しかし1903年にボルドーの音楽院を退職後、パリに戻って、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で成功を収めると、臨時編成でベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番を演奏する機会にも恵まれます。再びカルテットへの情熱が湧きあがったリュシアン・カペーは、「カペー四重奏団」を再結成。ヴィオラは前回と同じくアンリ・カサドシュで、第2ヴァイオリンはアンドレ・トゥーレ、チェロはルイ・アッセルマンというメンバー構成。2年後にアンリ・カサドシュが自身の「古楽器協会アンサンブル」での活動のために退団、ルイ・バイイに交代しています。
カペー四重奏団の知名度は結成当初よりは上がっていたものの、やはり収入には厳しいものがあったため、カペー本人は1907年からパリ音楽院の室内楽の教授も兼務。しかしメンバーのトゥーレ、バイイ、アッセルマンにはそのことへの不満もあったようで、1909年に彼ら3人がいっせいに退団するという事態に陥ります。
困り果てたリュシアン・カペーは、マルセル・カサドシュ[1882-1914]とアンリ・カサドシュのカサドシュ兄弟、およびアンリの「古楽器協会アンサンブル」に所属していたモーリス・エウィット[1884-1971]と契約し、さらに練習場所としてカサドシュ邸を使わせてもらうことでコストを削減。活動は軌道に乗り、1910年には、パリ音楽院の上司(院長)フォーレと共に、ロシア帝国のモスクワを訪れ、フォーレの室内楽曲を紹介、1911年にはボン・ベートーヴェン音楽祭にフランス代表で参加して高評価を獲得。同じシーズンに、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏会をパリのサル・プレイエルで実施し、以後、毎年のようにパリでベートーヴェン連続演奏会を実施。
しかし1914年に第1次大戦が始まると、フランスは対象年齢者への徴兵が厳格だったため、リュシアン・カペー以外は出征することになり活動は休止(第1次大戦にはかつての弟子ミュンシュがドイツ軍下士官として出征してもいました)。その間、リュシアン・カペーは研究と著作に没頭し、1916年に「運弓のテクニック」を、パリのセナール社から出版。
1918年、戦争が終わってカルテット再開となりますが、マルセル・カサドシュはすでに戦死しており、アンリ・カサドシュは自身の「古楽器協会アンサンブル」と作曲で忙しく復帰できないため、ヴィオラのアンリ・ブノアとチェロのカミーユ・ドゥロベールと新たに契約。
戦時中の研究の成果と教育者としての指導力を活かすべく、新メンバーではまず徹底的なトレーニングをおこなうこととし、1918年から1年間ほどは長時間の強化練習を幾度もおこなってアンサンブルの精度を高めることに成功、1920年から解散までの8年間で500回を超える演奏契約を結ぶことに繋がって名声も高まり、実用化されて間もない電気録音でのレコーディングにも取り組むようになります。
録音で確認できるカペー四重奏団の芸風は、リュシアン・カペー発案の絶妙な運弓法に加え、ノン・ヴィブラートと19世紀的なポルタメントが印象的なもので、独特の雰囲気を醸し出しています。
1893-1899 (6年間)
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:C.ジロン
ヴィオラ:アンリ・カサドシュ
チェロ:シャルル=ジョゼフ・フュレー
1903-1905 (2年間)
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:アンドレ・トゥーレ
ヴィオラ:アンリ・カサドシュ
チェロ:ルイ・アッセルマン
1905-1909 (4年間)
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:アンドレ・トゥーレ
ヴィオラ:ルイ・バイイ
チェロ:ルイ・アッセルマン
1909-1914 (5年間)
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:モーリス・エウィット
ヴィオラ:アンリ・カサドシュ
チェロ:マルセル・カサドシュ
1918-1928 (10年間)
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:モーリス・エウィット
ヴィオラ:アンリ・ブノア
チェロ:カミーユ・ドゥロベール
カルヴェ四重奏団
1919年、パリ音楽院を卒業したばかりの22歳のヴァイオリニスト、ジョゼフ・カルヴェ[1897-1984]によって結成された「カルヴェ四重奏団」は、以後、1950年に解散するまで、メンバー交代を続けながら31年間に渡って活動(途中、第2次大戦による活動休止期間が5年間あったので、実質的には26年間)。
在籍メンバーの累計数は8名。内訳は、第1ヴァイオリン1名、第2ヴァイオリン3名、ヴィオラ2名、チェロ2名となっており、演奏者の組み合わせで見ると、3通りのアンサンブルが存在したことになります。
主宰者のジョゼフ・カルヴェは、パリ音楽院でギヨーム・レミー[1856-1923]に師事。1919年、卒業後間もなく、第2ヴァイオリンのジョルジュ・ミニョー、ヴィオラのレオン・パスカル、チェロのポール・マスと共に、自前のカルテット「カルヴェ四重奏団」を結成。
10年後の1929年には、第2ヴァイオリンのジョルジュ・ミニョーが退団してダニエル・ギレヴィチ[1899-1990]が入団。ギレヴィチはパリ音楽院でギヨーム・レミーに師事していたカルヴェと同門のヴァイオリニスト。前年にカペー四重奏団が解散していたため、カルヴェ四重奏団の人気は急上昇し、レコーディングの話も多く舞い込んできます。
