Top 100 Japanese pops Artists - No.71

2003年9月21日 (日)

1980年代後半、ストリート、クラブを中心に多数のライヴを重ねるバンドがあった。
それが東京スカパラダイスオーケストラ。 その圧倒的なパフォーマンスはライヴを重ねるごとに動員を増やし、 1989年、黄色いアナログ12inch、 TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRAでインディーズでリリース。注目が集まるなか 翌1990年にはシングル MONSTER ROCK、アルバムスカパラ登場でメジャーデビュー。 以降、オリジナル・スカに敬意を払いつつも音楽的な雑食性と遊び心によって彼らの全ての活動に“スカパラ印”を押し続け、 ジャンルを超えた極東・スカ・サウンドで“男気”を追求しまくってき た世界屈指のライヴバンドである。

Skaという決してシーンの中心ではない音楽を起点に、5人のホーンセクションをフロントに配した10人という大編成だった彼らが、 東京のアンダーグラウンドシーンから飛び出し、革新的で瞬発力あるアクションを見せたことでその後の日本の音楽シーン をどれだけ活性化させたことか。大所帯の編成から繰り出される強力なグルーヴとエンターテイメント性にあふれたパフォーマンスが目を惹きつけないわけがない。
デビュー翌年の1991年には日本武道館に1万人を動員。オリジナルアルバムは 東京スカパラダイスオーケストラPioneers Fantasia Full Tension Beaters そしてStompin' On Down Beat Alley など8枚、 多数の海外公演を含むライヴパフォーマンスは1000本以上。 スカパラの音盤やライヴの数々には、 “妥協のないプロフェッショナリズム”が極められている。

バンド結成の中心人物で、現在はセッションミュージシャンとして活躍中のAsa-Changの脱退・メンバーの事故・死亡など、 あらゆるトラブルを迎えたものの決してパワーダウンすることはなかった。 そのプロフェッショナルな精神力は大変に強靭なものだ。円熟を避け 常にバンドをリフレッシュさせていこうとする冒険心が彼らの魅力の源なのだろう。 メンバーそれぞれが場面ごとにバンマスの役割をし、現在に至るまでリーダーなしで活動を続け、全員が楽曲のモチーフを提出し、 全員がアレンジもプロデュースも主張もする。常に対等であり、かつお互いを出し抜き、意表をつくことも忘れない絶妙な 関係がその証明と言えよう。
このような形態のバンドがこれだけの長きに渡り、つねに音楽シーンのフロントラインで活躍し続けていること自体 、世界に類を見ない事実である。

また、ミュージシャンであると同時にDJとしても頻繁に活動する彼らは、自らが主宰するレーベル、 “Jasta Records”をたちあげ、オリジナル・スカのリイシューから、クラブシーンに提案する完全フロア対応 音源も発表し続けている。
2000年12月にはアルバムFull Tension Beaters のヨーロッパリリースを受け、 イギリス・フランス・ベルギー・ オランダ・ドイツの5カ国を12日間に11本のライヴで駆け抜けるという怒濤のヨーロッパツアーを敢行。最終日、ベルリンでの 世紀越えライヴまで、本場ヨーロッパのスキンヘッドを熱狂させ、多くのSkaフリークを驚愕させた。

Skaのオリジネイター“Skatalites”から全米ツアーへの同行を誘われ、 “Dubの巨人”Dennis Bovellをして 「スカパラの為ならいつでもスケジュールを空ける」とまで言わしめた 東京スカパラダイスオーケストラは、 オーセンティックなSkaからジャズ、ロックまでをも提示できるミュージカル・パフォーマンスで世界中の Skaバンドの中でも特筆すべき存在であり、海外のアーティスト・音楽関係者も来日の際にはスカパラの 音源を手に入れるためレコード店に足を運ぶなど、世界中のSka愛好家達にとってその名は憧れの対象であり続けている。
近年の日本の音楽シーンにおいてもスカ・バンドの台頭への影響は計り知れない。渋谷の路上から生まれた Jazz系インストバンドPe'zDomino88などのフォロワーも数多く生み出し、スカ・シーンを活気づけている。

現メンバー紹介
NARGO…トランペット スカパラホーンズの切り込み隊長。ステージでの花形役者である。
北原雅彦…トロンボーン 派手なパフォーマンスでステージを沸かせる。今でも毎日長時間の練習は欠かさない。
冷牟田竜之…アルトサックス リズムの切れとカラフルさが光るトースティングはスカパラサウンドに欠かせない。
GAMO…テナーサックス ヴェリーヴェリースウィートなサックスプレイ。
谷中敦…バリトンサックス ストイックにバリトンサックスで同じ音をウラ打ちし続ける、インパクト大の存在。
沖祐市…キーボード “熱”のあるキーボードプレイは若手No.1。SAX、田中とのユニットSembelloの活動も期待される。
加藤隆志…ギター アグレッシヴなギタープレイとパフォーマンスでバンドに新風を吹き込む。
川上つよし…ベース スカパラ・リズムセクションを支える。 新ユニット川上つよしと彼のムードメーカーズでも活動。
大森はじめ…パーカッション グルーヴが心地よいスリム&スマートなパーカッショニスト。
茂木欣一…ドラム 元フィッシュマンズのバンドマン。歌心溢れるドラミングでバンドを引っ張るスカパラのリズム番長。

代表アルバム
1990年リリーススカパラ登場スカパラの記念すべきメジャーデビューアルバム。とにかく若いスカパラメンバーが見れる。 大御所世帯のバンドならではの熱狂的なライヴパフォーマンス、今でも演奏している代表曲の数々や粋なカバー曲が収録された、 彼らの原点となる作品。
1991年リリースワールドフェイマス スカパラ初期に顕著にみられた昭和歌謡テイストがぎっしり詰まっている。 曲数も17曲とボリュームあり。
1995年リリース『グランプリ』には、小沢健二や竹中直人、石川さゆりらを迎えたようなおもちゃ箱のような作品。 1996年リリース『トウキョウ・ストラット』は、1996トーキョー・ ロード・ムーヴィー・ミュージックをコンセプトに粋な仕上がりとなっている。
2002年リリースStompin'On Down Beat Alleyではスカパンドとしては 異例の45万枚の大ヒットを記録し、オリコン1位も獲得した名盤。 先行して発売した歌ものシングルめくれたオレンジ (ヴォーカル・田島貴男)、 カナリヤ鳴く空 ( ヴォーカル・チバユウスケ(From Thee Michelle Gun Elephant)、 美しく燃える森 (ヴォーカル・奥田民生) も収録された話題作。
2003年High Numbers 。 熱きグルーヴ満載の超キラーな内容。アップテンポなキラーチューン、ファンタジックなロックステディや、 夕暮れ仕様の男前ナンバーまで200%増量のメンバーの熱い魂が伝わってくる。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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