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橋本徹の『Seaside FM 80.4』全曲解説 橋本徹(SUBURBIA)関連記事まとめへ戻る

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2012年7月27日 (金)




「フリー・ソウル」「カフェ・アプレミディ」「メロウ・ビーツ」「ジャズ・シュプリーム」「音楽のある風景」など多くの人気コンピを手がけてきた橋本徹(SUBURBIA)監修レーベル「アプレミディ・レコーズ」より、「海辺のFMステイション」を選曲コンセプトにした待望のスペシャル・イシューが登場! 爽やかな高揚感と甘い憧れを誘い、切なくも甘酸っぱい感傷を抱いたハワイやブラジルのメロウAOR〜フォーキーSSW、グルーヴィーなギター・カッティングと涼やかなスティールパンの瑞々しさ。キャロル・キング〜ロジャー・ニコルスからロバータ・フラック〜ポール・サイモンやミルトン・ナシメント〜トニーニョ・オルタまで、多彩なカヴァーもときめくような絶品揃い。それは、街のざわめきをよそにラジオから流れだす、胸を焦がす青春メロディーのように、恋に落ちるときのサウンドトラック。



この夏の思い出に変わる、最高にメロウ&グルーヴィーなコンピレイション!

 『音楽のある風景』シリーズ、『チルアウト・メロウ・ビーツ』、『素晴らしきメランコリーの世界』、USENの大人気チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」の10周年記念作品『Haven't We Met?』、『サロン・ジャズ・ヴォーカル』シリーズ、そして4月に発売され現在も好評な『ブルー・モノローグ』など常に良質なコンピレイションを発表し続けている橋本徹さん監修の「アプレミディ・レコーズ」より、この夏に聴きたい新作コンピレイション『Seaside FM 80.4』の登場です。その内容は「海辺のFMステイション」をテーマに、メロウなブラジリアンAORや、ハワイやフランスのフォーキーなSSW、グルーヴィーなソフト・ロック、スウィンギーなサロン・ジャズ・ヴォーカルから、マニアも驚きの絶品カヴァーまで多数収録されています。フリー・ソウル・シリーズを思い起こさせる高揚感と、カフェ・アプレミディ・シリーズにも共通する風通しのよい空気感が同居した橋本さんの選曲は、どこか懐かしく、ふとラジオから流れてきた音楽に心を奪われるようなときめきを覚えます。ドライヴはもちろんのこと、パーティーやお店のBGMなど、いろんなシチュエイションで活躍し、きっとこの夏、最高の思い出を作ってくれる一枚になるでしょう。

(ローソンHMVエンタテイメント店鋪バイイング部
ワールド&ジャズ担当 山本勇樹)



『Seaside FM 80.4』 全曲解説

黒字 → 橋本徹 青字 → 山本勇樹


01. Ventura Highway / Geyster
フリー・ソウル・クラシックとして人気の高いアメリカのアコースティック・グルーヴの名曲をフランスの“AORディガー”ことガエル・ベンヤミンのプロジェクト、ガイスターが見事にカヴァー。ジャネット・ジャクソンがサンプリングした印象的なアコースティック・ギターのイントロをピアノで聴かせるとはナイス・アレンジです! シンプリー・レッド「Fairground」のエレピ・ヴァージョンを彷彿させる穏やかなメロウ感も気持ちいいですね。そういえば『音楽のある風景〜夏から秋へ』にも1曲目にアイダ・サンドのこの曲の爽やかなジャズ・ヴォーカル・カヴァーが収められていたので、聴き比べても面白いです。どちらも夏に聴きたくなる名作ですね。