しかし1939年に第2次大戦が始まると活動を休止。第2ヴァイオリンのダニエル・ギレヴィチはユダヤ系のためアメリカに渡り、ギレと改名して、ギレ四重奏団を結成。
カルヴェ四重奏団は、フランスがドイツの占領から解放された1944年には新たなメンバーを3人集めて活動を再開。第2ヴァイオリンがジャン・シャンペイユ、ヴィオラがモーリス・ユッソン、チェロがマニュエル・ルカサンというメンバーで、戦後の音楽需要の高まりもあって成功を収めます。
しかし6年後、ジョゼフ・カルヴェがパリ音楽院の教授に就任し、夏にはニース国際音楽アカデミーでも教えるようになると時間が取れなくなり解散しています。
カルヴェ四重奏団は、カペー四重奏団の四半世紀後にデビューしていますが、最初の9年間は活動期間が重なっており、何かと比較されることも多かったようですが、カペー四重奏団の解散後は人気が集中、レコーディングの数も一気に増えていきます。特にドイツでの人気が高く、国策レーベルのテレフンケンにも多くのレコーディングをおこなっていました。
1919-1929 (10年間)
第1ヴァイオリン:ジョセフ・カルヴェ
第2ヴァイオリン:ジョルジュ・ミニョー
ヴィオラ:レオン・パスカル
チェロ:ポール・マス
1929-1939 (10年間)
第1ヴァイオリン:ジョセフ・カルヴェ
第2ヴァイオリン:ダニエル・ギレヴィッチ
ヴィオラ:レオン・パスカル
チェロ:ポール・マス
1944-1950 (6年間)
第1ヴァイオリン:ジョセフ・カルヴェ
第2ヴァイオリン:ジャン・シャンペイユ
ヴィオラ:モーリス・ユッソン
チェロ:マニュエル・ルカサン
レーヴェングー卜四重奏団
1929年、パリ音楽院在学中の18歳のヴァイオリニスト、アルフレッド・レーヴェングート[1911-1983]の呼びかけでパリで結成された「レーヴェングー卜四重奏団」は、以後、レーヴェングートが亡くなる1983年まで、メンバー交代を続けながら54年間に渡って活動。在籍メンバーの累計数は13名で、内訳は、第1ヴァイオリン1名、第2ヴァイオリン4名、ヴィオラ5名、チェロ3名となっており、演奏者の組み合わせで見ると9通りのアンサンブルが存在したことになります。
リーダーのレーヴェングートは、元カペー四重奏団の第2ヴァイオリン奏者(2代目)アンドレ・トゥーレと、室内楽に造詣の深い作曲家ロジェ=デュカスにパリ音楽院で師事しており、その影響もあってか、ベートーヴェン演奏に力を入れ、1950年にはBBCで放送局初となるベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲の放送演奏を任されてもいました。また、現役作曲家に室内楽について師事したことで、同時代の作品にも積極的に関わることとなり、これにより、ベートーヴェン、フランス物、同時代物を軸に演奏する機会が増えることになります。
レーヴェングー卜四重奏団の名声が高まるのは第2次大戦後のことで、1945年からレコーディングを積極的におこなうようになり、やがてLPの普及と共に一気に知名度が高まっていきます。
1929-1932 (3年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:モーリス・フエリ
ヴィオラ:ジャック・ジョルジュ
チェロ:ジャック・ニールズ
1932-1941 (9年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:モーリス・フエリ
ヴィオラ:ルイ・マルティーニ
チェロ:ピエール・バスー
1941-1958 (17年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:モーリス・フエリ
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ピエール・バスー
1958-1959 (1年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャック・ゴトコフスキー
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ピエール・バスー
1959-1968 (9年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャック・ゴトコフスキー
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1968-1974 (6年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャン=ピエール・サブレ
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1974-1976 (2年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャン=ピエール・サブレ
ヴィオラ:ジャン=クロード・ドゥ・ワーレ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1976-1979 (3年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:フィリップ・ラングロワ
ヴィオラ:ジャン=クロード・ドゥ・ワーレ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1979-1983 (4年間)
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:フィリップ・ラングロワ
