第12位

2005年8月20日 (土)

Aimee Mann

現代最高峰の女性シンガーソング・ライター

映画『マグノリア』でその名を知られるようになったAimee MannTil Tuesdayという80年代に人気のあったニューウェイヴ・バンドに在籍。この時代の彼女を知る人がどれだけ今のAimee Mannを想像できたことだろう。余計な装飾や気取りが一切ないオーガニックなサウンド、物憂げな優しいヴォーカル、ほろ苦さの中にも力強さを感じる歌詞など移り気の早いミュージック・シーンにおいても独特のスタンスを貫き通している。

90年代はニューウェイヴ・バンド、Til Tuesdayで活躍

1960年、ヴァージニア州リッチモンド生まれ。名門バークレイ音楽院に入学したもの、パンク/ニューウェイブの洗礼を受け中退。'85年にMichael Hausman、Joey Pesce、Robert Holmesらと結成したバンド、Til Tuesdayのヴォーカル/ベースとしてデビュー。
エレクトロニクスを用いたこのアルバムは当時新鮮に響き、デビュー・アルバム『Voice Carry』はゴールド・ディスクに輝くほどの大ヒットを記録した。 86年にリリースしたセカンド・アルバムではよりサウンドを追求したものの残念ながらヒットには繋がらなかった。
88年には『Everything's Different Now』をリリース。これまでのサウンドとは打って変わったサウンドで起死回生を計ろうとするもられるようになったAimee Mannの人気のみが一人歩きといった状態でセールス的に厳しかったバンドはこのアルバムを最後に解散した。

多くのミュージシャンとコラボレートするソロ時代

バンド解散後レコード会社とのトラブルによりなかなか活動ができないという状況が続き、約5年間のブランク後1993年にソロ・デビュー・アルバム『Whatever』をリリース。 新興のインディー・レーベル<イマーゴ>からのリリースとなったこの作品には元ByrdsRoger McGuinnが参加。シンガーソング・ライターとしての新たな才能を見せ当時かなり話題を呼んだ。

しかし、<イマーゴ>が倒産したためGeffen Recordsへ移籍。ここからリリースされたのがセカンド・アルバム『I'm With Stupid』。当時パートナーでもあったジョン・オブライオン(後に多くのアーティストをプロデュースして名を上げる)の影響が強く表れたのか、これまでの作品、今後の作品を合わせた中でも最もオルタナっぽいサウンドに仕上がっていてAimee Mannの瑞々しく力強い彼女の歌と相俟って熱心なファンの間ではこの作品が1番という声も多い。

そしてこの辺りから多くのミュージシャンが彼女のアルバムに参加するなどコラボレーションが増えていく。
『Whatever』ではByrdsRoger McGuinnが参加していたが、『I'm With Stupid』ではSqueezのGlenn Tilbrook、Bernard ButlerNeil InnesJuliana Hatfield、現在のパートナーであるMichael Pennなどが参加。彼女がいかにミュージシャン仲間から愛されているかということの証拠だろう。

その後再びレーベルとのトラブルが起こり空白の時間に作られた映画「マグノリア」のサントラが大ヒットを記録。一躍その名を知られることとなった彼女はすでに完成していたアルバム『Bachelor No.2: Or The Last Remains Of The Dodo』を買い戻し自身のレーベルからリリース。ナチュラル感がアップした本作はインディーズとしては大ヒットを記録し、第43回グラミー賞で“ベスト・フィメール。ヴォーカル・パフォーマンス”と“ベスト・ソング・リトゥン・フォー・ア・モーション・ピクチャー・オア・TV”の2部門にノミネートされた。

アルバムをリリースするごとに評価が上がっていく彼女は2002年に『Lost I Space』をリリース。今年に入り『Forgotten Arm』、そして彼女の独特の世界感が体験できるライヴ・アルバムとDVDがセットになった『Live At St Ann's Warehouse』をリリース。 時が経過するにつれシンプルで力強くなるAimee Mannに世界中が魅せられている。

映画『マグノリア』との関係

大ヒット映画『Magnolia』の脚本がAimee Mannの楽曲にインスパイアされて書かれたというのは有名な話。『Boogie Nights』などで有名な映画監督Paul Thomas Anderson が友人でもあるAimee Mannの音楽を映像化するという大胆なコンセプトから生まれたのが『Magnolia』
この映画は世界中で大ヒットを記録した。もちろんサウンドトラックは彼女の手によるもので、オリジナル主題歌"Save Me"はグラミー賞にノミネートされ話題をさらった。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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