02. Mangoes And Pears / Gaby Hernandez
長く音楽を聴き続けていると、毎年いくつかのマイ・サマー・アンセムが生まれますが、この曲は昨年来のNo.1(次点はミア・ドイ・トッドの「Summer Lover」でしょうか)。まさしく21世紀の「Lovin’ You」(ミニー・リパートン)と言うべき、ピースフルで心安らかな気分にさせてくれる永遠不朽の名曲です。この夏、多くの方の耳に届くことで、例えばライナーで草野圓氏が描いているようなシチュエイションで、“Thank you for you love...”と口ずさまれる機会が増えることは、「小さいけれども確かな幸せ」(村上春樹)ですね。ビルド・アン・アークのカルロス・ニーニョがサポートしたギャビー・ヘルナンデスの素敵なタイトルをもつ名盤『Sweet Starry Night』は、実は日本盤しか存在しなくて、今回の収録はdisques cordeを主宰する僕の信頼する音楽ジャーナリスト、原雅明氏の好意で実現することができました(感謝!)。


03. Nada Mais / Deni
心地よいギター・カッティングがグルーヴィーにリードするこのスティーヴィー・ワンダーやジャヴァンを彷彿させるブラジリアン・ソウルは、もともと一昨年の「usen for Cafe Apres-midi」ベスト・セレクションに選んだことで、僕の周囲では高い人気を誇っていましたが(というか、この曲を好きでない友だちはいません)、つい先日、福岡と逗子海岸でDJプレイしたときにもブースに問い合わせが殺到したのが印象深くて、コンピレイションの最初のハイライトに持ってきました。爽やかでメロウな傑作ですが、そこはかとない甘い潮の香りも感じられて、そのAOR〜ブルー・アイド・ソウル風味が「FM感」「シーサイド感」に大きく貢献していると思います。これを収めたデニ・レイスの2010年のデビュー作『Velos』は、かつてジョルジ・ヴェルシーロを手がけたトルクアット・マリアーノのプロデュース、というのも納得ですね。



04. You've Got A Friend / Jesse Fischer & Soul Cycle feat. Gretchen Parlato
ブルックリンで活躍する鍵盤奏者ジェシ・フィッシャー率いるグループ、ソウル・サイクルが、今をときめくヴォーカリスト、グレッチェン・パーラトを迎えてキャロル・キング〜ジェイムス・テイラーの名曲をカヴァーしたといえば黙ってはいられません。グレッチェンは『音楽のある風景〜冬から春へ』でジャヴァンの「Flor De Lis」のカヴァーが収録され、2011年にはロバート・グラスパーを共同プロデューサーに迎えて『Lost And Found』を発表し、時代性を反映したリリカルで内省的なジャズを聴かせてくれました。ここでは希代の名曲が彼女の最大の魅力でもある艶やかな歌声が光るメロウ・グルーヴの極みといえるヴァージョンに仕立てられ、ニュー・クラシックの風格さえ漂います。エレピの気持ちよさは、まさにシーサイドFMフィーリングですが、個人的には『ブルー・モノローグ』から繋がる橋本さんセンスの一片を感じたのも興味深かったです。



05. It's Not Unusual / Clare Teal
ジャズ・ファンからも人気の高い英国の女性シンガー、クレア・ティールの最新作『Hey Ho』から、トム・ジョーンズでおなじみの名曲カヴァー。ここではオリジナルのグルーヴィーでファンキーなノーザン・ソウル・サウンドから一転してラウンジーで軽快なブラジリアン・ジャズを聴かせてくれます。途中の男声コーラスもポップで洒落ていますし、何か素敵なことが始まりそうな予感の漂うアコースティック・ギター+フルート+ピアノの気品を感じさせるアレンジは、ソフト・ロック・ミーツ・サロン・ジャズの王道ともいえますね。