ヴィオラ:ジャック・ボルサレロ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
【年表】
1870年
1871年
1872年
1873年
●1月8日、リュシアン・ルイ・カペー(カペーQ)、パリで誕生。パリ音楽院で勉強。
1874年
1875年
1876年
1877年
1878年
1879年
1880年
1881年
1882年
1883年
1884年
1885年
1886年
1887年
1888年
1889年
1890年
1891年
1892年
1893年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、ジェローソ四重奏団の演奏に参加。ヴィオラにはモントゥーもいました。
●リュシアン・カペー(カペーQ)、パリ音楽院をプルミエ・プリで卒業。
●リュシアン・カペー(カペーQ)、カペー四重奏団を結成。1899年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:C.ジロン
ヴィオラ:アンリ・カサドシュ
チェロ:シャルル=ジョゼフ・フュレー
1894年
1895年
1896年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、ラムルー管弦楽団のコンサートマスター兼務。
1897年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、ラムルー管弦楽団のコンサートマスター兼務。
1898年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、ラムルー管弦楽団のコンサートマスター兼務。
1899年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、ラムルー管弦楽団のコンサートマスター兼務。
●リュシアン・カペー(カペーQ)、カペー四重奏団の活動を停止し、ラムルー管弦楽団のコンサートマスターも辞任。
●リュシアン・カペー(カペーQ)、南フランスに転居し、ボルドー聖セシル音楽院とヴァイオリン教師として契約。
1900年
●3月30日、ジャック・ゴトコフスキー(レーヴェングートQ)、オデッサで誕生。1989年に死去。5歳でパリに移住し、8歳からヴァイオリン学習を開始。14歳の時にリュシアン・カペーからレッスンを受け、17歳でパリ音楽院に入学。マリユス・カサドシュ四重奏団に参加し、その後、アンリ・カサドシュの古楽器アンサンブルにも参加したほか、カペー四重奏団の第2ヴァイオリン奏者だったモーリス・エウィットの弦楽四重奏団にも参加。
1901年
1902年
1903年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、ボルドー聖セシル音楽院とのヴァイオリン教師契約を終了。
●リュシアン・カペー(カペーQ)、パリに戻り、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲にソリストとして出演。
●リュシアン・カペー(カペーQ)、フルマン・トゥーシュ、エドゥアール・ナドー、クロ・サン=タンジュとベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番を演奏。弦楽四重奏への情熱が再燃。
●リュシアン・カペー(カペーQ)、カペー四重奏団を再結成。1905年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:アンドレ・トゥーレ
ヴィオラ:アンリ・カサドシュ
チェロ:ルイ・アッセルマン
1904年
1905年
●カペー四重奏団から、ヴィオラのアンリ・カサドシュが退団し、ルイ・バイイが入団。1909年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:アンドレ・トゥーレ
ヴィオラ:ルイ・バイイ
チェロ:ルイ・アッセルマン
1906年
1907年
●12月18日、リュシアン・カペー(カペーQ)、パリ国立高等音楽院に新設されたアンサンブルのクラスを担当。
1908年
1909年
●カペー四重奏団から、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの3人が退団。カサドシュ兄弟とカサドシュのアンサンブルに所属するエウィットが入団し、1914年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:モーリス・エウィット
ヴィオラ:アンリ・カサドシュ
チェロ:マルセル・カサドシュ
1910年
●カペー四重奏団、パリ音楽院の上司(院長)フォーレと共に、ロシア帝国のモスクワを訪れ、フォーレの室内楽曲を紹介。
1911年
●6月15日、アルフレッド・レーヴェングート(レーヴェングートQ)、パリで誕生。ヴェルサイユ音楽院、ナント音楽院、パリ音楽院で勉強。
●カペー四重奏団、ボン・ベートーヴェン音楽祭に出演して成功。
1912年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、パリ音楽院で、シャルル・ミュンシュ[1891-1968]を指導。ミュンシュは2年後にドイツ帝国で徴兵され、フランス軍と戦うことになります。
1913年
1914年
1915年
1916年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、パリのセナール社から「運弓のテクニック」を出版。
●ロジェ・レーヴェングート(レーヴェングートQ)、パリで誕生。1993年に死去。
1917年
