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バッハ(1685-1750)

CD マタイ受難曲 カール・リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団、エルンスト・ヘフリガー、他(1969年東京ライヴ ステレオ)(3CD)

マタイ受難曲 カール・リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団、エルンスト・ヘフリガー、他(1969年東京ライヴ ステレオ)(3CD)

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    John Cleese  |  静岡県  |  不明  |  2019年12月14日

    リヒター先生のマタイ受難曲といえば、世評高いセッション録音が何度も何度もリマスター等で高音質化され発売され続けて遂にはシングルレイヤーSACD化にまで達しているのに対して、この、録音年代からすると史上二番目にあたる東京ライブはHMVレヴューにも書かれておりますように90年代にDGアルヒーフレーベルで出されて以来、再発売もなくまったく市場から忘れられていた存在でした。これに次ぐのがユニテルの映像のサントラ、そしてロマン的な振幅が大きくキビキビとした峻厳さが失われ、あまり評判の芳しくない(というよりも皆さん評価に戸惑っている感じの)最終セッション録音などと比べると、様式的にはちょうど中間点の演奏がこの東京ライブです。初期の峻厳さはそのままに、ライブならではの自由闊達さもあり、同時にライブならでは演奏上の瑕疵も含めて、個人的には実は私はこれが一番のお気に入りなのです。特にエヴァンゲリストのエルンスト・ヘフリガー先生、のちの二つの録音ではペーター・シュライヤー先生に代わってしまいましたが、ヘフリガー先生の全人格的な背景すら投影されているとさえ思わせる語りのすばらしさには遥か昔の十代から心奪われ現在に至っております。その魅力を一言でいえば人間的な暖かさ、です。完璧なセッションとは違って音程の危うさや声の擦れなどありますが、そのことがかえって生身の人間の温もりを感じさせます。リヒター先生は誰が聴いても明らかに、イエスの死の直後天変地異が起こり、人々が「この人は本当に神の子だったのだ」と呟くコーラスの部分にクライマックスを設定していておりまして、それはセッションでもユニテルのサントラでも同様です。テンポをぐっと落とし大変息の長いクレッシェンドで長く続いた悲劇の緊張から聴く者を一挙に開放してくれるのですが、その直前のエヴァンゲリストのErdbeben und was da geschah. erschraken sie sehr und sprachen のとこ、さすがのヘフリガー先生もここのund sprachenが辛そう、苦しそう。でも私はこのくだりにいつだって心打たれる。十代の少年のときも今みたいなジジイになってもそれは変わらない。この名録音が最新のリマスターでどう再現されるのか。興味は尽きません。

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