06. Circo Marimbondo / Pedro Bernardo
制作スケジュールぎりぎりで収録許諾の知らせが届いて歓喜したキラー・ナンバー。これも一昨年の「usen for Cafe Apres-midi」ベスト・セレクションに選んだ曲で、サンバ・カリオカの新鋭ペドロ・ベルナルドと、ティーンエイジャーの彼の才能を早くから評価していたミナスの雄ミルトン・ナシメントの邂逅が生んだ奇跡の一曲。アプレミディ・ファンにはクリスチャンヌ・ルグランやアライジ・コスタ(そしてそのヴァージョンをサンプリングしたCalmの名作「Sitting On The Beach」)、クレモンティーヌのカヴァーでもお馴染みのミルトン・ナシメント「Catavento」(“かざぐるま”という意味です)の若々しい躍動感あふれるリメイクで、まさに軽やかな風が吹き抜けるように爽快。これもDJでかけると必ず、と言っていいほど問い合わせ率高し、です。



07. La Vie En Rose / Earl Brooks
スティールパンの奏でる涼やかな音色は、夏の海辺で聴きたくなる音楽の最高峰です。そんなコンセプトで企画された『Steel Love』というオムニバス・アルバムから、当初はボブ・マーリーの大好きな曲「Turn Your Lights Down Low」をカヴァーしたデヴィッド・ラダー&ケン・プロフェッサー・フィルモアも選曲候補に考えていましたが、やはり波間にきらきらと反射する太陽の光のような爽やかな高揚感に抗えず、『Free Soul Universe』に収録したグレイス・ジョーンズ・ヴァージョンを下敷きにしたエディット・ピアフの好カヴァー「La Vie En Rose」を選びました。僕はこの曲は、クープの「Summer Sun」にインスパイアされて、パリ在住のブラジリアン女性シンガー、カチアの歌によるカヴァーをプロデュースしたこともあって、そちらも光り輝く浜辺へのドライヴにうってつけです。



08. Love So Fine / Bobbi Boyle And The Trio
アメリカのマイナー系グループ、ボビ・ボイル&ザ・トリオがカヴァーした、オリジナルはロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズのソフト・ロックを代表する名曲です。以前、橋本さんはカフェ・アプレミディ・コンピの『エクリュ』ではカーニヴァルのラテン・ミーツ・ソフト・ロック・ヴァージョン、『Resort+Music Brazilian Wave』ではピート・ジョリーのピアノ・トリオ・ヴァージョンを選曲していましたが、ここではその二つを掛け合わせたようなソフト・ロック・ミーツ・ジャズともいえる奇跡のカヴァー・ヴァージョンを。さらにいえばフランク・カニモンド・トリオ・イントロデューシング・リン・マリノのカヴァーにも匹敵する好ヴァージョンだと思います。



09. Don't You Know / Butterscotch
このコンピレイションには、何か決定的なラジオ・ヒットを、と思ってクライマックスに向けて収録した「そよ風の二人」(当初の邦題「恋のそよ風」でも日本盤7インチがありますね)。裏トニー・マコウレイという感じで再評価したい、エディソン・ライトハウスなどで知られる英国の名ソングライター・チーム、アーノルド=マーティン=モロウのペンによる一世一代の名曲で、究極のソフト・ロック、とも言えますね。ここではアルバム・ヴァージョンよりグッと心に訴えかけてくる何かがあるシングル・ヴァージョン(モノラル)にこだわりました。胸を焦がすような青春メロディー、恋する夏の疾走感に心奪われてください。



10. Hieroglyphics / Maylee Todd
そのバタースコッチ「Don't You Know」と40年の時をこえて響き合う、と一聴して感じたのが、今年初めに7インチが限定500枚リリースされた、カナダはトロントの女性シンガー、メイリー・トッドのこのスーパー・キラー・チューン。最近の小箱クラブでは文句なくNo.1フロア・フィラーと言っていいでしょう。実は僕は一度しかDJでスピンしたことはないのですが(何となく照れくさくて)、そのときのオーディエンス一体となっての手を挙げての大合唱は忘れられません。かつてのフリー・ソウルのパーティーのピークタイムのようでした。疾走するカッティング・ギター、伸びやかなストリングス、切なくこみ上げるアーバンなヤング・ソウル・メロディー、そして何より甘酸っぱくラヴリーな彼女の歌声に胸を締めつけられます。シンセの音色とフレーズに「メロウネス」「夏」を感じるのも2012年ならでは。そう、ラジオやカーステレオからこの夏ぜひ流れてほしいこの曲は、アーバン・リゾート感覚やブギー風味も隠し味にした2012年のシティー・ミュージックなのですね。待望の世界初CD化を、FM関係者の皆さんはエア・プレイで祝っていただけたら嬉しいです。そういえば彼女のバンドPegwee Powerを率いてのファースト・ヒットは、その名も「Summer Sounds」というタイトルでしたね。



