第15位

2005年8月14日 (日)

原点回帰〜米英音楽のルーツを聴く

口承によって受継がれるアイルランド音楽は、長い歴史を滲ませるメランコリックな側面を持った気品と伝統に溢れるケルト民族の音楽...。 クラシックの世界にも通ずる高尚で、伝統を重んじるアイリッシュ・トラッドは、海を渡りカントリーやブルース、ロックなどに変形、米・英音楽のルーツなのです。

そのアイリッシュ・トラッド音楽を継承し続けているのにも関わらず意外とそんなルーツはお構いなし...とされがち。アイリッシュ・トラッド功労者であるThe Chieftainsの存在を見過ごしてやしませんかニッポンの皆さん。アイルランド、イギリスでは勿論他界評価を受けていますが、他国民よりも音楽を愛する日本人（世界初CD化なんてのも多い国ですし）に今一度彼らの素晴らしさを知って欲しいものと思います。

The ChieftainsはPaddy Moloneyのイーリアン・パイプ、Derek Bellのハープ、 Sean Keaneのフィドル、Peadar MercierとKevin Conneffのバウロン、Matt Molloyのフルート...この6人がメンバーで、結成は1962年。

アイルランドに所縁のあるアーティスト達にとっても彼らの存在は偉大であり、Elvis CostelloやMick Jagger、Mark Knopfler、Van MorrisonにJoni Mitchellらは勿論のこと、Willie NelsonやEmmylou Harrisら米カントリー・ミュージシャンらにとっても影響を齎す言わば“Musician's Musician”です。

ロック全盛の60年代〜時代の流れに反して...

Rolling StonesやThe Beatlesの台頭、R&R全盛の1962年にデビュー、1965年にリリースした1stChieftainsは抽象的絵画のような美しいアートワークそのままに、伝統を重んじ、かつ洗練されたアイリッシュ・トラッドを展開、チーフタンズ初心者はまずコレから聴いて欲しい素晴らしい作品です。

1969年に発表された2nd、71年発表3rd、73年発表4thから1978年発表の8thまでの70'sオリジナル・アルバム(Vol.1〜8まで2000年RMT盤で取扱)のその全てがデビュー当時からの姿勢を変えず非常に充実した作品を発表し続けており、いずれも傑作＆ジャケもそれぞれ美しいのでお好みで選んでもハズレなしですのでご安心を。

鬼才キューブリックも認めた事実

1972年、リーダーのPaddy MoloneyがPaul MacCartneyの’アイルランドに平和を’に参加したことから話題となり、そして1976年には鬼才キューブリックの『バリー・リンドン』のスコアを演奏、見事アカデミーを受賞。彼らのイズムが徐々に世界へと広がっていく瞬間です。

ヴァン・モリスン×チーフタンズ
そして1988年、