1918年
●カペー四重奏団、活動再開。マルセル・カサドシュはすでに戦死しており、アンリ・カサドシュは自身の「古楽器協会アンサンブル」と作曲で忙しく復帰できないため、ヴィオラのアンリ・ブノアとチェロのカミーユ・ドゥロベールと新たに契約。リュシアン・カペーが急死するまで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:リュシアン・カペー
第2ヴァイオリン:モーリス・エウィット
ヴィオラ:アンリ・ブノア
チェロ:カミーユ・ドゥロベール
1919年
●ジョゼフ・カルヴェ(カルヴェQ)、パリ音楽院をプルミエ・プリで卒業。
●ジョゼフ・カルヴェ、カルヴェ四重奏団を結成。1929年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:ジョセフ・カルヴェ
第2ヴァイオリン:ジョルジュ・ミニョー
ヴィオラ:レオン・パスカル
チェロ:ポール・マス
1920年
1921年
1922年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、パリ音楽院で、イワン・ガラミアン[1903-1981]を翌年にかけて指導。ガラミアンはのちにジュリアード音楽院での活躍で有名になります。
1923年
1924年
●リュシアン・カペー(カペーQ)、近代ヴァイオリン研究所を設立。共同設立者はヴァイオリニストのシュザンヌ・シェニョー[1875-1946]。
1925年
1926年
1927年
1928年
●12月18日、リュシアン・カペー(カペーQ)、パリで脳梗塞により死去。
1929年
●カルヴェ四重奏団第2ヴァイオリンのジョルジュ・ミニョーが退団し、ダニエル・ギレヴィチが入団。1929年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:ジョセフ・カルヴェ
第2ヴァイオリン:ダニエル・ギレヴィッチ
ヴィオラ:レオン・パスカル
チェロ:ポール・マス
●パリ音楽院学生アルフレッド・レーヴェングートの呼びかけで、「レーヴェングー卜四重奏団」がパリで結成。以後、1932年まで下記メンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:モーリス・フエリ
ヴィオラ:ジャック・ジョルジュ
チェロ:ジャック・ニールズ
1930年
1931年
1932年
●レーヴェングー卜四重奏団のヴィオラとチェロが交代。1941年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:モーリス・フエリ
ヴィオラ:ルイ・マルティーニ
チェロ:ピエール・バスー
1933年
1934年
1935年
1936年
1937年
1938年
1939年
●カルヴェ四重奏団、第2次大戦開戦のため活動を休止。第2ヴァイオリンのダニエル・ギレヴィチはユダヤ系のためアメリカに渡り、ギレと改名して、ギレ四重奏団を結成。
1940年
1941年
●レーヴェングー卜四重奏団のヴィオラが交代。1958年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:モーリス・フエリ
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ピエール・バスー
1942年
1943年
1944年
●カルヴェ四重奏団、フランスがドイツの占領から解放されたため、新たなメンバーを3人集めて活動を再開。第2ヴァイオリンがジャン・シャンペイユ、ヴィオラがモーリス・ユッソン、チェロがマニュエル・ルカサンというメンバーで、戦後の音楽需要の高まりもあって成功を収めます。
第1ヴァイオリン:ジョセフ・カルヴェ
第2ヴァイオリン:ダニエル・ギレヴィッチ
ヴィオラ:レオン・パスカル
チェロ:ポール・マス
1945年
1946年
1947年
1948年
1949年
1950年
●カルヴェ四重奏団、解散。ジョゼフ・カルヴェ(カルヴェQ)がパリ音楽院の教授に就任し、夏にはニース国際音楽アカデミーでも教えるようになると時間が取れなくなったため。
1951年
1952年
1953年
1954年
1955年
1956年
1957年
1958年
●レーヴェングー卜四重奏団の第2ヴァイオリンがジャック・ゴトコフスキー[1900-1989]に交代。1959年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャック・ゴトコフスキー
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ピエール・バスー
1959年
●レーヴェングー卜四重奏団のチェロがロジェ・レーヴェングートに交代。1968年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャック・ゴトコフスキー
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
●アルフレッド・レーヴェングート(レーヴェングートQ)、アルフレッド・レーヴェング・ユース・オーケストラを創設。
1960年
1961年
1962年
1963年
1964年
1965年
1966年
1967年
1968年
●レーヴェングー卜四重奏団の第2ヴァイオリンがジャン=ピエール・サブレに交代。1974年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャン=ピエール・サブレ
ヴィオラ:ロジェ・ロシュ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1969年