11. Menina Das Candeia / Tibless
個人的に今年上半期ブラジルNo.1に認定したいのがチブレスです(次点はキーニョ/マリオ・ファルカォン/ティト・マルセロあたりかな)。夜の首都高速にも似合う、完璧なアーバン・メロウ・ファンキー・ブラジリアン。僕の音楽仲間では「ブラジルのジャミロクワイ」なんて言われたりもしていて、夕暮れから夜のとばりが降りる頃にかけての「海辺のFMステイション」に相応しいことは言うまでもありません。物哀しさを秘めたサウダージとほのかに香るアフロ・ビート。特にこの曲はエレピの音色がミラクルで、ギターのリズム・カッティングなどの生音とドナチーニョによるサンプリングが絡み合う極上のハイブリッドMPB。これもまた2012年ならではのアーバン・リゾート・フィーリングですね。



12. You're Free / Patricia Marx & Bruno E.
パトリシア・マルクスとブルーノ・Eは、かつての4ヒーロー的な作風のプロダクションも好みでしたが、夫婦デュオ名義で去年の初めに出されたアコースティック・アルバムには心の底から感激しました。その瑞々しさ、慈愛に満ちた美しさには、理想の男女ミュージシャン、という言葉さえ浮かんで、ブラジルのエヴリシング・バット・ザ・ガール、というイメージを想起したりもしました。とりわけこの「You're Free」は、たおやかで、どんなときにも穏やかな気持ちにさせてくれる心の一曲です。そう、「心の調律師のような音楽」ですね。波の音に始まるこのピースフルなメロウ・グルーヴを中盤に配することで、とろけるように快い場面転換をはかれたらと考えたのは、『Free Soul Lovers』でのデニース・ウィリアムス「Free」の甘い記憶とその温もりが、まだ僕の中のどこかに残っていたからかもしれません。そうだといいのだけれど・・・・・・なんて思いながら、今日も「Free」に全く劣らぬこの名曲に身を委ねています。



13. Words To A Song / Billy Kaui
この辺りからだんだんと海の向こうに夕陽が沈んでいく時間帯でしょうか。涼しげなメロウ&メランコリックな楽曲が並びます。ビリー・カウイはハワイのカントリー・コンフォートという、カラパナと人気を二分したグループの中心メンバーであり、こちらは彼の77年の唯一のソロ・アルバムに収められた名曲で、同じくハワイのSSWババドゥのカヴァー・ヴァージョンもサバービア・ファンには名演として有名ですね。前述のカラパナ〜マッキー・フェアリー〜レムリア、セシリオ・カポノ、サマーにも共通する、グルーヴィーなブルー・アイド・ソウル感覚とソフト&メロウなアレンジが心地よい絶品のロコAORです。この周辺のハワイアンAORを集めた『Free Soul Flight to Hawaii』を久しぶりに引っ張り出して聴きたくなりました。



14. Bish's Hideaway / Richard Natto
こちらも同じくハワイのSSWリチャード・ナットによる、スティーヴン・ビショップの78年の名作『Bish』に収められた隠れたAOR名曲のカヴァー。邦題は「ひとりぼっちの渚」。さざ波のようにゆったりと刻まれるアコースティック・ギターとハートウォーミングで優しい歌声が、ブッカー・Tの「Jamaica Song」を彷彿させる、黄昏の海辺が似合う最高のアコースティック・ナンバーです。「木々が揺れ、風が吹き、僕はひとりヒュッテでラジオを聴きながら・・・・・・」という最後の歌詞が染みますね。彼の青くさい歌声も魅力的で、ぜひベン・ワットなどを愛するネオアコ・ファンにも聴いてほしいと思います。



