愛と平和のスピリチュアル・ジャズ・コレクティヴ、BUILD AN ARKのサード・アルバムが待望のリリース。クラブ・ジャズ、ソウル、ゴスペル、民族音楽、フォーク、ロック、サントラ等様々な音楽の要素をブレンドした見事な一枚。ミュージシャンが繰り広げる感動的なドラマと壮大なストーリーはまるで、一本の映画を観るかのよう。好きなシーンだけ、ダウン・ロードなんかしないでしょ？全曲、捨て曲なし！

数々のCD化を手掛けてきた"DEEP JAZZ REALITY"シリーズ。これまた、とんでもない事をしでかしてくれた！「レア度、スピリチュアル度、ディープ・ジャズ度ーすべてが最高峰と呼ばれるライブ・アルバム」との呼び声も高いROY BROOKSの作品をリ・イシュー。ジャズとは名ばかりの清潔なアルバムばかりがリリースされる中で、こんなにもドープな作品が陽の目を浴びるなんて・・・。いい時代ですね。

アルバム『4U』をリリースしたばかりのCRO-MAGNONが早くもカバー集を発表。恒例のメロウ・チューンを配列したリスニング色の強いアルバム、第2弾な訳だが、選曲とアレンジが抜群に良い。ダンサブルでカッティング・エッジなトラックを量産し、瞬く間に世界から注目を集める事となった彼等だが、そのグルーヴ感とサウンド・メイクを維持しながらチルでイルな世界にスライドしてしまうセンスが抜群。

北海道在住の音楽クリエーター、KUNIYUKI TAKAHASHI。ハウス、テクノ、ブロークン・ビーツといった異なるジャンルのDJ達から熱烈な支持を集める彼のニュー・アルバムは、ジャズだ。それもその筈、これ又北海道を拠点に活動を続けるジャパニーズ・レジェンド、福井良の参加でプログラム・ミュージックと生ジャズの華麗なる癒合が成し遂げられたのだ。HENRIK SCHWARTZが絡むM-1は、衝撃的！

人気シリーズ第３弾。これまで、タイムレスなHIP HOPを中心に名曲をセレクトして来た"LOST & FOUND"が、今回は大胆にクロスオーバー化。DAZ-I-KUEに、MOODYMANN、BENNY SINGS等の収録は、B-BOY達の雑食性、或は、オープン・マインドな姿勢を物語っているようで個人的にも非常に好感が持てる。クラブ・ジャズのDJがこういうのやんないとなーと反省も。これ、一般リスナーにも届くよ！

ナベ・サダこと渡辺貞夫が７２年に録音した強力和ジャズ／ジャズ・ファンク・アルバム。アフリカ音楽の影響を現地滞在によって吸収した彼が、エレクトリック・ピアノやロック・ビートの導入で現代的（当時）なジャズの創造を目指した意欲作。タイトルは、アフリカの言葉だけれど、和風なメロディーや、マイルス・デイビスを彷彿とさせるサウンドは、今、聴いてもオリジナリティーがあって十分に尖ってる。名盤！

ここの所、急速にアフロ・ビートへの接近を試みていたフィンランド出身野クリエーター／ミュージシャン、JIMI TENOR。彼が、新旧の共演企画"INSPIRATION INFORMATION"で、遂にオリジネーター、TONY ALLENと邂逅を果たした。JIMI TENORが持つ、サイケ／プログレ／モンド感と、御大によるモダンなアフリカン・サウンドが合体。彼らのライブ観てみたいな。僕の一押しは、「GOT MY EGSI」。

ATCQの元ネタとして随分長い間DJ達に支持されてきたアルバムが、待望の初CD化（多分）。７０年代のART BLAKEYってどうなの？なんて思う事なかれ。フェンダー・ローズの導入とWOODY SHAWやCARTERJEFFERSONの参加で、一味も二味も違う内容に。これは、ファンキー・ジャズ＋フュージョン＋スピリチュアル・ジャズだ!!??JOHN HENDRICKSをフィーチャーしたM-5も必聴です。

quasimodeのEMIへの移籍第一弾アルバムの登場。クラブ・ジャズ・シーンを破竹の勢いで駆け抜け、今やジャズの名門、BLUE NOTEからのリリースを実現。又、ドラマーの脱退／新加入を経て、新生quasimodeとしての気合い十分だ。そんな彼等の最新作では、ダンス・クラシックス、「RELIGHT　MY FIRE」をカバー曲として取り上げている。従来までのラテン系ハード・バップやオーセンティックな歌ものを収録しながらも、新たな地平を切り開こうとしているその勇気に拍手。これは、ディスコ・ジャズだ！

ART BLAKEYの『BUHAINA』と同じ括りで、これ又、GARY BARTZの名盤がCD化。レア・グルーヴ全盛の頃は、JAZZ FUNK的な捉えられ方をしていた本作ですが、こうやって時期が移り変わり聴き直してみると、スピリチャル・ジャズ的にも聴こえてくるもんなんですね。GIL SCOTT HERONの世界観にも通じる『SINGME A SONG TODAY』も聴き堪えあります。SA-RAへの参加で再評価の高まるGARY BARTZに、今、改めて注目すべきかも。