1970年
1971年
1972年
1973年
1974年
●レーヴェングー卜四重奏団のヴィオラがジャン=クロード・ドゥ・ワーレに交代。1976年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:ジャン=ピエール・サブレ
ヴィオラ:ジャン=クロード・ドゥ・ワーレ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1975年
1976年
●レーヴェングー卜四重奏団の第2ヴァイオリンがフィリップ・ラングロワに交代。1979年まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:フィリップ・ラングロワ
ヴィオラ:ジャン=クロード・ドゥ・ワーレ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1977年
1978年
1979年
●レーヴェングー卜四重奏団のヴィオラがジャック・ボルサレロに交代。1983年の解散まで下記のメンバーで活動。
第1ヴァイオリン:アルフレッド・レーヴェングート
第2ヴァイオリン:フィリップ・ラングロワ
ヴィオラ:ジャック・ボルサレロ
チェロ:ロジェ・レーヴェングート
1980年
1981年
1982年
1983年
●11月11日、アルフレッド・レーヴェングート(レーヴェングートQ)、死去。ほどなくレーヴェングート四重奏団は解散。
【収録情報】
CD 01
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op. 18-5
Columbia D13066-69
弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op. 59-1「ラズモフスキー第1番」
Columbia D15065-70
録音:1927年
カペー弦楽四重奏団
[Lucien Capet (1st violin), Maurice Hewitt (2nd violin), Henri Benoit (viola), Camille Delobelle (cello)]
CD 02
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調Op. 74「ハープ」
Columbia D15061-64
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op. 131
Columbia D15095-101
録音:1927年
カペー弦楽四重奏団
[Lucien Capet (1st violin), Maurice Hewitt (2nd violin), Henri Benoit (viola), Camille Delobelle (cello)]
CD 03
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第15番 イ短調 Op. 132
Columbia D15114-18
シューマン
弦楽四重奏曲第1番 イ短調 op. 41-1
Columbia D15107-09
録音:1927年
カペー弦楽四重奏団
[Lucien Capet (1st violin), Maurice Hewitt (2nd violin), Henri Benoit (viola), Camille Delobelle (cello)]
CD 04
シューベルト
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D. 810「死と乙女」
Columbia D15053-56
モーツァルト
弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 KV 465「不協和音」
Columbia D15110-113
録音:1927年
カペー弦楽四重奏団
[Lucien Capet (1st violin), Maurice Hewitt (2nd violin), Henri Benoit (viola), Camille Delobelle (cello)]
CD 05
ハイドン
弦楽四重奏曲第53番 ニ長調 op. 64-5 Hob. III: 63「ひばり」
Columbia D13070-72
フランク
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 M. 7*
Columbia D15102-06
録音:1927年
Marcel Ciampi piano*
カペー弦楽四重奏団
[Lucien Capet (1st violin), Maurice Hewitt (2nd violin), Henri Benoit (viola), Camille Delobelle (cello)]
CD 06
ラヴェル
弦楽四重奏曲 ヘ長調
Columbia D15057-60
ドビュッシー
弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10
Columbia D15085-88
録音:1927年
カペー弦楽四重奏団
[Lucien Capet (1st violin), Maurice Hewitt (2nd violin), Henri Benoit (viola), Camille Delobelle (cello)]
CD 07
ラヴェル
弦楽四重奏曲 ヘ長調
録音:1936年12月4日
Voix de son maître DB5025-28
ドビュッシー
弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10
録音:1931年6月25日
Columbia LFX210-2
カルヴェ四重奏団
[Joseph Calvet (1st violin), Daniel Guilevitch (2nd violin), Leon Pascal (viola), Paul Mas (cello)]
CD 08
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op. 18-1
録音:1936年11月23日
Telefunken E 2142-45
弦楽四重奏曲第5番 イ長調 Op. 18-5
録音:1938年10月26日
Telefunken E 2523-25
カルヴェ四重奏団
[Joseph Calvet (1st violin), Daniel Guilevitch (2nd violin), Leon Pascal (viola), Paul Mas (cello)]
CD 09
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op. 59-2「ラズモフスキー第2番」
録音:1938年10月26日
Telefunken E 2595-98
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op. 131
録音:1938年10月26日
Telefunken E 2595-94
カルヴェ四重奏団
[Joseph Calvet (1st violin), Daniel Guilevitch (2nd violin), Leon Pascal (viola), Paul Mas (cello)]
CD 10
シューベルト
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op. 125, D. 87
録音:1937年10月25日
Telefunken E 2356-58
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D. 810「死と乙女」
録音:1937年5月7-8日
Telefunken E 2282-86
カルヴェ四重奏団
[Joseph Calvet (1st violin), Daniel Guilevitch (2nd violin), Leon Pascal (viola), Paul Mas (cello)]
CD 11
ラヴェル
弦楽四重奏曲 ヘ長調
録音:1953年6月24-25日
DG 18312
ドビュッシー
弦楽四重奏曲 ト短調 Op. 10
録音:1953年3月31日-4月1日
DG 18312
ルーセル
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op. 45
録音:1950年10月2-3日
DG 18249
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin), Maurice Fuéri (2nd violin), Roger Roche (viola), Pierre Basseux (cello)]
CD 12
ピエール・ヴァション(1738-1803)
弦楽四重奏曲 イ長調 Op. 11-1
ニコラス・ダレイラク (1753-1809)
弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.7-3
ピエール・ヴァション(1738-1803)
弦楽四重奏曲 ヘ短調 Op. 11-5
ニコラス・ダレイラク (1753-1809)
弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op. 7-5
録音:1959年9&10月, Stereo
Archive 198033
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin), Jacuqes Gotkovsky (2nd violin), Roger Roche (viola), Pierre Basseux (cello)]
CD 13
モーツァルト
弦楽四重奏曲第14番 ト長調 KV 387
録音:1951年
DG 18315
弦楽四重奏曲第17番 変ロ長調 KV 458「狩り」
録音:1950年10月4日
DG 18315
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin), Maurice Fuéri (2nd violin), Roger Roche (viola), Pierre Basseux (cello)]
CD 14
モーツァルト
弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 KV 428
録音:1951年
DG 18315
弦楽四重奏曲第19番 ハ長調 KV 465「不協和音」
録音:1945年
Voix de son maître DB11120/22
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin), Maurice Fuéri (2nd violin), Roger Roche (viola), Pierre Basseux (cello)]
CD 15
ハイドン
弦楽四重奏曲第61番 ニ短調 Op. 76-2 Hob. III: 76「五度」
録音:1958年, Stereo
Eurodisc SMG 20066