15. Feel Like Making Love / The Dynamics
ユージン・マクダニエルズ作曲でロバータ・フラックやマリーナ・ショウの歌唱で知られる名ラヴ・ソングにして、サバービア〜フリー・ソウル重要曲の一つといってもよいのではないでしょうか。橋本さんのコンピには数多くのヴァージョンが収録されてきましたが、最近は、『音楽のある風景』〜『サロン・ジャズ・ヴォーカル』シリーズのスー・ジャイルス/サスキア・ブルーイン/ヴィヴィアン・ブクゼクが印象的でした。こちらはフランスを拠点に活動するグループ、ダイナミクスによるスウィートなラヴァーズ・カヴァー。もともとロック・ステディーのリズムと相性がよい楽曲でありますが、ここでは安易にイージー・リスニングなアレンジに走らず、ジャズやロックやポップスをクロスオーヴァーするフットワークに優れたセンスが光っていますね。じんわりと染みてくるヴォーカルと夕暮れのサウダージ・フィーリングが唯一無二の味わい深い魅力を放っています。



16. Aquelas Coisas Todas / Friends From Rio feat. Celia Vaz & Wanda Sa
ロック・ステディーからミナスへ。橋本さんはフレンチ・ブラジリアンのカチアによる素晴らしいカヴァーも制作していた、トニーニョ・オルタのサウダージ溢れる名曲ですね。ブラジルの女性ギタリスト/アレンジャーであるセリア・ヴァスと、ボサノヴァの永遠の歌姫ワンダ・サーによるこのカヴァーは、全編に漂うスピリチュアル・テイストがやはりセリア・ヴァスらしく、“風・光・水”というキーワードがよぎる清涼感に満ちたサウンドとスキャットはワンダ・サーらしく、心が安らぎます。意外にブラジル音楽ファンも聴き逃している好ヴァージョンではないでしょうか。セリア・ヴァスはトニーニョをパット・メセニーに紹介した人物としても知られていますね。



17. Under African Skies / Paolo Fresu & Omar Sosa feat. Jaques Morelenbaum
ポール・サイモンが86年に発表した『Graceland』に収録した楽曲を、イタリアのトランペッター、パオロ・フレスとキューバのピアニスト、オマール・ソーサが、ブラジルのチェリストであるジャキス・モレレンバウムを迎えてカヴァー。ポール・サイモンはアフリカ音楽と西洋音楽を結びつけて、平和の祈りをこめてこの曲を作りましたが、国や人種をこえた彼らのコスモポリタンなヴァージョンを聴いていると、胸に響くものがあります。ECMサウンドのようなクラシカルなアレンジながら、口笛とスキャットが軽やかに流れる対比が美しいですね。ゆっくりと夜が更けて星が瞬きはじめるような、真夜中のラジオのスクランブル放送で流れたらたまらなく切なくなりそうな、そんな名曲です。


18. Moving To Town / Simon Dalmais
ラストは海から街へ戻るときの優しい気持ちを託して、フランスの知る人ぞ知るピアニスト&シンガー・ソングライター、シモン・ダルメのこの曲を。夕暮れの海が似合う彼の『The Songs Remain』は、ビーチ・ボーイズの『Friends』とベン・ワットの『North Marine Drive』を結ぶような本当に素晴らしいアルバムで、アプレミディ・レコーズから8/12に日本盤がリリースされます。ライナーでは渡辺亨氏が、ジョニ・ミッチェル『Blue』/トッド・ラングレン『Runt. The Ballad Of Todd Rundgren』/ニック・ドレイク『Bryter Layter』/ビーチ・ボーイズ『Surf's Up』などの系譜にある、物寂しさや切なさ、懐かしさをたたえた「青のアルバム」と位置づけていて、クレア&ザ・リーズンズのオリヴィエ・マンションがニック・ドレイク作品にとってのロバート・カービーのような役割を果たしています。僕は真夜中に聴くことの多い今年上半期のマイ・ベスト・アルバム、ブルー・ナイルのポール・ブキャナンのソロ作『Mid Air』の昼間版、あるいは曇り空が似合うガル&カエターノ『Domingo』に対して、その木もれ陽ヴァージョン、というような印象も抱いています。いずれにせよ、アプレミディ・レコーズから単体アーティストを出すのには僕なりにとても厳しい基準を設けていて、これがカルロス・アギーレ/ルイに継いでたった3作目。ジャケットも歌詞も最高の一枚ですので、ぜひ楽しみにしていてください。



特別付録! 「海辺のFMステイション」


今回も特別に、橋本徹さんにお願いして、『Seaside FM 80.4』をコンパイルする過程でピックアップされた楽曲の選曲リストをご提供いただきました。発売日に間に合うスケジュールで使用許諾が届かなかったり、ライセンスに手間どるメジャー・レーベルの音源だったり、といった理由で収録はされていませんが、どれも橋本さんお墨付きの“海辺のFM局から流れてきたら最高に心地よい”名曲・名演ばかりです。HMVで取り扱っている作品も多数含まれていますので、コンピレイションの制作される様子を想像したり、自分なりのコンピレイションを作る感覚で、お聴きになってみてはいかがでしょうか?

01) That Summer Feeling (7”) / Jonathan Richman & The Modern Lovers
01)
10) Summer Lover / Mia Doi Todd
10)
11) El Caminante / Pablo Juarez
11)
13) I'd Like To Touch A Star / Leder Brothers
13)
15) So Free / Olomana
15)
16) Most Of The Time / Full Sail
16)
17) High Tide / Batteaux
17)
20) Le Vol D'lcare 〜 Waiting / Simon Dalmais
20)

01) That Summer Feeling (7”) / Jonathan Richman & The Modern Lovers
02) Castro Brown Speaks To Dennis Bovell / Dennis Bovell
03) Swim / Papa's Culture
04) Hello Beach Girls / Richard Schneider Jr.
05) Whistling In Tongues (Todd Terje Remix) / Felix Laband
06) Summertime Is Here / Theo Parrish
07) Ulooklykicecreamndasummertyme / Moodymann
08) Children From Bahia / Mental Remedy feat. Carlos Roberto
09) Love Song / Nadirah Shakoor
10) Summer Lover / Mia Doi Todd

11) El Caminante / Pablo Juarez
12) Turn Your Lights Down Low / David Rudder & Ken Professor Philmore
13) I'd Like To Touch A Star / Leder Brothers
14) Gone / Blue Light
15) So Free / Olomana
16) Most Of The Time / Full Sail
17) High Tide / Batteaux
18) Every Little Move She Makes / Tony Burrows
19) The Good Life / Elliott Ranney
20) Le Vol D'lcare 〜 Waiting / Simon Dalmais




プロフィール

橋本徹 (SUBURBIA)

編集者/選曲家/DJ/プロデューサー。サバービア・ファクトリー主宰。渋谷・公園通りの「カフェ・アプレミディ」「アプレミディ・グラン・クリュ」「アプレミディ・セレソン」店主。『フリー・ソウル』『メロウ・ビーツ』『アプレミディ』『ジャズ・シュプリーム』シリーズなど、選曲を手がけたコンピCDは230枚を越える。NTTドコモ/au/ソフトバンクで携帯サイト「Apres-midi Mobile」、USENで音楽放送チャンネル「usen for Cafe Apres-midi」を監修・制作。著書に「Suburbia Suite」「公園通りみぎひだり」「公園通りの午後」「公園通りに吹く風は」「公園通りの春夏秋冬」などがある。




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