弦楽四重奏曲第59番 ト短調 Op. 74-3 Hob. III: 74「皇帝」
録音:1958年, Stereo
Eurodisc SMG 20066
弦楽四重奏曲第 53番 ニ長調 Op. 64-5 Hob. III: 63「ひばり」*
録音:1950年
DG 18315
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin), Jacuqes Gotkovsky, Maurice Fuéri* (2nd violin), Roger Roche (viola), Roger Loewenguth, Pierre Basseux* (cello)]
CD 16
イベール
弦楽四重奏曲
録音:1945年
Voix de son maître DB11180/82
フランク
弦楽四重奏曲 ニ長調
録音:1955年
Epic LC-3227
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin), Jacuqes Gotkovsky (2nd violin), Roger Roche (viola), Roger Loewenguth (cello)]
CD 17
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第 7番 ヘ長調Op. 59-1「ラズモフスキー第1番」
弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op. 59-2「ラズモフスキー第2番」
録音:1961年, Stereo
Vox SVBX 43
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin Jacuqes Gotkovsky (2nd violin), Roger Roche (viola), Roger Loewenguth (cello)]
CD 18
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第9番 ハ長調 Op. 59-3「ラズモフスキー第3番」
録音:1961年, Stereo
Vox SVBX 43
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op. 74「ハープ」
録音:1960年, Stereo
Vox SVBX 44
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin Jacuqes Gotkovsky (2nd violin), Roger Roche (viola), Roger Loewenguth (cello)]
CD 19
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調 Op. 95「セリオーソ」
録音:1961年, Stereo
Vox SVBX 43
弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調 Op. 127
録音:1962年, Stereo
Vox SVBX 44
大フーガ 変ロ長調 Op. 133
録音:1961年, Stereo
Vox SVBX 43
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin Jacuqes Gotkovsky (2nd violin), Roger Roche (viola), Roger Loewenguth (cello)]
CD 20
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調 Op. 130
録音:1962年, Stereo
Vox SVBX 44
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調 Op. 131
録音:1963年, Stereo
Vox SVBX 45
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin Jacuqes Gotkovsky (2nd violin), Roger Roche (viola), Roger Loewenguth (cello)]
CD 21
ベートーヴェン
弦楽四重奏曲第15番 イ短調 Op. 132
録音:1963年, Stereo
Vox SVBX 45
弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調 Op. 135
録音:1963年, Stereo
Vox SVBX 44
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin Jacuqes Gotkovsky (2nd violin), Roger Roche (viola), Roger Loewenguth (cello)]
CD 22
シューベルト
弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D. 810「死と乙女」
弦楽四重奏曲第12番 ハ短調 (四重奏断章) D. 703
録音:1956年9月25-26日
Les Discophiles Français DF203
レーヴェングート弦楽四重奏団
[Alfred Loewenguth (1st violin), Maurice Fueri (2nd violin), Roger Roche (viola), Pierre Basseux (cello)]